本の記録|自由について考える。
みなさん、こんばんは。本日もアクセスいただき誠にありがとうございます。
今日は、福島県の田村市に訪れたときに出会った、一冊の本を紹介します。紹介というよりは、感想文です。
本屋さんとの出会い
本屋さんとの出会いは、2023年6月2日。ちょうど10日前です。
とくに目的はないのですが、6月2日〜4日の3日間で、福島県の田村市というところに行ってきました。
私は高校生のときに、福島県が主催するホープツーリズム「ふくしま学宿」に参加してから、度々双葉郡とその周辺に遊びに来ているのですが、
最初は、復興とか被災地とかそういった文脈での関心が強く、自分にできることがあればやりたい!というスタンスでした。
大学生になってからは、双葉郡の葛尾村という、人口400人にも満たない村で、課題解決型のインターンシップに参加したり、インターンシップの企画・運営スタッフをやっていたりしました。
今はスタッフを卒業し、ただの訪れ人として顔を出しています。目的なくふらっとくるのも悪くないよね。むしろそれでいい。
この辺りの話は、また別のnoteに書いていくことにしましょう。
前置きが長くなりましたが、そのような流れでふらっと田村市に訪れ、宿泊場所へ向かおうとしていた矢先、素敵な本屋さんと出会いました。
第一印象は、外観がとてもおしゃれだな〜と。
ここは、オーナーが「絵本を通して思いやりの心あふれる人をいっぱいにしたい。」といった想いを持って運営されている、石川屋という本屋さんです。
テーマ別に分かれて、様々な絵本が揃っていて、ある程度歳を重ねた今でもかなり興味深い内容の本がたくさん置いてありました。
ともだちやかぞくをテーマにしたもの、哲学っぽい内容のもの、いのちについて考えさせてくれるものなどなど。そのどれもが新鮮な体験を自分に与えてくれたように思います。
今回私は、帯に書かれた、「子どもの心を忘れずに自由に生きるヒント。」というメッセージに強く惹かれ「Alain Gree's Message Book(アラン・グレのメッセージブック)」を購入しました。
「自由」は今回のnoteのひとつのテーマでもありますが、私が物心ついた時からずっと好きだなと思う言葉でもあります。
この絵本を読んで、自由とは?自由に生きるとは?みたいなことをずっと考えていたのですが、その過程をここでほんの少し共有できたらと思います。
※本題に入る前に、作家「アラン・グレ」について知りたい方はこちらのページをご覧ください。
自由の意味を考える
好きな言葉とその定義
アラングレは、本の最後で、
『一番好きな言葉は、「自由・自由・自由」!』
と言っています。
私も、物心ついた時から好きな言葉は「自由」でした。
好きな言葉というよりは、人生で大切にしたいことは「自由であること」で、それは今も昔もあまり変わっていない価値観のように思います。
私は、生まれは日本、国籍は韓国、育った家は教会、親は牧師という状況で過ごしてきたので、昔から、国籍や宗教といった軸で自分を見たときに、人と自分が違う、そして人と違うことはあまりいいことではない、という思い込みが先行し、自分が持って生まれた個性や環境に、どこか窮屈さを感じていました。
それからずっと。心のどこかで自由を探し求めていたように思います。
最初、私の中では、「自由」という言葉の意味を以下のように考えていました。
今でも忘れない、小学2年生のときの「自由」をテーマにした道徳の時間。私は自由と自分勝手は違う意味の言葉であると言うことを強く認識します。
推測の域を出ませんが、
きっとこの頃の私は、自由でありたいと思う気持ちが溢れていて。
でも自分勝手であってはいけないという思いから、自分で決めたことは自分でやり切る、自分が蒔いた種は自分で刈り取る、最初から最後まで自分の力で達成することが大事なんだとずっと言い聞かせていたような気がします。
「自由」になりたいなら、責任を取る必要がある。
幼い頃から、無駄な責任感の強さは今でも健在です。
しかし、この本を読んで、自由の定義が自分の中でひとつ増えました。
そして、私が心のどこかでずっと探し求めていた自由の意味は、上記の意味ではなかったということを、アラン・グレのメッセージが教えてくれた気がするのです。
大切なのはもっとシンプルなこと
私が小さい頃から欲しかった”自由”。それは、
これが、幼い頃の自分の欲望を表す言葉として、とてもしっくりきています。
メッセージを残した筆者のひとつひとつの言葉が、ありのままだとか、のびのびだとか、いきいきだとか、そういった言葉を彷彿とさせます。
これは、すごくシンプルで、でも難しい。
私が求めていた欲望を満たすのには、自分の気持ちに素直であることと、その自分を自分で受け入れること、言い方を変えれば「許すこと」が必要です。
私は、上記で述べた原体験と、元々の性格から、「自分のことは自分で」という意識が強く、
人に頼るのは迷惑なことだとか、
人に相談することは人の時間を奪う行為だとか、
感情は表に出すものではない、嫌だと思ったとしても我慢するんだ、
そういったことばかり考えていましたが、
頼りたいときに、頼りたい人に頼ること。
甘えたいと思ったときに、甘えたい人に思い切り甘えること。
嫌なことははっきり嫌と伝えること。
湧いてきた「何かをやりたい気持ち」「こうなりたいと思う気持ち」を我慢しないこと。
ときには、誰かと笑顔や涙を共にして自分の感情を分け合うこと。
そして、弱さを持つ感情豊かな自分を、自分自身で認めて、許してあげること。
そういったシンプルなことが何より大切で、
それが、私が物心ついた時からずっとほしかった”自由”のカタチでした。
正直、今の私には、すぐに完璧に実践できることではないけれど、時間をかけて少しずつ、この自由を体現していきたいなと思います。
これからはもっと気楽に、そして”自由”に。
自由の追究は、私の人生の目的の一つです。
死ぬときには、自分がそのとき心から信じている自由の意味を、体現できていたらなって思います。
自分の中に今ある”自由”も、少しずつ変わっていくのかもしれないから。
この本に出会ったことで、自分にとって自由ってなんだっけというのを、改めて考える機会になりました。
なんだかんだ色々とひとりで抱えるのが好きな私ですが、
時には、力を抜いて、適度に遊んで、大きくて深い欲望にも耳を傾けながら、”自由”に最期までの歩みをゆっくりと、着実に進めていきます。
また時間が経った頃に、私の考える自由について共有してみます。
この絵本にふと出会わせてくれた素敵な空間と、自分の考えをアウトプットさせてもらえたこの機会に、感謝いたします。