見出し画像

定年後の夫とふたり暮らし③〜断捨離のタイミング(後編)

前回の続きです。

お気に入りのギターを見つけた夫。
楽器屋に実物を見に行って試奏して帰って来た夫のアタマの中はそのギターでいっぱい。ギターを試奏して帰って来た夫のアタマの中はぐるぐる考え始めている。
さてどうするかな?

わたしは、彼はきっとそのギターを買うだろうと思っていたし、自分の大好きなモノにお金を使うのはいちばんいい使い方だとも思っている。
明日楽器屋に行って買ってくればいい。
そう思っていた。

またここで話がちょっと逸れるが、
我が家にはもう使ってない夫の真空管アンプがある。(他に使っているアンプが2こある)
大きくて重くてやたら場所を取る。
わたしはもうずっと前から「このアンプ使わないのなら処分して欲しい」と伝えていた。でもなかなか夫の重い腰は上がらなかった。思い入れがあるのかなと思っていた。

ところが、そのアンプを「売るよ!」と言う。アンプを売って新しいギターの代金にしようとしているらしい。

どこに売るのか?
今までも知り合いに言ってみたり、楽器屋に聞いてみたりしたことはあるけどうまくいかなかった。

でも、今回、夫はすぐにネットで楽器の買取業者を見つけて、(メールやネットで査定したりせずに)直接電話をかけた。関東の業者だったけど、たまたまその日に営業の人がうちの地域(四国だよ!)に来ているということで、2時間後には、アンプを見にやって来た。(早い!)
結果アンプは二束三文だったが、もう使ってないギターも売るというと、すぐに値段を提示してくれた。
ここでギター代金の半額ができた!

わたしは部屋の中で場所をとるアンプが売れて嬉しかった。それと同時に、こんなふうにギターのお金をつくっていく過程がとても興味深かった。

それで終わりかと思っていたら、今度は「時計を売ろうかな」と言う。
わたしはちょっとびっくりした。
夫の売ろうとしている時計はオメガのシーマスターのなんとかモデルで夫がとても気に入っていたものだったから、それを売ると聞いて驚いた。
よく聞いてみると、それは仕事の時に使っていたもので退職したらもう付ける機会がない。演奏の時はじゃまになるということらしい。

へー!時計ってどこで買ってくれるの?
スマホを検索していると「カメラのキタムラ」で買取をしているらしい。わたしたちはすぐに時計を持って近くのカメラのキタムラに行った。

査定にしばらく時間がかかったが、時計のケースや付属品が揃っていたこともあって、なんと!買った時よりも高く買い取ってもらえた!

その日のうちに、ン十万するギターの代金ができた!(この日の夫の行動の速さと、物事がスイスイ進むのには驚かされた)

そして、翌日、夫はそのお気に入りのギターを、手持ちのお金に手をつけることなく手に入れた。夫がギターを見つけてからほんの数日の出来事である。

一連の夫の行動を見ていて、わたしはまた彼の新しい一面を発見することができた!
もともとモノに執着する人ではないと思っていたけれど、今回、不要なアンプとギターに加えて腕時計も手放すとは!

彼にとって、その腕時計はスーツと同じく仕事の道具に過ぎなかったのだ。(けれどその時計をとても気に入っていたのも知っている)
仕事の時はその仕事に適した自分のお気に入りのモノを身につけるけれど、退職したあとは、また退職後の新しい暮らしに適したモノを使う。
そんな考え方の人なんだなと、また新しい発見があった!

今回は、今欲しいギターを手に入れると同時に、もう必要がなくなったモノたちも手放すことができた。一石二鳥だ!

断捨離の話から逸れてしまったが、夫の行動を見ていると、断捨離とはただやみくもにモノを捨てるということではなくて、今の暮らしに必要なくなったモノを手放して、今必要なモノを迎え入れる。そして、今の快適な暮らしをつくっていくということなのかもしれないと思う。
(焦点が「今」にある)

そう考えると、人生の中で、わたしたちの暮らし方が大きく変わっていく今この時期はモノを整理する絶好のタイミングなんだな。

わたしなぞは、snsに流れてくる断捨離ビジネスに流されて、年がら年中「捨てなくては!片付けなくては!」と思っているけれど、夫は人生の変わり目を逃さず捉えて動いているんだと思う。

このお片付けモードはもう少し続きそうです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?