【CL2023 横浜使用】耐久型アルセウスそらピカ 解説
アローラ!あねもね!です。
今回は9月17、18日に行われたチャンピオンズリーグ2023 横浜 (CL横浜)にて使用したデッキ「アルセウスそらピカ✈️」について解説したいと思います。
自分の中では納得した60枚のデッキを組めたと思っていましたが、結果は3-3でした。振り返ってみると甘かった点がいっぱいあったのであとがきも含めて一読頂けたらと思います。
1.環境考察
まずは環境考察です。基本的には前回の記事にて行っているので、前回の記事との相違点。意識したポイントについて記載したいと思います。
▽前回の記事はコチラから
▪︎CL横浜 tier予想 (更新ver)
tier =数の多さで認識しています。
環境を総括すると、パルキアVSTARとギラティナVSTAR。次点にアルセウスVSTARがシェアを占める【VSTAR環境】であること。
その次にミュウVMAXやキュレムVMAXなどの【VMAX】。最後にレジギガスやロストバレットなどのパワーのある【非エク】が位置していると考えました。
2.デッキ選択
今回デッキ選択としては大まかに3つの選択肢で悩みました。
【パルキア】に関してはある程度練度があって、デッキ自体のパワーもあるので選択肢として持ちつつ、①のアルセウスそらピカをに詰めていく方向でした。
3.プラスアルファ
ということで、アルセウスVSTAR+そらをとぶピカチュウVMAXの相方となるもう1匹のポケモンを探すことにしました。
アルセウスそらピカは【パルキアVSTAR】と【レジギガス】、【ロストバレット】には有利を取れる印象でしたが、ギラティナVSTAR対面が少し厳しいという認識です。《ミュウVMAX》に関しては《頂への雪道》+《マリィ》で事故を誘発させるプラン。または《ドラピオンV》でサイドを詰めていくプランの2通りあると考えました。
兎に角、VSTARに強いアタッカーか戦術が必要であるという結論に至りました。
そして、カードリストや環境デッキと睨めっこしながら見つけたアタッカーが以下の3種です。(デッキタイプは4種)
順に説明したいと思います。
まず、①のメタモンVMAXに関してですが、
高い耐久性と縛られない必要エネルギー、《メタモンV》の特性が魅力であると感じました。【ギラティナ】対面を想像したときにこちらは「ロストインパクト」を受け流しつつ、相手を「ダイヘンシン」でワンパンする戦い方は画期的ではないかと考えたのです。
試作していた構築はこのような構築です。
結果的には以下のような点がデメリットであると感じて没デッキになりました。
次に②のギラティナVSTARに関してですが、
《ギラティナVSTAR》は打点280と対VSTAR性能が素晴らしく高いポケモンです。
構築ベースとしてはアルセウスVSTAR+ギラティナVSTARの形にそらをとぶピカチュウVMAXを差し込む形となります。
このような構築を作成して試行錯誤していました。
先ほどの候補であった《メタモンVMAX》ラインのときも言えるのですが、
アルセウス+ピカチュウ+ビーダル+進化ラインを構築として成り立たせるのはかなり難しく、特にギラティナVSTARは2エネ要求なのでハードルが高く、ビーダルもしくはピカチュウ、メタカードのいずれかを削る構築になりました。
また、ビーダルをデッキから削ってしまうとどうしても試合の途中に《クロバットV》や《ネオラントV》に頼ることが増えて負けに繋がることも多かった印象です。
《そらをとぶピカチュウVMAX》のラインを1-1にする案も考えましたが、ピカチュウを強く使えないと判断しました。
続いて、③のかがやくリザードンです。
構築はコチラです。
《かがやくリザードン》はベルト込み280を出すことができて、とても環境に合っているポケモンだと思います。
今大会で多くなると予想される《Vガードエネルギー》や《かがやくサーナイト》を採用した耐久構築も貫通できる点が魅力です。
《大きなおまもり》で確定数がズレる点がネックですが、《ロストスイーパー》の採用によって解消できると考えました。
