オウンドメディアを作る際に気をつけたい5つのこと
※この記事は2017年でメディアで紹介されたものであり、各情報についてもその時点のものでありますのでご承知おきください。
昨今、オウンドメディア(自社メディア)の開発が著しく活発化している。
オウンドメディアの利点としては、自社コンテンツのファンの獲得、記事への自然被リンクの獲得、また自社でメディアを持つことでペイドメディアへの出稿を減らせることも利点といえるだろう。
反してデメリットも多く存在する。
オウンドメディアを新規でローンチさせ、課金スキームに達するまで成熟するには最低でも5年はかかると言われている。
それまでの資金面、人材面の確保ができるかどうか、そのビジョンを持たないまま安易にオウンドメディアを立ち上げ失敗する例も後を絶たない。
それでは、これからオウンドメディアを立ち上げる際に「これだけはやっておきたい」5つのことを自身の経験から紹介したいと思う。
1:【ドメイン】オールドドメインの買い付け
ビジネスモデルが起動に乗るまではどうしてもSEOからの集客に頼らざるを得ない。
もちろん、起動に乗った後もSEOで記事が上位表示される為には、最初の仕込みが肝心だ。
ドメインエイジはSEOにとって非常に有効であり、新規でドメインを取得した場合にはシステム並びに記事に仕込んだSEOの効果が発揮させるまでには最低半年はかかるだろう。
そこで、新規でオウンドメディアを立ち上げる際に利用したいのが「オールドドメイン」の買い付けだ。
オールドドメインとは、過去に存在していたが現在は空き家になっているドメインのこと。同じようなカテゴリの情報を発信していたドメインには、親和性の高い、被リンクがそのまま残っていることが多い。
これはSEOにとって、非常に有効な被リンクと言える。
その辺りのことも気をつけつつ、古いドメインを買い付けること、これが一番最初に考慮することである。
2:【システム】記事生成システムの最適化
最近では、WPをカスタマイズした記事生成システムが主流だと思うが、その際にはSEO対策に必要な知識を持ったSEを必ずアサインするようにしたい。
タイトルやdiscription、<h1>タグ等は、最近ではあまり重要視されてないと言われており、代わりにコンテンツの内容のユニーク性が重要視されている。
また、最近では画像もエンジンが読み込むようになってきていることから、画像のタイトル付けや、その周りに配置するテキストにも注意したい。
<h>タグの周辺には、100文字程度のテキストを配置すること、また、見出しの順番がイレギュラーだと、記事として「読みづらい」という判断をされ、SEOにとってもマイナス効果になる。
つまり、
<h1>ああああ</h1>
<h3>うううう</h3>
<h1>ああああ</h1>
<h4>ええええ</h4>
このような見出しのつけ方は「読み手にとって読みづらい」と判断される。
<h1>ああああ</h1>
<h2>いいいい</h2>
<h3>うううう</h3>
<h4>ええええ</h4>
<h2>いいいい</h2>
<h3>うううう</h3>
<h4>ええええ</h4>
このような配置が望ましい。
また、<h>タグ内にアンカーリンクを設置するのは、昔は良く見られたSEO対策だが効果が強すぎるため「やりすぎ」によるマイナス効果になる為、避けるようにしたい。
検索エンジンは更新日付もキャッシュするため、記事は毎日更新をしたい。
最も簡で、かつ、ユーザーに有用な情報の更新は「関連ニュース」である。
更新頻度もSEOにとって重要な評価指針であるため、どのような記事であれば毎日更新できるのかもきちんと決定した上で、システム開発に取り掛かると後々の無駄な手間が省けるだろう。
システムを開発する際に、最後に気をつけたいのがWPなどで自動生成されるシステムを組んだ場合、ファイル名URL)を手動で記載できるようにすること。
オープンソースなどで記事を更新し、この設定をしていないと自動的にファイル名が生成される。
ファイル名、もちろんサイトの「質」としてみなされる為、記事内容にあったユニークなURLを都度つけられるようにするのも大切なSEOの要素である。
