その片道切符が追い風に揺れた今日は花マルだね
2023年1月10日、彼らの音楽にどうしようもなく惹かれて追いかけ始めてから約5年、初のUNISON SQUARE GARDENのワンマンライブに参戦してきた。
全細胞でユニゾンの音楽を浴び、ライブ後落ち込むくらいな最高で何にも変え難い時間を過ごすことができた。
今回のセトリの中で「春が来てぼくら」があまりにも、あまりにも美しく優しく、柔らかな光を放っていた。乱文で申し訳ないが、この感情をできるだけ忘れずに書き留めたいと思い、このnote を書いている。
最新曲の「カオスが極まる」を燃え盛る火をバックにとんでもない覇気で歌い圧倒された直後にピンク色のスポットライトの下1人照らされた斎藤宏介(敬称略)がアカペラで歌いはじめた。瞬間、会場の空気が混沌からこの瞬間を逃すまいとその一点に張り詰める。
だんだんと目の前で起こっている事象が理解できてくる。私は言語化できない気持ちが大きく膨らむのを感じていた。色で言えば黄色とピンクに少し青が足されたような感情。訳もわからず胸がいっぱいになる。
私はもう一生同じ教室で同じ授業が受けられないことにどうしようもない悲しみと、限られていた時間だったからこその愛しさと、またそれらと同じくらいにこれからの新生活へこれまでにない期待と不安を感じた高校の卒業式を思い出していた。もう引き返せないという空気を感じ、自分で選んだ進路を、それがきっと正しいと信じて、数えきれない回数通った校門を振り返らずに出たあの日を。
そしてその日から今までの日々で、期待した通りだったこと、違ったこと、上手くいかなかったこと、楽しかったこと、大切にしたいこと、思い出したくないくらい不甲斐ないこと。感情が混ざる。涙が溢れる。
(このフレーズの中で特に「間違って」の歌い方がその不確かな選択も未来も信じる気持ちが込められているような気がした)
「花丸だね」このフレーズが貴雄のドラムと合わさった瞬間全てが肯定された気がした。
花丸なんて気付いたら言われなくなっていた。自分で自分を褒めることだって前よりほんの少しはできるようになったけど、私を肯定してくれて有難う、UNISON SQUARE GARDEN。
人生はいつだって選択で、毎日が分岐点。迷い悩みながら一つだけを選んできて、これからも選んでいく。どんな選択もきっとその先に希望はあって、間違いなんかないはず。あとから振り返ればもっとよく出来たこともあるかもしれない。でもその時の自分が選んだ答えなんだから、私たちはそれを正解にするために生きていくのだろう。 そんな全てを肯定してくれる大きな優しさを歌ったこの曲があることがどんなに救いか。
一音一音が優しくて、この空間全てが尊くて、有り難くて、綺麗で、音楽の力の結晶のようなこの瞬間を絶対に忘れたくない。
出会えて本当に良かった。
絶対に生きて、また音楽と自分だけの空間に行くと約束して。