17歳の私
10月が近づくと、高校の時を思い出す。
高校1年の10月21日だった。
突然私は朝お布団から起きられなかった。
体が重たく学校に行きたくなかった。
行けなかった。
その日うちの父は私を佐賀の呼子にまで連れていき、イカの生き造を食べさせてくれた。
とても元気になって明日からは学校に行こうと決めた。
でもその日から私はおよそ半年間ほとんど寝てすごした。
朝起きて特に何をすることもなく、ただテレビを見て母が作ったご飯を食べ、またテレビを見て、パズドラをして、夜が来たらご飯を食べ寝る。
ただただ学校に行くのが苦痛だった。
行きたくても行けなかった。
母は私を毎朝お越し、学校の前まで連れて行ってくれた。職員室には顔を出せるようになったけど、教室には行けなかった。
そのあと私は通信制の高校に転入した。
今でも思う。
あの時の辛さは誰にも分からないと。
別に分かって欲しいとも思ってないし共有しようともしていない。
ただ、あの時間はあの時間で私には大切だったのだ。
この間母から言われた。
「あなたが博士課程で苦しみながらも頑張ってるのを見てると、10年前テレビの前で布団かぶって寝ていたのを思い出す。あの時はどうなるか先も見えなかったけど、今苦しくても少しずつ前に進んでいるだけ嬉しい。」
確かにあの時は時が止まっていたような気がする。
あれ、なんか書いてて涙が止まらなくなってきた。
昨日知り合いから親の脛かじりと言われた。
親の脛をかじることに誇りを持っている私からすると無礼だなとしか思わなかった。
どんどんかじっていこうじゃないか。
10年前より前に進んでいるのだから。
今はお金も稼げてないし業績もそんなにたくさんは出せていない。
でもやりたいことが見つかったし、毎日お外に出て陽の光を浴びている。
人と話す機会は相変わらず少ないけど、10年ほど前の自分と比べるとやっぱり大人になっている気がする。
最近は最近で体調を崩すことが増えたのだけど、やりたいことが明確な今は少し前とは違う。
この文章で何を伝えたいのかも正直分からないけど、ふと思い出したから記しておく。