3:【ライティング】1ページ1タイトル、他の要素を盛り込まない
ページはあくまでも1タイトル、他の要素を盛り込み焦点をぶらさないこと。これがロングテールでページを上位表示させる秘訣だ。
また、上位表示させたいキーワードの出現率はあまり意識せず専門用語や関連ワードの盛り込みなどを重視したい。
あくまでも「コンテンツ重視」、記事としてどれだけの専門性があるかでそのページの価値があがる。
キーワードは記事の中に7%を超えた段階でペナルティの対象になる場合があるので、盛り込みすぎは注意すべき点である。
4:【集客】ペイドメディアとの連携
サイトがローンチし、まだ自然流入が少ない場合には、ペイドメディア(広告出稿)に頼らざるを得ない。
オウンドメディアとの相性が良いのはtwitterやFacebookなどのソーシャルメディア(アーンドメディア)からの流入である。
言うまでもないが、その利点は「拡散性」にある。
特にfacebookの専用ページは、ぜひ用意しておきたい。
情報は広く拡散され、やがてファンが定着していくことで安定的な流入が見込めるようになる。
その際に注意したいことは、いくらfacebookの専用ページを作ったからと言って、オウンドメディア内にfacebookページのエッセンスを掲載しないことだ。
せっかく作ったのだから、とメディア内にfacebookもしくはtwitterのプラグインをグローバルナビに設置している場合をよく見かけるが、それではせっかくメディアに訪れた見込み客が外部メディアに流出してしまう。
ソーシャルメディアはあくまでメディアに「流入」させる入り口であること、そこをきちんと把握して設計をしたい。
代表的なオウンドメディアとして「TABI LABO」「サイボウズ式」「THE BLIDGE」などはぜひベンチマークして欲しいメディアだ。
また最近では、リターゲティング広告(一度見たサイトの広告が自動的に表示される仕組み)が広く流通している。
一度訪れた見込み客に訴えかけるこの広告は非常に理にかなっており、ぜひ取り入れたい広告と言える。
5:【ビジネスモデル】単なる「バナー」では稼げない
いまどきあまり見かけないようにはなったが、オウンドメディアが100万PVを達成するような大きなメディアにならない限りは、バナー広告だけでは課金スキームとして成り立たない。
まずは記事広告を作成し、それをソーシャルメディアに投げる。
その記事を読んだユーザーに対して、クライアント先のリターゲティング広告をしかける、という「ソーシャル+ペイドメディア」を組み合わせた広告手法が良いだろう。
リターゲティング広告は「何をフックに(広告内容)」「何を仕込むか(リンク先)」をしっかりと構築することで、きちんとした成果が体感できるだろう。
あとがき
今回は、あくまでも「ビジネルモデル」としてのオウンドメディアについて、企画~設計、運用までの流れを説明してきたが、「ブランディング型」のオウンドメディアについては、集客の部分にもっと幅をきかせていく必要がある。
小手先のSEOはもう通用しない時代である。
あくまでも「どれだけユーザーにとって有用な情報を発信しているか」「どれだけの専門性があるか」が重要になってくるため、発信する情報はあえて「キーワード」を気にする必要はないだろう。
上記をきちんと理解した記事であれば、必然的にキーワードも関連ワードも出現することになり、ユニークで評価の高い記事になるからだ。
SEOの教科書などに踊らされることなく、自社の情報をしっかりと伝えていくことができれば、必然的にメディアとしての価値が認められるだろう。
■筆者プロフィール■
ちょこ
約15年の間、WEBディレクター、SEOエンジニアとして活躍。
「サプリメント」「無添加」「美白」「美肌」「美顔器」「メタボリック」などで上位表示される多くの情報ポータルサイトの企画、ディレクション、運用を行う。現在はフリーランスにて活動中。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?