『染色』(桃萌)

誰が手を離したのだろう

型取られた感情と形容されない言葉

夏と冬が共存しないように

秩序だけが線引くのは空虚か

気まぐれは流動か


氷を咀嚼できない古い傷の痛み

欠伸を噛み殺したまま食いしばった歯

舌を怠惰で醜い曲線にする


目を逸らしたいほどの眩しさ

瞳を差すことで、あなたは手を離した

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