五臓五腑にしみ渡る①
私には胆嚢が無い。取った。
重大な病ではなく、胆嚢ポリープが発見されたため除去に至った。
この記事は発見から、術後の経過までを時系列で書いていこうと思う。
きっかけは不摂生
仕事のストレスを溶かすために必要な日課の深酒、遅くなった帰宅時間から無理やり作った自由時間に押し出された夜更かし。
蓄積された副作用は、ある朝から胃痛となって顔を出した。
「私も歳を取った、若くないんだな」とそんな事を思った。過去に体験した症状から推測すると、この胃痛は潰瘍ではない、痙攣だ(つまり胃がつっている)。
そんな朝が続いたある日、痛む患部に触れると胃と食道の辺りにしこりがある事に気づいた。ああ、これは。
とりあえず病院に行くか、かかりつけの医師なんて無いので地域の大きな総合病院で良いいだろう。
嫁の意見は「総合病院は初診料が高く、重い病の方を診療する場所なので小者は地域の内科へ行け」との事。ああ、何とも響く正論、俺は良い嫁を持ったな。
でも大は小を兼ねるので無視して総合病院へ。
無知は罪、ムチムチは俺好み
医師にしこりがある事、毎朝、15分程度の胃痛と戦っている事を伝える。
彼は私のしこりを触診し笑顔で口を開いた。
「これは軟骨ですね、安心してください。肋骨の付け根に誰にでも付いてます。」
そして続けた。
「朝の胃痛も不摂生ですね。寝る前に食事をとると、胃の活動スケジュールが乱れて朝にこのような症状になります。一度、夜食を止めてみてください、直ぐに改善しますよ。」
何とも恥ずかしい。嫁の言う通り近場の内科で良かったでは無いか!
「気になるなら胃カメラ飲みますか?まぁ無理にとは言いませんし、不摂生を是正してもなお胃痛が起こるならその時でも構いませんよ。」
断ろうとは思ったが、歳も取ったし今後もこの身体は老いる一方、何も無い事を確認するのも悪くないと感じ、大袈裟だが胃カメラをお願いした。
「わかりました。ではスケジュールを入れておきます。今日は血液検査とエコーだけ受けて帰って下さい。」
エコー検査を受けるため別の区画へ移動。
嫁はお腹に娘がいる時はコレを受けていたのか、冷たい検査機器で白黒の歪んだ画面を見ながら捜査する医師を見ながらそんな事を思っていた。
胃だけ診るのかと思っていたが隅々の臓器を観るんだな。寝姿を変えたりし、何度も検査している。まぁ、胃は3Dだし、多分色んな角度から胃を診ているのね、これは多分、職人技と言うやつか。知らんけど。
犬も歩けば超音波に当たる
次の診察、それが胃カメラを飲んだ日かは忘れたが、胆嚢に11mmのポリープがある事を医師から告知される。具体的には以下の通り。
・胆嚢ポリープは10mm以上で癌の可能性を視野に入れる必要がある事。
・数ヶ月後にMRIで再度検査をして大きくなっていれば、その可能性が高くなる事。
・胃は超健康体で、夜食を止めたら胃痛が直ぐに治まったこと。
なるほどね、エコー検査で肝臓をしつこく見てたのはそう言う事だったのか。心の中で何度も見て下手くそ若造め、なんて思ってて悪かった、本当に君のおかげだ。
という訳で、半年後にMRIでポリープの成長過程を確認することになった。
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