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【本紹介】創造的脱力〜かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論〜その1【3分解説】

みなさん、こんにちは。
記事に興味をもっていただきありがとうございます。

最近の推しメン

私が最近推している人がいます。
今日はその方が書かれた書籍を紹介します。
私の推しメンは「若新雄純」さんです。

https://sync-cm.jp/management/%E8%8B%A5%E6%96%B0-%E9%9B%84%E7%B4%94/

若新さんをご存知ですか?若新さんは、慶應義塾大学の教授で、実業家兼プロデューサーとしても活躍されています。

wikipediaより

最近では、YouTubeの動画にも多く出演されています。
私のお気に入りはこちら↓

思春期ビジパ学園は、大人世代で社会にモヤモヤを感じている人のための動画が多数投稿されています。
若新さんの言語化能力の高さが際立っていて、私たちが日々働きながら感じるイライラやムカムカの原因や解決法を提示してくれています。

そんな私の推しメン、若新さんの著書、「創造的脱力〜かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論」の中で、私がビビッときた部分をいくつか紹介します。
興味を持たれた方は、実際に手にとってみてください!

ビビッときたポイント

「日本社会を変えられないワケ」

ご存知の通り、日本社会は少しずつ衰退しています。
世界のGDP成長率はこちら

https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r01/hakusho/r02/html/n1117000.html

世界各国が経済成長を遂げている一方で、日本は30年間で最大4%、今現在でも1%程度しか成長していないのです。
現状を変えるために、政府や企業、学校などで変革が求められています。
しかし、どうでしょう?本当に変革は進んでいますか?
社会はほとんど変化していないのではないでしょうか?
いまだに校則を変えることへの抵抗や一斉授業の実施など、身近な学校でも変化が起きていないと感じる人も多いのではないでしょうか?
若新氏は、その原因を現状への「差し替えプラン」が「新しい答え」になっていることが原因であると言います。
つまり、現状と変化が二項対立構造になっているのです。
既存のシステムは歴史、知名度、信頼感という力をもっています。
これらと真っ向でぶつかっても勝算がないのです。
これが社会が変革に向かわない要因なのかもしれません。

脱力した創造

変化をもたらす大切なポイントは「脱力的創造」。
若新氏はこのように述べています。

「とりあえず楽しもう」「やりながらちょっとずつ良くしていけばいいじゃないか」という適度な脱力感が、「白か黒か」「成功か失敗か」という過度な緊張感を遠ざけ、すぐには結果の見えない実験的なプロジェクトに、粘り強さをもたらしています。

若新 雄純. 創造的脱力~かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論~ (Japanese Edition) (p.14). Kindle 版.

脱力≠無力・不真面目

現状のシステムが悪で、新しいシステムが善とするのではなく、まずは既存勢力を壊さない程度の「実験」から始めることを著者は大切にしています。
失敗したらやり直し、うまくいったら拡大というシンプルで持続可能な事業を進めています。
脱力と聞くと、適当と感じる人もいるかもしれません。
しかし、著者は脱力感は粘り強さをもたらすと述べています。
既存勢力からの変化には、「粘り強さ」がある意味1番大切な要素かもしれません。

人間のリアル

人と人が繋がるプロセスを若新氏は以下のように言語化しています。

人間のリアルというのは、時間や場所の数だけ無限に存在していて、そこで生まれる無数のコミュニケーションがつながっていくことで、なんとなく「まとまり」ができている

若新 雄純. 創造的脱力~かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論~ (Japanese Edition) (p.15). Kindle 版.

これはさすがの言語化です。
同じゴールに全員が向かう集団であれば、リーダーがまとめ役になって、状況把握やデータ収集・分析、そして指示命令をしながら進んでいくことでまとまることもあります。
学校で言えば、強豪校の部活動がそれに当たることがあります。(各校の実態によって異なります)

しかし、見えないゴールに進んでいく場合は、成果や正解を求めすぎない脱力感と、そのプロセスを楽しめる柔軟性が必要だと著者は言います。
令和の実社会ではゴールの見えないことの方が多いです。
正解が1つに決まっていないことの方が多いですよね。
この脱力感が実は今必要なのかもしれません。

ゆるいコミュニケーション

脱力感をもって人が繋がるプロセスが大切だと述べました。
しかし、力を抜くだけでは不十分だと若新氏は言います。

力を抜いてやわらかくしているだけでは、「まとまり」ができずバラバラになってしまいます。脱力しながらも、うまくまとめていくためには、その場にいる一人ひとりの欲や好奇心、その場から得られる体験や感動をみんなで共有し、ときにはぶつかり合いながらもお互いを必要とするような、人間性にみちあふれた「関わり合い」が必要です。

若新 雄純. 創造的脱力~かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論~ (Japanese Edition) (pp.15-16). Kindle 版.

著者はこれを「ゆるいコミュニケーション」と呼んでいます。
固定化されたり、強制された人間関係でもありません。
絶対に必要なわけではないけど、欲している人間関係を築くのがゆるいコミュニケーションなのです。
ゆるいコミュニケーションでは、意見の食い違いを受け入れていきます。
受け入れるプロセスで、お互いの違いを個性として許すことができてくると著者は言います。

学級経営はオワコン?

人間関係のつながりは、学級経営にも通じます。
学級では、30人がそれぞれの価値観で生活しています。
この関係性の中で、いつもと違う関係性をつくる機会を自然に設け、お互いに授業中のグループワークでの付き合い、休み時間に雑談する付き合い、偶然隣に座ったペアでの付き合いなどを通じて、お互いを受け入れいていくことが大切なのだと改めて感じました。
そのプロセスでは、うまくいかないこともあります。
それをゆるいコミュニケーションとして捉え、不安定さがあることを前提にして学級をつくることが重要なのでしょう。
(いや、学級をつくるという思考もやめた方がいいのかな?)

長くなったので、今回はこの辺にします。
次回も引き続き、この「創造的脱力〜かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論〜」を紹介します。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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