東大第二外国語アンケート集計結果①〜ドイツ語編〜
東大の第二外国語でドイツ語を選択した人は、その選択を今どう評価しているのか? そもそもなぜドイツ語を選んだのか? そういった疑問に答えるべく、また、新入生の第二外国語選択の参考にしていただくべく、このnoteをまとめました。
このnoteでは、Angel*(Twitter: @angelic_UOT)がTwitter上で実施した、東大生に対する第二外国語のアンケートの結果を報告しています。アンケートの概要や他の外国語情報についてはこちらをご覧ください。
なお、アンケート回答者のうち、ドイツ語選択者は177人です。
ドイツ語を選択してよかったか
ドイツ語を選択した東大生は「ドイツ語を選択してよかった」と思っているのでしょうか。
結果は以下の通りです。
肯定的な評価が60%を占める一方、否定的な評価も19%ありました。
ドイツ語を選択してよかったと思う理由
それでは、「非常に良い選択だった」「良い選択だった」と回答した人のその理由を見てみましょう。
主に言語・言語文化圏の特徴や授業に関するもの
・イメージだけで選んだドイツ語の音や文法がこの上なく合理的であると学んで初めてわかり、ドイツ語がものすごく好きになったため。
・文法に非常に厳格な言語で、例外が嫌いな自分にあっていた。
・文法のきっちり感が好きです。
・言語が簡単でいい点が来た。
・哲学の授業などで役に立った。
・医学分野において優位であるため。
・先生が自分のドイツ留学体験を交えて話してくれるので国柄みたいなものもしれたのがよかった。
・単純にかっこいい。
主にクラスやクラスメイトに関するもの
・クラスの人々が真面目だから。
・クラスの陰キャ度が最適。陰キャ養殖場。
・オタクが多いのでオタクとしては馴染みやすかった。
・クラスの雰囲気が良かったため。
ドイツ語は、文法が非常に厳格でシステマチックな言語であると言われます。それゆえ、そのような特徴を好む人にはとても好意的に受け取られたようです。また、哲学など学問領域によってはドイツ語の学習が有利に働くこともあり、それを肯定的評価の材料とした人もいました。
また、「クラスの雰囲気がよかった」という意見は多く見られました。具体的には、「真面目な人が多い」「ウェイが少ない」という意見が多かったです。
ドイツ語を選択して悪かったと思う理由
逆に、「非常に悪い選択だった」「悪い選択だった」と回答した人のその理由を見てみましょう。
主に言語・言語文化圏の特徴や授業に関するもの
・言語自体が難しいのに加え、他の二外に比べ進度が速かったから。
・他言語に比べて分量、予習課題の多さ等が最悪のレベルだった。二外は必修だからやりたくなくてもやらなくてはいけないのも加えてキツかった。
・話者に出会うことがほとんどなく、ヨーロッパでもドイツ語を公用語にしている国は意外にも少ない。
・役立たないから。
主にクラスやクラスメイトに関するもの
・クラスの人々が真面目すぎて無理。
・下クラ孫クラと3世代コンを企画しても誰も来なかった。
・クラスのノリが悪すぎる。
・イカ東しかいないので点数争いで不利だった。
ドイツ語は言語自体が難しいとはよく言われますが、それに加えて、進度、分量、課題がキツいという意見が多く見られました(ただし、後者については教員により大きな差があると思われます)。
また、フランス語などと比べて話者が少なく、地理的にも日本から遠いことから「役に立たない」という評価もありました。
また、「真面目な人が多い」というクラスの特徴が人によっては「真面目すぎる」「ノリが悪い」と否定的評価に繋がっていました。また、それゆえ進学選択での点数競争で不利に働くことを懸念する声もありました。
「どちらとも言えない・わからない」理由
・難しいが、クラスの雰囲気は最高に良い。
・興味がある言語だったので学びやすかったのは事実だが、理一ドイ語という環境がゴミすぎる。
「言語はいいが、クラスは良くない」またはその逆という意見が多かったです。
なぜドイツ語を選んだのか
それでは、ドイツ語選択の東大生はなぜドイツ語を選んだのでしょうか。任意記述で理由を書いてもらったところ、以下のようなものが挙げられました(回答数87)。
「どんな基準で第二外国語を選べばいいんだろう」と考えている新入生は参考にしてみてくださいね。
ドイツ語・ドイツに関連することに興味があったから(27人)
・カントの「目的の王国」の日本語訳に腹が立ったため、自分で訳そうと思ったから。
・ドイツ哲学を勉強するため。
・オペラを原語で観たかった。
・日本体育協会の日独スポーツ交流プロジェクトに参加したかったから。
・化学分野などにおけるカナカナ用語はドイツ語由来の物が多いので、ドイツ語に興味を持った。
・国としてドイツが好きだったから。
かっこいいから(16人)
・なんとなくかっこよさそう。
・なんかかっこいいから。
ドイツ語の特徴による(10人)
・硬さにとにかく魅力を感じたから。何年学んでも気持ちは変わりません。
・システマティックなところが気に入っていた。
・発音が日本語に近いと聞いたから。
クラスの雰囲気(8人)
・クラスメイトが大人しそうで、陰キャでも溶け込めそうだと思ったから。
・クラスの雰囲気が真面目だと聞いたから。
・真面目そうな雰囲気だから。
「理系ならドイツ語」と思って(4人)
・理一といえばドイツ語のイメージなので。
・理系ならドイツ語やろw!と言う軽い理由です。
ドイツ語やそれに関連することに興味があって選択した人が多いようです。また、単純に「かっこいい」という人も多かったです。
最後に
やはりドイツ語は、「厳格」「真面目」という意見が多く、それを心地よく思えるかどうかが、ドイツ語を選択するべきか否かを分けると言えそうです。
ドイツ語は、哲学、音楽、化学などの分野で主導的言語でしたし、現代社会においてもEU問題や環境問題でドイツの重要性は高まっています。広く世界を知るためにも、興味のある人はドイツ語の選択を検討してみてください。
※このnoteを読んだことによっていかなる損害を被ったとしても、その責任は負いかねます。
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