OPCAB

CCAB人工心肺使用心停止下冠状動脈バイパス手術

利点:

血行動態に過大な注意を払うことなく静止野での吻合が可能なことで,OPCABに比し,外科的手技の難易度は低い.

欠点:

体外循環に伴う諸臓器への悪影響や送血のためのカニュレーションや大動脈遮断などの操作に伴う合併症が多い

適応:

血行動態の安定が得られずOPCABができない症例,もしくは既に体外循環が開始されている例【ClassⅠ,evidence level B】.

解剖学的特徴や血行動態的理由から)心拍動下では露出や固定が得られない冠動脈に有意狭窄が存在し,人工心肺を使用することにより完全血行再建が得られる例【ClassⅡ a,evidence level B】.

解剖学的特徴や血行動態的理由から)心拍動下での十分な露出や固定が危惧される例【ClassⅡb,evidence level C】.

人工心肺による脳梗塞等早期合併症リスクが高い例【ClassⅢ,evidence level B】.

 1. 上行大動脈・弓部大動脈・頚動脈に,有意な石灰化や粥状硬化を有する例

 2.高齢者

 3.血糖管理が不良な糖尿病患者

 4.脳梗塞の既往

OPABG

利点:

死亡

ローリスク例においては,OPCABはCCABとの比較において,手術死亡(30日),1 ~ 2年までの死亡に有意差は認めない【ClassⅠ,evidence level A】.

ハイリスク例においては,OPCABはCCABと比較し,早期死亡を減少させる【ClassⅠ,evidence level B】

OPCABは,CCABと比較し,周術期合併症の頻度が低い【ClassⅠ,evidence level A】.

OPCABは,CCABと比較し,人工呼吸期間,ICUおよび入院期間が短く,出血量,血液製剤の使用が有意に少ない【ClassⅠ,evidence level A】.

高齢者, 人工透析患者等ハイリスク例に対するOPCABは,CABGにおける早期死亡のリスクを軽減する【ClassⅠ,evidence level B】.

脳障害

上行大動脈への手術操作の回避により脳障害のリスクを軽減できる【ClassⅠ,evidence level A】.

■ OPCABは,CCABとの比較において,術後脳障害の発生頻度が低い【ClassⅡ a,evidence level A】.

感染

OPCABは, 深部胸骨感染症DSWI のリスクを軽減する【ClassⅡ a,

evidence level B】.

■ skeletonization法による内胸動脈(ITA)の採取は, DSWI のリスクを軽減する【ClassⅡ a,evidence levelB】.

■ 糖尿病患者において,両側内胸動脈(BITA)の使用は,胸骨治癒遅延の原因となり,DSWI のリスクである【ClassⅡ a,evidence level B】.

■ 適切な血糖管理は,DSWI のリスクを軽減する【ClassⅡ a,evidence level B】.

腎不全:

腎機能障害のない患者に対して,OPCABは,術後腎機能障害発症のリスクを軽減する【ClassⅡ a,evidence level C】.

■ 中等度以上に腎機能が障害された患者に対しては,OPCABの腎保護効果における優位性は得られない【ClassⅡ a,evidence level B】.

■ CABG術後遠隔期の腎機能は,術式の違いに影響されない【ClassⅡ a,evidence level B】.

欠点:

OPCABからCCABへの移行は,早期死亡のリスクを増加する【ClassⅡ a,evidence level B】.

適応:

  1. 上行大動脈が高度石灰化ある時

  2. 脳血管頸動脈病変

  3. Child B,Cの肝硬変

  4. 腎機能障害

  5. COPD

  6. 癌患者や高齢者

OPCAB中局所壁運動異常:


心臓の脱転時に右室が圧迫されたため    

  1. 輸液

  2. head down

  3. ノルアド投与

  4. 右側心膜切開

  5. 右胸骨挙上

  6. 心尖部スタビライザー解除

  7. 胸膜切開×

練習問題


OPCAB脱転後にRCA遮断後に血圧低下。正しい対応を二つ選べ?

a.α刺激

b.頭低位

c.NTG

d.βブロッカー

e.胸膜切開

解答:ab

心臓の脱転時に右室が圧迫されたため  :

輸液負荷、α刺激、頭低位、右心膜切開、右胸骨挙上、心尖部に取り付けるデバイスを外す

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