nikki
1月2日
我が家のお雑煮は京風白味噌仕立て。
京都は頭芋を入れる。
その頭芋は世帯主とその家の長男が
「頭になるように」との願いを込めて食べる、という習慣がある。
それがまあ本当に大きい上に、特に味がないものだから、
白味噌をつけまくりながら食べるしかない。
当然なかなかお餅にまでつかず、うちの弟は悔しがっていたものだ。
私が小さい頃は、まだまだ長男が一番という空気があって、
私も何かと弟と差をつけられていたが、お正月の頭芋だけは、
女の子でよかった!と思ったものだった。
弟が中学に上がった年の元旦。
弟が父に「お父さんも小さい頃から頭芋食べていたん?」と聞いてきた。
父は得意気に「そらそうや。お父さんも長男やから、毎年こうして頭になるように、と頭芋を食べていた」と返した。
「へえ~、40年以上食べ続けてその程度やったら、僕、もう頭芋は食べる必要ないから、お餅食べるわ」と弟が言い放った途端、我が家の空気は凍ったのだった。
母も私も祖母も必死で笑いを堪え、父だけが憮然としていた。
翌日のお雑煮から、必死で頭芋と格闘する父を横目に、
弟はお餅を3個平らげていた。
父は何年か頑張って1人で頭芋と格闘していたが、いつの間にか
普通の里芋に変わっていった。
今年もお雑煮を食べながらその話題をすると、
弟は「何年同じ話するねん」と顔をしかめていたが、
一応弟も祖父からの代の会社を継いでいるので、
あの巨大な頭芋と格闘した甲斐はあったのかもしれない。
ところで2日と言えば初夢ですが、
今年は全く夢を見ずに終わりました。