札幌と独検と私
もう何回独検を受けただろう。
初めに受けたのが学部1年の冬で3級だった。
その時は京都で弁論大会があったからその帰りに大阪で受けた。
次の年は留学中だったけど、姉の結婚式で一時帰国していたのでついでに2級を受けた。
学部3年の時は準1級を受ける予定だったけど、コロナで会場が使えなくなり受けれなかった。
4年でようやく準1級を受けて合格した。
ここからが長い。
修士1年で1級を受けるも4割しか取れず不合格。
翌年、つまり去年は55%に上がったものの不合格。
そして今回、つまり独検自体は6回目の受験であるが、1級を再再受験した。
本当であれば自分の大学でも受けれたのだけれど、関係のある先生たちに見られながら解くのは正直緊張するので別会場で受けようと考えた。
気がつけば私は札幌にいた。
福岡からはるか1500km東北に位置する北の大地だ。
空港に降り立つと冷たい風が薄くなってきた頭皮をかすめていく。
16時ぐらいなのにもう暗い。
私は翌日に備えてその日は刺激たっぷりのスープカレーを食べ、セイコーマートでフライドチキンを買い、夜中の2時までネットサーフィンをして試験に臨んだ。
さすがは独検1級だ。
まあ書いてあることが難しい。
難しいだけならまだしも、長い。
2ページ近くになる問題が4問もある。
ドイツ語ハラスメントである。
毎回思うけど、1級となると語学力というよりもはや精神力の問題な気がする。
そんなこんなで私は1級の受験を終えた。
来年の冬は沖縄に行くかもしれない。
ところで、独検を受けになぜわざわざ遠いところに行くのかといろんな人に聞かれた。
これは私の持論だけど、語学というのはその言語を知ることだけでなく、世界全体を俯瞰できる能力なのかもしれないと思っている。
ドイツ語だけをするよりも、いろんなところに赴き、いろんな経験をし、見聞を広める。
これが語学なのだと思う。
だからって別に検定のためにわざわざ遠くに行く必要があるかと言われれば、それはもう全くもってその通りであって、単に私が札幌に来たかっただけなのだ。
北の大地での独検、おすすめである。