夏と秋のはざま
今ドイツではすでに秋服のシーズンで、先日も辛子色のウールのコートと
モヘアが入ったカラフルセーターをウィンドーで見かけた。
でもまだサマーセール品も出ているところもあって。
そんな季節の移り変わりの重なりが面白くて、
ちょっとしげしげと見てしまう。
伸びようとしているこれからを表す何かを、つかみたいからかも。
そしてそう思って歩く足元に、上からイガイガの栗の仲間が落ちてきた。
樫の実。 結構大きいので頭にぶつかったら痛そう。
五感を開いてのんびり楽しむ
街歩きは心を自由にさまよわせて、五感が動くままに感じることが楽しい。
普段田舎に住んでいるので、商業的な刺激にも飢えているのかもしれない。ドイツなんて、都会ってなくて小都会くらいがいいところ。
そして私が行くBなんて、村と言っても良いのにそれを町と思う田舎暮らしぶりって…苦笑
「お上りさん!」って自分のことを思いながら、
でも気を取り直して、お気に入りのティーハウスでゆっくりお茶を飲んだり、
ストリートフードでファラフェルラップを楽しんだり、
通りをそぞろ歩く中で、
老舗靴やさんのクリアリングセールの案内が目に入った。
靴屋さん
最近はお店の新旧交代も激しくて、特に老舗の店仕舞いが多いなと思う。
日本もそういえば、西武が畳んだって読んだけれど。
案内にひかれて久しぶりで靴やさんに入って少しのぞいたけれど、
冷やかしで終わってしまった。
ドイツでは、靴の試し履きも
「すいません、これの左(右)側もお願いします」と、
もう一方を店員さんにいちいち持って来てもらうシステム。
これが結構気が張るし、時間もかかる。
気力と時間がある時に限る。
選ぶ時は、結構大変。妥協すると結局履かないで終わるから。
ヨーロッパの靴は優秀
ドイツの靴は丁寧につくってあって、それはイタリア製ももちろんそうだし、ヨーロッパの靴はやはりなかなか良い。
ファッション製品だったら、日本のものの方が細かいところに凝っていて、
品質も良いし手頃でおしゃれだけれど、
靴はヨーロッパで買う方が良いなと思う。 ストッキングなどもね。
石畳のヨーロッパでは…
ドイツに住むようになってから、靴選びはさらに慎重になって、歩いて痛い靴は本当に履きたくなくなった。
石畳じゃヒールがめくれやすいし、履きづらいので最近はパス。
冬場は太いヒールのブーツや、夏場もサンダル、スニーカーと歩いて楽なもの主流。
これ、たかが靴選びじゃなくて、行動半径だって広げてくれる。
ライフスタイル選びでもあるということ。
ドイツは町の中心に教会があってマーケットがあって、そしてその近くにはたいてい公園があったりする。
街歩きでウィンドーショッピングを楽しんだ後、芝生に座ってゆっくりお日様を浴びるのも良い。
そうするといろんなシーンに対応できる靴が一番となる。
日本でOLさんをやっていた時は毎日ヒールが当たり前で、
夕方指がヒールの細い先に合わせて縮こまったのを撫でて、
「ヤレヤレ」とため息が出た。
これを続けていたら外反母趾になっちゃうわよね。
それがスニーカーやバレリーナになると少しぐらい歩いても疲れない。
足が痛いから行けないなんて考えなくて済む。
足元楽な人は、観光や楽しみだけに気持ちが向くシチュエーションで、
自分だけ足が痛くて恨めしいなんて、辛すぎるし。
自由に動けることは恵み
昔中国で纏足ってあったと聞くけれど、なるほど、動く自由を制限されては、心も制限されるだろうし、世界が狭くなるだろうな。
靴を自分の好みで選んで自由に歩き回れるなんて、現代の女性は
私を含めて、その点では恵まれていると思う。
選ぶ靴はライフスタイルも表す
選ぶ靴って、女性の生き方やあり方も見せてくれるなと思う。
田舎暮らし故か、靴箱にはトレッキングシューズが3足あったり、スニーカーも色の違うものがかなりあったり。
ヒール系は無理なく断捨離出来ているのに、地味な実質系が数も増えて来ている。
それはちょっと、複雑な気分ではあるのだけれど。
だってこれって、きれいなヒールが揃うときめきの靴コレクションとは、
大違いじゃないですか…
ドイツ暮らしの当初、しゃれっけがないパサパサした感じが
どうなのかなと思っていたのに、
自分自身がそうなっちゃたのかなとちょっと心配。苦笑
そうなっていませんように!
みなさんが履く靴はどんな靴ですか?