《かがやくリザードン》自体が終盤の起動になる点や《頂への雪道》が採用できない点が弱みという認識です。
デッキの使用感はかなりよかったので、最終候補デッキの1つでした。
最後に④のサブアタッカーなしです。
構築はコチラです。
不純物をなるべく抜いて耐久+雪道マリィでの妨害に特化した構築です。このデッキはコンセプトが強いの一言につきます。
VSTAR対面ワンパンはできませんが、相手視点もワンパンは出来ず2パンラインで殴り合う形になります。
こちらもデッキ自体の使用感がよく、最終候補のデッキの1つでした。
4.実際に使用したレシピ
こちらが今回使用した構築になります。
デッキコード:VkkFFd-UyXW2Q-wFF5bd
ここからは採用カードの説明です。
【ポケモン】
・アルセウスV-VSTAR(4-3)
▷デッキのメインアタッカー。ほとんどの対面でアルセウスVSTARを2〜3枚使うので4-3で採用しています。
《そらをとぶピカチュウVMAX》がサブアタッカーに控えている点やサイド落ち以外はほとんど自分の手札をコントロールできるので、VSTARは3枚で落ち着いています。
・そらをとぶピカチュウV-VMAX(2-2)
▷デッキのサブアタッカー。主に【パルキア】、【レジギガス】、【ロストバレット】の対面で意識的に使用しますが、
VMAXの耐久値が偉いので大体の対面で1体は使用します。
上記の対面で最低1体、あわよくば2面準備したいので2-2での採用です。
・ビッパ、ビーダル(2-2)
▷デッキのシステムポケモン。【パルキア】対面ではベンチの数=火力になるので序盤は展開を渋ったりしますが、基本的には1体、あわよくば2体準備したいポケモンです。
相手の《マリィ》や《ツツジ》などの手札干渉からの復帰はもちろん、試合を通してドローを進めてくれる役割を持ちます。
ビーダルを強く使えるよう、サポート以外はなるべく消費しやすいカードの採用を心掛けました。
・クロバットV(1)
▷デッキのシステムポケモン。
基本的には1ターン目でアルセウス+手貼りができないときの走る札。詰めのタイミングで勝ちになるカードを探すときの走る札で採用しています。
強い盤面を作って耐えることがコンセプトなので、できる限りプレイは控えます。
・かがやくサーナイト(1)
▷【ギラティナ】などを意識したメタカード。
《Vガードエネルギー》や《大きなおまもり》と合わせて押し付けて相手の「ロストインパクト」を耐えれるようにします。
・バケッチャ(1)
▷《頂への雪道》に対するメタカード。
スターバース言えなかったら盤面が整わないor負ける試合があるので解決札として採用してます。
【グッズ】
・クイックボール、ハイパーボール、しんかのおこう(4-4-1)
▷ボール系統各種。元々はクイックとハイパーの4-4で回していましたが、《しんかのおこう》入れた方がいいよとのことで1枚採用。
《アルセウスVSTAR》の4枚目という認識で採用してます。
・ポケモン入れ替え(2)
▷入れ替え札。基本的には2ターン目に《アルセウスVSTAR》をバトル場に着地させたい時に使うカードです。
1-2で悩みましたがサイド落ちを考慮して2枚にしました。「ブリザードバインド」などの回答にもなります。
・大きなおまもり(2)
▷ポケモンのどうぐ。基本的には《アルセウスVSTAR》や《そらをとぶピカチュウVMAX》に貼って耐久をあげます。コンセプトカード。
・こだわりベルト(1)
▷ポケモンのどうぐ。めちゃくちゃ入れようか悩んだけど練習のときに欲しい場面多すぎたので採用。他のデッキのベルトと違って、○○のときに○○打点!!といった強みがないので言語化難しいですが、欲しかったので入れました。ダブルターボなし「トリニティノヴァ」が230打点出たりとか強いです。
・ビッグパラソル(1)
▷ポケモンのどうぐ。役割対象は「スターレクイエム」「ロストマイン」「ブリザードバインド」など。《そらをとぶピカチュウVMAX》でしっかりメタを通せるよう採用しました。
【サポート】
・マリィ (4)
