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【英語】ユニバーサルデザインを「デザイン」する授業①【STEAM教育】

こんにちは、渡部です。
記事に興味をもっていただき、ありがとうございます。

今回のテーマ

「ユニバーサルデザイン」という言葉をご存知でしょうか?
聞くまでもないですよね。笑
今日は英語授業でのユニバーサルデザインを扱った実践のご紹介です。

ユニバーサルデザインって?

ユニバーサルデザインの意味をChatGPTに聞くと、こう答えてくれました。

ユニバーサルデザインは、すべての人々、特に高齢者や障害者を含むすべての人々のニーズを考慮に入れて、製品、環境、サービスなどをデザインするアプローチです。ユニバーサルデザインは、バリアフリーな環境を提供するだけでなく、すべての人々が快適に利用できる製品やサービスを開発することを目指しています。このアプローチは、社会的な包摂と平等を促進し、多様なニーズを持つ人々に対してより良いアクセスを提供することを目的としています。

ChatGPT

実生活に浸透しているユニバーサルデザイン。
しかし、意外にも理解はあまり深まっていないようです。
内閣府が毎年実施している「バリアフリー・ユニバーサルデザインに関する意識調査」によると、ユニバーサルデザインを「知っている+どちらかといえば知っている」の割合は60.6%

10人中6人が知っているくらいの理解度なんですね。
そんなユニバーサルデザイン。
授業ではどのように扱うでしょうか?

ユニバーサルデザインの授業

「ユニバーサルデザインはあらゆる人にとって重要なんだ」ということを授業で伝えるのは、簡単だと思います。
また、「既存のユニバーサルデザイン商品を英語で紹介しよう」という活動もよく行われています。
勤務校で使っている教科書でも、それらの内容が扱われています。
これらの活動も良いのですが、ある観点が抜けていると考えます。
それは『自分ごと』です。
ユニバーサルデザインの重要性は普段生活しているとなかなか気づきにくいものです。
授業授業をしていても、生徒の反応があまりよくないことがあります。
実際、先に紹介した「バリアフリー・ユニバーサルデザインに関する意識調査」によると、全体では、「十分進んだ+まあまあ進んだ」の割合はなんと39.9%。
あまり実生活でユニバーサルデザインを実感することはないようです。
そんな実感なきユニバーサルデザイン。
授業での生徒のモチベーション向上にはひと工夫が必要でしょう。
そこで私が考えたのが、ユニバーサルデザインを「デザイン」する授業。

ユニバーサルデザインを「デザイン」する

ユニバーサルデザインを「デザイン」はどのように行うでしょうか?
ここからは授業の実際を説明します。
この単元の振り返り用紙を見ていただくのが1番分かりやすいと思うので、ここからいきましょう。

この単元のゴールを「身近にあるユニバーサルデザインを知り、オリジナルのデザインを考え、英語で説明する動画を作成できる。」と設定しました。
最後は自分自身のユニバーサルデザイン商品を創造することが目標です。
ユニバーサルデザインをただ知るだけでは「自分ごと」にならないと考えたからです。
デザインさせるために、まずはユニバーサルデザインを知るところからスタートしました。
生徒それぞれでユニバーサルデザインに関する背景知識量が異なります。
知識レベルをある程度揃えることで、生徒の創造性を最大限に発揮できると考えました。

1時間目 ユニバーサルデザインに関する概要理解

ユニバーサルデザインについて理解するところからスタートです。
NEW HORIZONの教科書に、ユニバーサルデザインの父と言われる、ロナルドメイス氏に関する英文が載っています。
教科書どおり進めれば、単元の最後の読み物になります。
しかし、概要理解に最適であると考え、あえて1番目に持ってきました。
単元の最初としては生徒負荷が大きいと考え、ジグソーリーディング。
ジグソーリーディングについては拙記事をご覧ください。

この授業を通して、生徒は主に以下の2つのことを理解します。

・ユニバーサルデザインは体が不自由な人のためだけのものではないこと
・ロナルドメイス氏は、あらゆる人のためのデザインを考えようとしたこと

第一歩はユニバーサルデザインを知ること

「知ること。」全てはここからスタートだと思います。
実際、最後にユニバーサルデザインをデザインする過程でも現在存在するデザインを参考にする生徒がいました。
0から1を創造することも重要ですが、1をもとにそれを伸ばす力も必要だと考えます。

トップデザイナーが語る、「日本人に求められること」

デザイナーの佐藤可士和さんをご存知でしょうか?

ユニクロやTSUTAYAのロゴ、セブンイレブンの商品をデザインした超有名なデザイナーさんです。

美大生からの質問に対して、彼がこんなことを話していました。

0から1を生みだすアイデアはもちろん非常に価値の高いことです。しかし世界的に市場が成熟している今の状況では、すでに存在している1を10の価値にアップデートすること、つまり日本人が得意とする技術がより求められるだろうし、それを意識する必要があると思います。

https://www.advertimes.com/20111213/article45080/

もしかしたら、1から10にアップデートすることができる力が日本人に求められる力なのかもしれません。
そういう意味で、今回のユニバーサルデザインの授業は教科書内容という1をうまく活用することができたかもしれません。

次回予告

長くなってしまいましたので、今回はこのへんで。
次回は2時間目以降の授業について記事にします。
授業で使った教材データも掲載予定ですので、また見ていただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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渡部 諒
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