心臓の解剖

1.僧帽弁

1).弁葉:

  • basal zone弁基部

  • clear zone弁腹

  • rough zone弁尖

  • 前尖はMVAの2/3,弁輪の1/3

  • 後尖はMVAの1/3,弁輪の2/3

  • 交連部はMVAの10%

  • 後尖は前尖の2倍の面積であり、僧帽弁全体の2/3である×

  • 前外側乳頭筋は前尖の外側と後尖の外側に繋がる○

  • strut cordaは最も太い腱索○

  • 前尖は弁周囲の1/3を占める○

  • strut cordaは弁腹部についている○

2).腱索:

  • 一次腱索:乳頭筋から弁尖(rough zone)に付着

  • 二次腱索(strut chorda/): 乳頭筋から弁腹(clear zone)まで。後尖には太い二次腱索(rough zoneとclear zone弁腹の間):

  • 1/P2,P2/P3の裂隙部の後尖の裂隙腱索

  • A1/2,A2/3の弁腹につく前尖の支持腱索(strut chorda)

  • 三次腱索(basal chorade):心室壁まで(後尖のみ) .人工弁置換術においては,この腱索を温存することが左室破裂の予防に重要である

練習問題

僧帽弁の解剖で誤っているのはどれか.

a basal chordaeは左室壁より起始する

b 前尖は3つのscallopに分葉している

c rough zone chordaeは乳頭筋より起始する

d 前尖と後尖のrough zoneは弁閉鎖時に重なりあう

e 前尖rough zone chordaeの太い2本はstrut chordaeともいわれる

解答:b

練習問題

2015年心臓麻酔

解剖について誤ったものを選べ

a.後尖は前尖の2倍の面積であり,僧帽弁全体の2/3を占める。

b.前外側乳頭筋は,前尖の外側と後尖の外側につながる。

c.Strut chordaeは最も太い腱索である。

d.前尖は弁周囲の1/3を占める

e.Strut chordaeは弁腹部についている

解答:a

a.×前尖は弁表面積の2/3を占める,弁周囲の1/3。後尖は弁表面積の1/3しか占めないが弁周囲長の2/3を占める×

b.MVの前尖外側と後尖外側には前外側乳頭筋から腱索でつながる ◯

c.strut chordeは二次腱索であり、前尖のclear zone(弁腹部)と繋がる◯

e.MVの弁腹につながる腱索はstrut chordaeという ○

2.右室解剖

右室は三角形の形状

三つの部分から成り立つ:流入部、心尖部、流出部(漏斗部)

複数の筋束が走行:中隔帯、調節帯(前乳頭筋から出る)

左室との違い

筋肉は薄い(3~5mm)

容積は大きい

心筋重要は左室の1/6

前乳頭筋:モデレーターバンドから出る(最大) 前尖・後尖を支える

  • 右室:縦方向に収縮 左室は3層構造:真ん中だけ円周方向に(輪状筋)

  • TAPは三尖弁後尖と5mm以下

  • %FS(三尖弁輪径収縮率) 8-20%で

3.伝達経路の栄養

洞房結節:右冠動脈→洞房結節枝

房室結節:約90%は右冠動脈→房室結節枝,約10%は左回旋枝→房室結節枝

ヒス束・脚中枢:右冠動脈→房室結節枝,左前下行枝→第一中隔枝

右脚,左脚近位部(前枝):左前下行枝→中隔枝

左脚遠位部(後枝):左前下行枝→中隔枝D1,D2,右冠動脈→後下行枝?

洞房結節 55%洞房結節枝 RCAから栄養 45%Lcx

房室結節 房室結節枝 RCAから栄養 単一血流支配

His束 房室結節枝とLDAからの中隔枝

後下降枝はどこから分枝するか 4PDはRCAから分枝?15PDはLcxから分枝

練習問題


2020年心臓麻酔

正しいのはどれか?

a.洞結節の血流は右冠動脈とLCXに支配される

b.房室結節は右冠動脈のみに支配される

c.His束は右冠動脈のみに支配される

解答:a

b.×10%はLxc

c.×一部はLAD

洞結節と右脚と左脚近位部のみは単一血流支配

右冠動脈は右室基部の房室間溝を走行し、主に右室自由壁と心房、房室結節、心室中隔に分枝を出している。最初の枝は円錐枝であり、続いて洞房結節枝を分枝する。さらに何本かの右室枝を分枝し、鋭縁部で大きな鋭縁枝を分枝し、房室枝および後下行枝を分枝していく。

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