少し話を戻そう。
妻とその父の関係を少しだけ話をする。
パーソナルな事情があるので深くは出来ないけれど。
妻の父は某有名私立大学附属高校からエスカレーターでその大学を卒業後、所謂良いところに就職した。いわゆるそこそこのエリートで、その父の両親は非常に苦労したそうだが、ある程度の資産を持っている人だった。つまる所が聞こえは悪いがいいとこのボンボンである。
逆に妻の母はというと私のように地方出身で、最終学歴は地元高校卒業。高卒と同時に地元の会社に就職したと聞く。
この2人が結婚したのは偶然にも、父が母方の地方にたまたま人事異動で転勤して来ての恋愛結婚だったと聞いている。
しかし、結婚生活は大変だったと聞く。
地方からまた人事異動で東京首都圏に戻って来た妻の両親だったが。
地方出身で高卒の母は、いわゆる姑によるいじめが酷かったと聞いた。その為に親族同士も仲もよくない状態で、母はしばしば板挟みになることもあったと聞く。
そもそも、いわゆる学歴エリートの父とかたや地方高校卒業の母との結婚には学歴差がありすぎて最初から反発があったようだ。
その後、母が不治の病に妻が中学生の思春期に罹り。妻が中3のころに、そのまま若くして亡くなってしまったと聞いている。
妻の父については私は客観的に真面目な人であると思っている。妻の母が亡くなってからは、いわゆる教育パパと言うヤツだったらしく、本来ならば妻も某有名私立大学附属高校に行かせる予定であったらしいが。母の死と思春期の拗れだろう、本人はそれを拒否し、別の都内進学校に勝手に自分で願書を出して合格し進学したらしい。
また妻の大学受験はというと、これもまた都内の有名私立大学を数々を受けたらしいが。自分の好きな学部や学問より合格した中で1番偏差値が高かった私と同じ大学に決めたらしい。妻曰く父に初めてこの時に褒められて嬉しかったと言っていた。
ただ、大学は受かったものの専攻した学部の学問に全く興味が無かったらしく。私によく全然学問が楽しくない、仕事にも活かされず意味がなかったとボヤいていた。
私が転部すればいいんじゃないかと当時言ったがそれも興味はなかったようだ。
いま思えば、教育熱心な父の敷いたレールに乗せられ生きて来た妻に、大学でも好きでもない学問を勉強しろと言うのは結構無茶な話であったと思う。
それに苦学し奨学金を借りて地方からわざわざ東京の大学に進学して勉強しようと考えて来た私からすれば恵まれているし、羨ましい限りなのだが大学に対する価値観が違ったのだろう。
このような事情があり、妻は何となくだが父に干渉されない自由な場所を私に求めて来た気がしている。
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