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0. 愚者/The Fool


宇宙の真理を証明するために、
命を捧げた人たちがいました。
正しさを主張するためではなく、
自分の直感を信じるために。
異端と呼ばれ迫害された愚者の主張は、
いつの日にか常識となりました。

――この世界は醜くて苦しくて、
じっと我慢すれば天国で幸せになれる?
…そんなはずない。
この世界はきっと、何より美しい。
身体中の細胞がざわめいて、
私の背中を押す。
さあ、直感に導かれるまま、
私が信じる世界へ旅に出よう。――

世界をひっくり返すことができるのは、
いつも「愚者」だけなのです。

▷eight




何者でもない存在であり、何にでもなれる存在

▶︎愚者/The Fool


▷愚者の意味とメッセージ

何にも縛られない、「固定観念」というものを持たない彼は、何も信じることがないので、目前に起こる物事をジャッジすることがありません。
その心に恐れはなく、世界の全てを信じることができるでしょう。「愚者」は家も仕事も持たない放浪者を表しています。
タロットカードに描かれている愚者は、とても身軽で、持っている荷物も肩から下げたカバンだけという、ごく少量です。
そんな彼のことを人々は「愚者」、愚か者と呼びますが、絵に描かれた愚者は、何にも縛られず自由に生きていて、その姿はとても楽しそうです。


▷基本のキーワード/自由

【愚者】が示すのは、『何にでもなれる自由』。
たとえ崖から落ちたとしても、その先で新しい物語が始まるならそれもまた人生なのです。その自由さがどのように表れているかを正逆で判断しましょう。


▷正位置/何がどうなるかわからない

【こうあるべき】という固定概念や常識、世間の目に縛られていない純粋な価値観を表し、自分の生きたいように生きている状態です。
そのため思ってもみなかったチャンスが舞い込んだり、斬新なアイディアが湧いたりするでしょう。自由であることは、無限の可能性があるのです。


▷逆位置/決まってないが故に翻弄される

何も決まっていないことのネガティブな側面にスポットが当たります。
あてどなく彷徨い続けるため、確かな居場所がなく孤独感に晒されます。
さらに気まぐれさは無責任な態度と受け取られ、周囲から信頼されなくなることも。自由さと社会性を持つ事のバランスが大切です。


▶︎解釈

▷現在の状況

▷正位置
・新たな何かがスタートする
・何が起こるかわからない
・予測不可能
・物語の始まり
・旅立ち
・出発が近づいている
・心機一転

▷逆位置
・明確な方針がない
・成り行き任せ
・不安定な立場に置かれている
・責任の所在が不明瞭
・決められない
・重大なリスクに気づいていない


▷人の気持ち

▷正位置
・新しい考えが生まれる
・嘘や駆け引きのない純粋な気持ち
・目新しいものへの関心
・好奇心旺盛
・細かいことは気にしない
・どうでも良い

▷逆位置
・まだ決めたくない
・モラトリアム(引き伸ばし、一時的な猶予)
・現実を直視したくない
・自分でもどうしたらいいかわからない
・見て見ぬふりをしたい
・本当の心を隠している


▷問題の原因

▷正位置
・考えがまとまっていない
・単独行動が多すぎて周りから浮いている
・計画に具体性が足りない
・理解を得られない突飛な発想
・責任感のなさ

▷逆位置
・自分の都合ばかり考えた身勝手な態度
・その場しのぎで一貫性のない対応
・優柔不断で決断力を欠く
・アウトローを気取っているだけ


▷未来の行末

▷正位置
・新たな始まり
・些細な出来事がきっかけで運命が動く
・今いる環境を旅立つような出来事
・重荷を手放す
・束縛からの解放

▷逆位置
・しばらく先の見えない日々が続く
・自分の心を隠さざるをえない状況
・全てがなぁなぁの状態
・意思薄弱で周囲に流されていく


▷アドバイス

▷正位置
・型にはまらない発想を心がける
・力を入れすぎない
・もっと気楽に
・周りの目を気にしないで
・今の環境から思い切って飛び出して

▷逆位置
・きちんと責任を持たないと信頼を失う原因に
・自分に嘘をつかないで
・現状から目を逸らさずしっかりと向き合って
・単独行動は控えめに


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