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【特別支援】通級・入級生徒と関わる通常学級担任のマイルール【学級経営】
こんにちは、渡部です。
記事に興味をもっていただき、ありがとうございます。
今回のテーマ
先日、以前一緒に勤めた先生からご連絡をいただきました。
一部抜粋・生徒名を伏せて載せます。
渡部先生にお聞きしたいと思い、連絡させていただきました。
渡部先生にAさんが大変お世話になりましたね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜中略〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
本当にあの4月、三階から真っ先に支援の部屋に来て、声をかけてくださった姿。リレーの練習や合唱の練習をしてくださった姿、一生忘れません。
これ程までに、生徒に向き合える諒先生は、どのように学んで身につけられたのでしょうか。持って生まれた特性もあるかとは思いますが。
眼鏡の奥の瞳で、見つめられると、心地よい安心感をいただけるのが、渡部先生でした。
何かしら、関わりのヒントがいただけましたら、幸いです。
よろしくお願いします
連絡をくださった先生は特別支援プロフェッショナルの先生です。
私が持ち合わせていない知識やスキル、経験を持った尊敬する先生です。
そんな先生からのメッセージだったので、とても嬉しく思いました。
特別学級の担当経験がないアマチュアなので、完璧な教育ができていたとは思いません。
しかし、マイルールはありました。
今まで私と出会ってくれた通級・入級生徒全員に対して徹底していたマイルールです。
今回は私が特別支援学級の通級・入級生徒とどのように関わっていたかを言語化してみます。
通級・入級生徒との関わり方で悩んでいる先生や、特別支援学級担当で通常学級担任との協働に困っている先生の参考になれば幸いです。
マイルール
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まずは結論から。
私が通級・入級生徒との関わりで大切にしていたマイルールはこの4つ。
会話の仲介役になることにより、交流学級との接点を作る機会を可能な限り設ける
行事の1ヶ月以上前から一緒に練習・準備する機会を設けることにより、行事に安心して参加できる環境を作る
ギブアンドギブ、アンドギブの精神で関わることにより、期待する行動を生徒がしてくれないことにイライラしないでとにかく生徒からのアクションを待つ
通常学校の担任というより○組の担任と思って区別を一切しない
1.会話の仲介役になることにより、交流学級との接点を作る機会を可能な限り設ける
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私は会話の仲介役だという意識を常にもっていました。
特別支援学級に所属する生徒は、通常学級生徒との交流が少なくなる傾向があります。
総合的な学習や学級活動などの限られた授業しか通常学級で過ごさないことも。
特別支援学級の生徒からすると、通常の学級でのポジションがマイノリティーになってしまうことも少なくありません。
そこで、最初は学級内で何人かの生徒と話す機会を意図的に設けました。
小学校が一緒だった生徒や昨年度までの同クラス生徒、誰とでも「うまくやることができる」生徒などです。
共通の趣味や好きなことを事前に生徒からリサーチしておくことで、スムーズに仲介役として機能することができました。
2.行事の1ヶ月以上前から一緒に練習・準備する機会を設けることにより、行事に安心して参加できる環境を作る
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「行事は絶対に参加させたい」、
これは毎年思っていました。
なぜ行事に参加させたいか?
私は行事の経験は一生共通して話せる話題だと考えているからです。
同窓会に参加したとき、高校に行って他中学校出身の生徒と話したとき、共通の話題として話すことができるのは、行事ではないでしょうか?
運動会や合唱コンクール、修学旅行や卒業式など、どの学校でも同じように行われることは、一生の話のネタとして使うことができます。
コミュニケーションのとっかかりになる経験を多く積ませたいという思いがあり、行事を重視していました。
もちろん本人がどうしても参加したくないという場合は別です。
無理に参加させて嫌な思い出を持たせてしまうと、今後の行事参加へ悪影響を与えます。
そのため、無理はさせない前提にしました。
しかし、私の出会った生徒は全員、行事に参加してくれました。
生徒に行事参加してもらうには、教師の働きかけが重要です。
教師が働きかけしないで、「生徒が参加してくれなかった」はもったいない。
私は事前に練習をともにして、自信をもたせた上で行事に参加してもらうのです。
例えば、運動会。
運動会でよくあるクラス全員リレー。
これは、事前に私と一緒に練習します。
休み時間に生徒のところに行って、「練習行こう!」と誘っていました。
他の生徒との練習授業に参加できるのが理想ですが、そこに至るまでの間で教師との練習段階を必ず入れていました。
合唱コンクールでは一緒に歌い、卒業式では呼名練習を個別で行いました。
全体でやる前にまずは個別練習をしておくのがポイント。
個別練習を重ねることで、自信をもたせることができます。
その自信が行事参加への最大の要素だと考えています。
3.『ギブアンドギブ、アンドギブ』の精神で関わることにより、期待する行動を生徒がしてくれないことにイライラしないでとにかく生徒からのアクションを待つ
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これも重要です。
生徒に対して2で挙げたようなサポートをすると、どうしても期待してしまいます。
「ここまでやったんだから、生徒は行動してくれるだろう」
この思考は結構危険で、期待に対して応えてくれる場合は良いのですが、往々にして応えてくれないものです。
その時に、「なんでできないんだ!」という感情をもつと、生徒へのアプローチのモチベーションが下がり、放置なんてことも。
大切なのはギブアンドギブ、アンドギブの精神です。
私は練習に誘ったときに、何度もお断りされています。
生徒がアクションしてくれるまで、粘り強く待つことが肝要ですね。
断られれば断られるほど、行動してくれた時の喜びはひとしおです。
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4.通常学校の担任というより○組の担任と思って区別を一切しない
私は特別支援学級所属の生徒も自分の学級生徒と考えています。
当たり前ですよね。
○組に所属している以上、他の生徒と分け隔てなく関わることが当然です。
忙しくなって特別支援学級の生徒と関わる時間が減ってしまうことがあります。
そんなとき、どうしても区別してしまいそうになることもあるかもしれません。
しかし、「あなたは私のクラスの生徒です」というメッセージを送り続けることが信頼を築き、生徒のロイヤリティを高める結果につながるはずです。
個人でなくチームで
ここまで偉そうに語ってきましたが、振り返ってみると、支援学級の先生方にも毎年恵まれていて、先生方のサポートがあってこその結果でした。
言わずもがな生徒も頑張ってくれたことは間違いないです。
私が求めたリクエストや執拗なまでの私のくだらない話に耳を傾けてくれた生徒たちには感謝しかないです。笑
n=1
最初に述べましたが、私は特別支援のプロではありません。
私が行ってきたことが、専門家から言わせると「喝だ」と言われてしまうかもしれません。
当然のことですが、n=1〜10(多数の生徒ではなく、少数の生徒への実証結果)の話もあります。
生徒との関わりで一番大切なことは、生徒をよく観察してその生徒に最適なアプローチをすることです。
個別最適化が叫ばれる現在、n=1(特定の生徒)を対象にした実践も大切にする必要もあるかもしれませんね!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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