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生き抜くことだ。〜雷神 風神 レゾナンス

〜この地上で生き抜くことだ〜
〜ハートに火をつけろ〜

雷神 風神 レゾナンス(作詞・作曲:今井寿)

いつまでも抜け殻みたいに生きてんじゃねえ。
今井さんにガツンとそう言われた気がして、ぼろぼろ涙がこぼれた。

雨に撃たれ 生き抜くことだ〜

同上

「残骸」のあっちゃんを想う。
そこで歌われた雨は鎮魂歌レクイエムだった。

”雨に撃たれ 生き抜くことだ”
「どんなに厳しい現実に直面しても(鎮魂歌を歌いながら)生きていく。」そんな4人の覚悟にも聞こえてくる。そして私たちお魚もあっちゃんへの想いを胸に4人と共にこの地上で生き抜くのだ。

***

圧倒的な存在感のあっちゃん(の声)を失って、4人になって、一体どうなるんだろう?って不安だった。
だけど、今井さんとヒデさんの歌声がびっくりするほど自然に馴染んでいるし(最初聴いた時、あれ?2番歌ってるの今井さんじゃなくてヒデだよね?って思った)、イントロからもうBUCK-TICKしてるし。
今回はこういう趣向(?)なのね。ってうっかり思いかけるくらい、自然に耳に馴染んでしまった。

それにしても、結成当時ヒデさんをヴォーカルにしようと連れてきたユータの先見の明よ。だけど35年以上経ってこんな形で実現するなんて思ってなかったよね…。

どうしても私は「あっちゃんの不在」に目を向けてしまうから、こんなかっこいい曲なのになんであっちゃんいないの。あっちゃんがいなくても最新が最高って、すごいけど複雑だよ…なんて思ってしまうけど。
こういうバンドです。って言われたらすんなり納得しそうなほど自然。その違和感のなさが寂しい反面、その”変わらなさ”に少し安心してもいる。

とは言え、やっぱり真ん中にあっちゃんがいない違和感と寂しさは拭えなくて。途中で扉が開いてあっちゃん出てきたらいいのに。とかフラスコの別種になって現われたらいいのに。とかつい考えてしまう。

歌詞に登場する過去曲の片鱗や、MVの百合(ガブリエルのラッパっぽくもある)や蝋燭にあっちゃんを感じて、不在をやり過ごす。
コーラスに重なる高音がどうしてもあっちゃんの声に聴こえて、姿は見えないけどいるんだよね。って思ってしまう。

あっちゃんもずっと一緒にいる。
そう思いたいし、そうなんだって信じてる。
だから今はあっちゃんを感じる”何か”を探して自分を宥めながらでも、新体制のBUCK∞TICKと進んで行こう。

それにしても相変わらず予想を裏切ってくれる今井さん、さすがだ。
だって「上昇気流」。
この1年、どん底を這うような状態だったところに「上昇気流」。
俯きがちなお魚たちに「BUCK∞TICKが巻き起こす新たな風に乗れ。PARADEは終わらないし、B-T TRAINは止まらない。」って確固たる意思を、未来を示してくれているみたいだ。

そして「生き抜くだけだ」でも「生き抜くしかない」でもない。
「生き抜くことだ」という、少し突き放したような冷静な言葉が今井さんらしい。そう思う。

***

いつまでも泣いてんじゃねぇ。
もう一度ハートに火をつけろ。恋をしろ。
そうして、この地上で生き抜け。
そのために生まれてきたんだろ。

そんな風に発破をかけてお尻を蹴っ飛ばしてくれる(でも無理強いはしない)今井さんの愛は、深くてやっぱり容赦ない。

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