BUCK-TICKと天使のオラクルカードとわたし
オラクルカードとの出会いは15年ほど前。
カードから浮かぶイメージや感覚を言葉にする楽しさを知り、その言葉が誰かの力になる喜びを味わった私は、それまで知らなかった天使をはじめとしたスピリチュアルな世界に夢中になった。
けれど、徐々に当時のその界隈のきらきらした雰囲気に違和感を覚えるようになっていった。
本当は闇や妖艶な世界が好きなのに、波動が低いと言われそうで怖くて。
白く清らかであらねばと必死で白を装うことに疲れ果てて。
なのに、せっかく見つけた居場所を失うのが怖くて。
そんな自分がセラピストと名乗り、リーディングと称して他人の人生に口出ししていることに葛藤を抱えて。
そうして二進も三進もいかず途方に暮れていた時、BUCK-TICK(あっちゃん)と出会った。
一目見た瞬間、黒い天使だ!と思った。
黒ってこんなに美しいんだ!と思った。
一目惚れだった。
黒づくめで時に禍々しいほどに妖艶なのに、気品に溢れた美しい人。
黒ければ黒いほど清らかに見えるその姿と、あっちゃんの瞳に宿る繊細さ、心を揺さぶる歌声にあっという間に魅了さた。
貪るように曲を聴き、夢中で歌詞を読み解いた。
そして、読み解くほど見えてくる精神世界との共通点に、この人たちは天使だし、楽曲は天使の教科書だわ…と(若干周りが引くほど)一気にのめり込んでいった。
読み解きでは飽き足らず、曲をオラクルカードがわりにリーディングしたり、カードを作ったり。(その後、迷いながら続けていたセラピストの活動は終了。)
一旦すべて処分したオラクルカードを再び持とうと思ったのは、あっちゃんがいなくなってから。
いつも背中を押され、勇気づけられてきたBUCK-TICKの曲を一切聴けなくなって拠り所を失った私が救いを求めたのは…天使だった。
天使の助言を求めて辿り着いたこのページ。
苦しくて苦しくて、縋るようにカードを引くと出るのは同じカードばかり。壊れてるの?と思うくらい、この3枚しか出ない。
ネットだからかな。自分で引いたら何か変わるのかな。
そんな気持ちが湧き上がり、このカードを探し始めた。
中古品にとんでもない高値がついていて驚いたけれど、すぐに手頃な美品を入手。
最初に引いたカードは「サポート」。
私がどんなに悪態をつこうが距離を置こうが、天使は変わらず見守ってくれていたってことか。逃げようとしても無駄ってことか。と泣き崩れた。
時を経て再び手にした天使のオラクルカード。
悲しくて、でも悲しむことにも疲れ果てた私は、毎日引くカードにゆっくりと慰められている。感覚を言葉にする楽しさも少しずつ思い出してきた。
天使のおかげでBUCK-TICKに出会えた。
あっちゃんのおかげで(というのは悲しすぎるけれど)天使と再会できた。
天使とBUCK-TICK。
光と闇。
清らかな世界と妖艶な世界。
切っても切れない、愛してやまないふたつの世界を大事にしよう。
今の悲しみが少しずつ和らいで、またBUCK-TICKの世界やあっちゃんの言葉に没頭できるようになるまで天使のカードでリハビリしよう。
そしてまたいつかBUCK-TICKと天使を融合させた読み解きを再開できたらいい。…そんなことも思うようになった。
悲しみに暮れて泣き暮らしていた毎日に、少しだけ未来への光が射してきたような気がする。