記憶





シンの記憶から俺がいなくなった。


正直なにもわからなかった。
わからなくなった。


五感がスっと失われるような、そんな感覚。


思い出してほしい。

でも思い出さないでほしい。


でも思い出してほしい。


けど、
たまたま俺がシンを助けて、
たまたま俺とシンはコインランドリーで再会して、

たまたま今付き合ってるだけかもしれない。


今までの出来事は偶然に過ぎなくて、

シンの記憶から俺が抜けることは必然だったのかもしれない。



やっぱり思い出してほしくない。







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