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定年後の夫とふたり暮らし⑥〜暮らしのリズムはごみカレンダー頼り

今月、晴れて夫が完全退職した。
もう目覚ましはかけない。
毎日が日曜日である。(この表現古いよね〜笑)

毎日が日曜日だから、予定がない日が続いて気を抜くと今日が何日なのか、何曜日なのかわからなくなる。

ごみ出しは昔から夫の役目なので、夫のアタマの中にはかろうじてごみカレンダーが入っている。
月曜日と木曜日は可燃ごみの日。(わたしたちは「生ごみの日」と言っている)
火曜日はプラスチックごみの日。
水曜日は隔週で、金属ガラスの日と紙ごみの日。
金曜日も隔週で、ペットボトルの日と埋め立てごみの日。

朝目を覚ますと、夫が開口一番に「今日は生ごみの日だよ」という。ごみをひとつにまとめて玄関まで運ぶのはわたしの役目。
そして、一日が始まる。

「今日は生ごみの日だから月曜日」「今日は火曜日だからプラスチックごみの日」
こんなふうにして、1週間をごみの日で覚えてリズムをつくっていく。
ごみカレンダー頼りの日々である。

ところが、である。

生ごみの日には、45リットルのポリ袋がほぼいっぱいになるのだが、ある時なぜか生ごみが少ない日があった。
それでかどうかわからないが、ふたりともすっかり生ごみの日を忘れていて、その日の夕方に
あれ?今日生ごみの日だった?と気づいたことがある。

生ごみの日を忘れるなんて!しかもふたりとも!!!

その時はさすがにふたりとも静かに落ち込んだ。口数が少なくなった。
会話はないが、お互いの考えていることが同じだとわかる。
「こんなに暑い夏に(腐りやすい)生ごみの日を忘れるなんて!(情けなすぎる(◎_◎;)」

それから、わたしはキッチンの壁掛けのカレンダーにわかる限りの予定を書き込むことにした。
(その昔読んだ『博士の愛した数式』というベストセラー小説を思い出す。あの小説はフィクションとして若い時に読むもので、今読むとリアルすぎて切なくなると思う)

まだまだ若いと思っていても、少しずつ歳を重ねていく。それを受け入れながら、それでも少しは抵抗しながら暮らしていく。
そんな日々である。

それでも、そんな暮らしにもいいことはある。
お互いが若い頃は、まだまだ自分の体力や記憶力に自信があるから、お互いのミスや失敗が見過ごせなかった。

でも、この歳になるとふたりとも同じように歳を重ねているので、相手のミスや失敗に寛大になれる。
夫が、スーパーに買い物に行って頼んだものを忘れて帰ってきてもわたしは責めない。わたしにもよくあることだから。逆もしかり。

わたしから見ると、夫はすごく丸くなったと思う。(昔はよく責められていた)
もう、わたしは失敗しても怒られなくなった。それどころかフォローしてくれる。
ま、それもまた少し寂しい。

歳を重ねないとわからないことはたくさんある。
わたしたちは若い頃より仲良くなったかもしれない。

今日はなんだか寂しい話題になりましたが、これもまた現実です。(綾小路きみまろさんの世界はリアルです!)
同じ世代の皆さま、いかがですか?


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