SHEmoneyブランド責任者が語る、仕事で大事な想像力の働かせ方とは
キャリアを積んでいくと、リーダーや責任者として抜擢され、チームマネジメントを任されていく人も多いでしょう。しかし多種多様な人たちがいるチームを団結させ、結果を出せるチームに育てていくことは簡単なことではありません。
今回は女性向けマネースクールSHEmoneyでブランド責任者を務める松尾真里さんに、お仕事で大切にしていることを伺いました。そこには新卒でリクルートに入社して、たくさんの苦労を乗り越える中で培ってきた、松尾さんならではのノウハウがありました。
ーー松尾さんが今どんなお仕事をされているか教えてください。
SHEmoneyという女性向けのマネースクールでブランド責任者をしています。SHEmoneyでは家計管理から資産運用まで、受講者が自分らしい資産形成をしていくためのサポートをします。
1人1人が安心して自走できるチームに
ーーブランド責任者として意識していることはありますか。
まずは心理的安全性ですね。
新規事業の場合って正解がないので、正直思いつきのものが当たる可能性もあるんですよね。なので普段からいろんなアイデアが出やすいように、もうどんなアイデアでも出していいと伝えています。出てきたアイデアに対しては、まず「いいね!」と言って、「じゃあもっとこうしたらいいよね」とアドバイスするようなコミュニケーションをとっています。
これは私とメンバー同士の間だけではなく、メンバー同士の間でもそういう雰囲気をつくるように気をつけているかなと思っています。
ーー新しいメンバーが入ってきたときとか、まだそのチームの空気感がわからない状態のときって、みんなが一緒に仲良くなれるようなイベントを開いたりするんですか?
未来を考える会みたいなのをやっています。
メンバーが頑張れる指針になるものって、SHEmoneyの事業としてやりたいっていうwillと、個人が持っているwill、その重なりがあることだと思います。
言われたからやるのではなくて、自分の意思がこうしたいからこれに関わっているという意義付けがすごく大事だと思って。
社員でも、業務委託の方でも、副業でスポットで入っている方も全員に対して、そのwillをヒアリングして、コミュニケーションを取るよう工夫しています。
苦い失敗から学んだ、想像力を働かせた仕事の仕方とは
ーー松尾さんが仕事をする上で大切にしていることは何でしょうか。
「想像力を持って働く」ことですね。
実は前職のときに想像力を一切持たずに働いていたことがありました。
クライアント納品がある仕事だったのですが、自分のタスクしか考えない、これが終わったらあと知らん、みたいな感じでやっていた時期があって。全然想像力を働かせなかった結果、期日も守らない、期日を勝手に伸ばす、そのまま次の人に渡して、その方がめちゃくちゃ短納期でやってくださったから間に合ったということがありました。
結果として、最終アウトプットのクオリティがめちゃくちゃ下がって、周りの人たち全員の信頼を失うという事件を起こしてしまいました。
それ以降タスクってバトンパスリレーなんだなと思って。バトンパスなら相手への想像力を働かせて仕事に対峙することが大事なんだと思いましたね。
先輩から学んだ、想像力を働かせていくための余白の作り方
ーー松尾さんはリーダーとして毎日大変な立場で、想像力を働かせていくために、人のために使う余力を残していこうとしますか?
はい、します。
私の尊敬する上司が、めちゃくちゃ忙しい人だったのですが、必ず「ちょっと今良いですか?」と相談すると、絶対に話を聞いてくれる方だったんです。物理的にこんなに忙しいのに、どうしてそれが出来るんだろうと思って聞いたら「暇な時間をつくることをタスク管理している」と言っていたんですね。
「必ずこの時間は絶対にあける、そのために他のタスクをさばくスピードを早めて、暇な時間をつくることをタスク管理している」と。
ーー松尾さんもそれを実践されてるのですか?
そうですね。余白は作りたいなと思ってます、いつも。
ーーどのくらい、毎日とっているんですか?
1時間くらいは全然とれるかなと思っています。
想像力でメンバーシップを作る
ーーチームメンバー内で、自分の抱えていることを言えない方や、プライドが邪魔をして出来ないと言えない、みたいなことが起きたりすると思うんですけど、それに気付いたときはどうやって寄り添っていくんですか?
そうですね、気付いたときは、目的の視座を一段あげることを意識しています。
例えば人に頼ることが悪だと思って、自分で全部仕事をギリギリまで抱えて、結構期日ギリギリでああ〜みたいな、出来なかったという状況がありますよね。
ーーもう隠しきれないごめんなさい、みたいなやつですね、ありますね、あります。
そのときに、「そもそもそれは悪じゃないし、頼ることは全然是だよ」と第三者的に言うだけではあんまり意味ないなと思っていて。
でもその人がなぜそうするかというと、圧倒的に成果を出したという気持ちがあったりするので、そういった本人のやりたいことを軸にして、視座を一段あげてあげます。
例えば、本当に成果をちゃんと出したり事業を成長させたいなら、まずその頼ることが悪だという思考は捨てていいと思うよと。その結果、いろんな人の手を借りて最終アウトプットが凄く良くなるならそっちのほうがいいよね、というように。ちょっと視点を変えてあげます。
ーーなるほどなるほど、そうですよね。みんなこういいものを作りたいとっていう想いは同じですからね。
あとは表情やちょっとした表現で「なんか普段よりちょっとネガティブかも」と感じるセンサーを働かせるようにはしています。最近なんか悩んでそうだなとって思った瞬間に1on1を入れたり、「ちょっとご飯行く?」「ちょっとコーヒー行こっか」と声をかけたりしています。
ーーいやあ〜いい上司ですね。
いやいやもう全然!!
常に想像力を働かせて、それぞれのメンバーに合わせた動機づけや、コミュニケーションを実践している松尾さん。そんな松尾さんには自然とチームメンバーからの信頼と親しみが集まり、のびのびと各自が働きながらも、一体感と忠誠心のあるチームが出来上がっていることが伺えました。
ついていきたいと思われるリーダーは、やはり見えないところで努力を重ね、人を大切にしているのですね。