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モディリアーニ展@大阪

 大阪中之島美術館、開館記念特別展
モディリアーニ ─愛と創作に捧げた35年─

中之島美術館がオープンして2回目の来館。
モディリアーニが好きなのかと言われるとそうでもないかもしれない。
名古屋の美術館で若い頃観たのが初めてで、母は好きだと言っていたが、塗りつぶされた目は表情がなく体も引き伸ばされたようで色もくすんだ作品を見ていると陰鬱な気分になりそうだと思った記憶がある。
暗い色彩が嫌いなわけでも均等である絵がいいとも思わないが、きっとバリの陰鬱な寒い空と街の色に押しつぶされそうな気分になったのかもしれない。

今回、その記憶払拭のためと開館記念特別展ならばあまり見られない作品があるかのもしれないし、どんな企画展をするのか興味もあったし、家から近いし、なんて理由も並べて出かけた。

結論、よかった。日本で有名な「おさげ髪の少女」(名古屋市美術館蔵)はもちろんのこと、日本初出展も多くあり、モディリアーニとエポック・ド・パリを堪能。
モディリアーニとその周辺、時代背景などよくある組み立てではあるけど、今回、モディリアーニの人間性、関連した人物相関図がわかりやすく展示してあり、人柄、関係性を知りながら作品を見ることで、通常、馴染みのない周辺作家だと見過ごしてしまうがしっかりと観よう、もっと知りたいという気持ちにさせられた。モディリアー二が日本でいつからどのように受け入れられたかということまで展示され、日本近代西洋美術の世界にも触れることができた。

モディリアーニといえば、悲劇的な人生が人の心に刺さるのではないか、多くの人がモディリアーニ展に訪れる理由の一つかもしれない。
体が弱く、若くして亡くなるが、最後の最愛の人はなんと彼の亡くなったすぐ後に身重にも関わらず投身自殺をしてしまうという悲劇のストーリーは一度聞いたら忘れないし、それを知って彼女をモデルにした作品を見ると愛が溢れていることを感じてしまうはず。純粋に美しい。


今回珍しいのは個人コレクションピックアップ。
女優のグレタ・ガルボのコレクション「少女の肖像」は撮影可能。どういう経緯でグレタ・ガルボがコレクションしたのかなどもピックアップされていていろんな人生のストーリーを楽しめる新しい形の展覧会だった。
今後の企画も楽しみな美術館と心にメモした。

「少女の肖像画」

*カバーしたのは日本で唯一のモディリアーニの裸婦像(撮影可)

美術館外の芝生でカフェ開店中
展覧会後の余韻を味わいながら都会でありながら開放的な気分を味わうのも素敵


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