柳本史 小版画集「UTOUTO」
Instagramで作品を拝見して、一目でファンになった柳本史さん。
先日発売された画集が届きました。
どの作品もちいさな祈りのよう。
感じるのは静けさとぬくもり、懐かしさ。
一抹の寂しさと憂いを瞳に宿した少女たちは、
それでも凛として、独りの幸せを楽しんでいるように見える。
傍らに寄り添う犬や猫たち、大切なものをその手に抱きしめて。
耳を澄ますと吐息や寝息が聴こえてきそうで
一緒にうとうと、うたた寝をしたくなる。
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幼い頃のわたしみたいな「赤い表紙の宝物」。
昔も今も、本の世界に没頭するのがなによりの幸せ。
きっと私もこんな顔をして読んでいるんだろうな。
明るくて賑やかな始まりの季節「はる」だけど、寂しくて憂鬱な季節でもある。そんな複雑な気持ちが明るい黄色と少女の眼差しに表れていて、そうそう、春ってこんな感じになるよね。って思った作品。
BUCK-TICKの「Solaris」みたいだな、って思った作品。
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忘れてしまっていた気持ちや記憶が、ふっと蘇る。
あたたかいのに切なくて、胸がぎゅっとなる。
そんな作品が詰まった版画集でした。