はじめまして、麻酔科医ふみふみです!
はじめまして、麻酔科医ふみふみと申します。
都内の市中病院で麻酔科+集中治療科医師として日々働きつつ、医療スタートアップでコンサルティングなどさせて頂いています。今後医療AIやスタートアップに関してもお話しできたらと思います。
今回は自己紹介代わりに、麻酔についてお話ししましょう。
麻酔とは何か?
このnoteを読んでくださっている方の中には、何らか手術を受けることになり全身麻酔などを受けることになったという方もいらっしゃるかと思います。麻酔とは手術や不快な処置を行う際に、安全かつ患者さんが安楽にこれら受けることができるよう、痛みや意識をなくしていく一連の医療行為を指します。
麻酔には、大雑把に①〜④があります。
①全身麻酔:完全に意識・痛みを取り除きます。大きな特徴は人工呼吸器を使用することです。刻々と変化する状態に合わせて麻酔薬だけでなく血圧を変化させる薬など様々な薬を使ってベストな状態を作り出します。麻酔科医の全ての基本です。
②脊髄くも膜下麻酔:いわゆる下半身麻酔。脊髄の周りに麻酔薬を注入することで下半身の痛覚が一時的に無くなります。帝王切開や下腹部の短時間手術に使います。
③硬膜外麻酔:脊髄を包んでいる膜の外側にカテーテル(細い管)を挿入し、これを用いて麻酔薬を投与することでお腹・胸などの部位を帯状に痛覚を遮断します。①を組み合わせたり、無痛分娩に用いたりします。
④神経ブロック:腕、足、体幹などの神経の周囲に麻酔薬を注入し、その神経が司る部位の痛覚を一時的に遮断します。①と組み合わせたり、単独で手術を行うことができます。
また静脈麻酔といって、全身麻酔で用いる薬を少量静脈内投与することで痛みや不安を和らげるものもあります。ごく短時間の小手術や内視鏡などで使います。麻酔科医以外がやることがあります。
麻酔科医のお仕事
あまり表には出てこない我々麻酔科医がどういったことをしているのか、お話しさせてください。
手術麻酔:手術室で外科医が手術を行うのに必要な麻酔を提供します。心拍数、酸素飽和度、血圧、脳波などをもとに患者さんの状態を常に把握してトラブルの芽を摘みます。そして目覚めた後の術後痛が最小限となるように術中から鎮痛薬の調整をしていきます。
集中治療:心臓手術など大きな手術を受けた患者さんや、様々な病気によって重篤な状態になってしまった患者さんの治療にあたります。全身麻酔で培った人工呼吸などの生命維持の技術が武器です。
無痛分娩・帝王切開:産科医と協力してお母さんや赤ちゃんの安全を守ります。脊髄くも膜下麻酔や硬膜外麻酔を用いてお母さんの痛みを取り除き、出産のお手伝いをしていきます。
ペインクリニック・緩和医療:様々な理由によって痛みに困っている患者さんを診療します。神経ブロックや適切な内服薬、リハビリテーションによって痛みの軽減を目指します。また、末期がんの患者さんにも痛みの専門家である麻酔科医が付き添います。
救急医療:『コードブルー』などで知られる救命の現場にも取り組みます。実は救急科は麻酔科から派生したという背景もあります。
麻酔科って何してるんだろう?への答えになれば幸いです。