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園時代のカミングアウト
診断が下された当時の頃のお話。
カミングアウトで知る世の中
診断されて母はすぐに凸凹ちゃんが仲良くしているお友達のママさんに、カミングアウトというよりは、謝罪と防衛線を張るためにした行動です。
「我が子は障害がわかりました。今までご迷惑をおかけする事があったかと思いますが、今後もお付き合いをしていく中でさらにご迷惑をおかけする事になるかもしれません。申し訳ございません。」
こんな形でお話を数名にした記憶があります。
母としては、今まで親が凸凹ちゃんの行動に気が付かず、もしかすると大切なお子さんに嫌な思いをさせてきたかもしれない。
そんな感情が芽生え、さらにはこの事を機に凸凹ちゃんが危ないと感じるなら遊ばないように……と、はっきりその事については触れないけど暗に忠告をするようになりました。
自分勝手な母だし、その行動には賛否両論あるかと思いますが、様々な事を考え母なりに出した結論。
診断がおりても、やはり余裕はゼロでした。
この行動を行えば、凸凹ちゃんが孤立する可能性は十分にありましたが、母がトラブルを避けたくて未来に来るかどうかもわからないのに何かやらかすと決めつけて凸凹ちゃんの可能性を信じず、逃げてしまったのです。
子供を信じられない酷い親ですよね。
現実は優しかった
現実は残酷……そう思っていた母。
事実は小説よりも奇なり。
凸凹ちゃんのお友達の一つ上のお兄ちゃんが知的とてんかんを持つお子さんでした。
さらに放課後デイでママさんは勤務。
障害ケアのプロフェッショナルだったのです。
凸凹ちゃんを上手に扱えるお友達、理由がわかった気がしました。
その後からより関係性が深まり、親身に相談に乗ってくださる心強い味方になって下さいました。
もうお一方も、やっぱりお兄ちゃんがいてグレーのお子さん。日頃は通常級に通いつつ通級を利用。
一度そのお兄ちゃんと会ったのですが、凸凹ちゃんと一瞬で息のあったノリで子供二人で大盛り上がり。
そんな二人の光景をにこやかに眺めながら、大丈夫ですよ。ウチも同じです。迷惑なんてないです(気遣い)
そんな言葉を頂きました。
またもう一人。
えっ?!そうなんですか?!うちの子もぽいの。
詳しく教えて……と。
そもそもこちらは謝罪ではなくどちらかというと流れで話したら広がった形です。
もう一人も、うちは加配つけてますよぉ〜。
来年ウチも小学校だから、また詳しく教えてねぇ〜と。
あと数名もそれぞれグレーだったり、発達障害持ちだったり、ジャイアン症でトラブルがありたぶんグレーという方々で気がつけば凸凹ちゃんが関わる人々はほぼ理解のあるご家庭ばかりでした。
凸凹ちゃん空気が読めてる?
こう思わずにはいられないお友達ばかりで、かなり驚いた記憶があり、今も忘れられません。
しかし今考えれば、言い方は良くないですが、お友達が兄弟姉妹で慣れているから多少の事があっても、それぞれのお子さんが慣れていて凸凹ちゃんとは何とか仲良くできる範囲だったという事です。
親からすると本当にありがたい。
感謝しかありません。
子供達に差別感情を抱かせない子育てをしてくれているご家族。
そして何より自身の目でみた事を受けいれてくれた可愛い子供さんにも、言葉では表現できないほど感謝しています。
この頃は先生(大人)は散々凸凹ちゃんにダメ出しをして凸凹ちゃんはすぐキレる怖い子という印象を周りに与えるような行動をとっていた時期。
だからでしょうか?
凸凹ちゃんは年長の頃の先生が嫌いでした。
近寄らない。手を握られても逃げる。そんな子。
(基本はすぐ人の膝の上に猫のように座ります)
大人がそういう態度をとっていたら子供は近寄らなくなるし、凸凹ちゃんが孤立してもおかしくなかったはず。
でも、支えてくれるお友達が複数いたから園に通う事ができたのだと深く思います。
小学校での交流
交流級に行って迎えてくれたのも園で同じだった子供達でした。
そもそも通っていた園がたまたまかもしれませんが、一見どこにでもある園に見えて多様性に事欠かない場だったのかもしれません。
国籍の違いにLGBTそして発達……。
大人から見れば中々濃い子供達。
でも子供はそれが当たり前の日常として分け隔てなく楽しい日々を送っている。
これってとってもすごい事。
そう感じるのは私が平凡な人間で凝り固まった硬い頭を持つ古いタイプの人間だからなのかなと感じます。
時代と多様性
今は多様性を叫ばれる令和の時代。
母の時代からすると、かなり生きやすい時代になったもんだと感じます。
しきたり、伝統、礼儀、上下関係、年上を敬う。
単純に仏教とか信仰心が薄れてきたからと思う部分もあります。
いただきますや投薬は仏教用語。
日本は仏教の教えが生活に染み付いている国。
年上を敬うのも確かお釈迦様の教えにあるとかなんとか……。
キリスト教って離婚しちゃダメよって宗教ですからね。
でも宗派によってそれぞれと聞くしね。
仏教も女性NGだから奥さんとかおくりさんって呼び方して奥の人という意味で公にしていなかったとかなんとか……。
それが時代が変わり人が変わり考えが変わり……。
変化が訪れています。
わたしと小鳥とすずと
有名な一節
"みんな違ってみんないい"
最近よく聞くな。新しい価値観だな。
そんな風に思っていた母ですが
作詩の金子みすずさん、明治生まれの方。
えっ!そんな前からあったの⁉️
ていうか、母の大正生まれの婆ちゃんより年上!
自分の学の無さを舐めてました。
日本にもこういう価値観あったんですね
こんな風に感じました。
芸術家が大注目されるのは晩年だったり没後だったりする正にあれ。
金子さんもここまで使われるようになるとは思わなかっただろうな。
金子さんがこの時代を見ているならどんな風に思うのだろう。
この先、凸凹ちゃんも理解されないまでも生きやすい未来になると良いな。
おしまい。
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