▷デッキのコンセプトカード。雪道マリィは最強なのです。相手が事故っていて、自分が最低限の動き取れていたらドロサボ打たないときもあります。
・セレナ (2)
▷ドロサポと相手の裏を呼べる札。今の環境まじでこのカードが強いです。
・博士の研究(1)
▷最強のドローサポート。「スターバース」から全力出せる選択肢があった方がいいとのことで採用。
・ボスの指令(1)
▷相手の裏を呼べる札。基本的にVを取りたい場面が多いので《セレナ》と合わせて2回程度使えたらいいかなという評価です。
・チェレンの気くばり (2)
▷実質的な回復札。先手後手を入れ替えたり捲り札として採用しています。
ほぼ直接持ってこれないので、試合中1回打ちたいと考えて2枠取りました。
・キバナ(1)
▷エネ加速札。エネついた《アルセウスV》を2ターン目に取られたときのケアカードです。練習中はそういった場面が少なかったのですが、用心するに越したことはないので採用。使うときは「スターバース」で持ってきます。
【スタジアム】
・頂への雪道 (3)
▷コンセプトカード。最大枚数の4枚入れたい気持ちもありますが、3枚で強く使えた試合・場面が多かったので3枚にしています。
【エネルギー】
・ダブルターボエネルギー(4)
▷最強のエネルギー。これに触らないと始まらないので最大枚数の4枚です。
・基本雷エネルギー(6)
▷基本雷エネルギー。ダブルターボとこのカードの枚数を決めてから他の特殊エネルギーの配分を決めました。
元々は5枚でしたが、6枚に変更しました。
(キャプチャーout)
・Vガードエネルギー(3)
▷コンセプトカード。Vガード3枚目とパワフルどちらにしようか悩みましたがこの配分にしました。
【採用検討カード】
・ガラルジグザグマ
▷パンプの役割を持つポケモン。《アルセウスVSTAR》がダブルターボ込みでも220のラインを見れるようになります。
デッキの都合上、スタートしたり無闇にポケモンを出すのは弱いので不採用です。
・ネオラントV
▷システムポケモン。フィニッシュカードとしての能力は高いが、それ以外はHP180のデメリットが大きいと感じたので不採用。
環境のデッキに《やまびこホーン》の採用が一定数あったり、《ビーダル》で引くときに捨てにくい札という点もマイナスポイント。
《クロバットV》は無いとどうしようもない盤面が多いけど、ネオラントVはなくてもなんとかなる評価です。
・ルージュラ
▷非エクアタッカー。ダブルターボと相性が良く2パンがメインのこのデッキとも相性が良いです。入れない理由もありませんが、入れる理由も思いつかなったので不採用。
・ドラピオンV
▷【ミュウ】に対するメタカード。
スタートしたら渋かったりと入れるか大変悩みましたが、雪道マリィでターンを作れることを信じて不採用。
・キャプチャーエネルギー
▷器用に使えるカード。初手《アルセウスV》に貼れたら強いけど、他に貼ってる時点で2ターン目の「トリニティノヴァ」が言えないことが確定するので他の特殊エネルギーを優先しようと判断しました。
2ターン目の「トリニティノヴァ」のエネルギー要求が1エネのときにベンチ広げながらエネルギー満たせるのは強み。
・パワフル無色エネルギー
▷上振れカード。ダブルターボとベルト、パワフル無色ついた「トリニティノヴァ」が230。基本エネとパワフル無色付いた「トリニティノヴァ」が220で主な役割ラインになります。Vガード多く積んだ方がコンセプト通しやすいと判断したので不採用に。
5.定石
次にこのデッキの基本となる動きの紹介です。
1ターン目はアルセウスVをベンチに出して手張りすることを目指します。
盤面が弱くなってしまいますが、難しい場合は《クロバットV》を使用して死ぬ気で引きにいきます。死ぬ気の零地点突破。
2ターン目はアルセウスVの進化、トリニティノヴァの宣言を目指します。
できれば裏にエネ加速先ポケモンやシステムポケモンとなる《ビッパ》など置きたいですが、前のアルセウスVSTARが耐える盤面であれば最悪1ターン遅れてもいいという認識です。
あとは盤面を作って殴り合います。終。
アルセウス系統は良くも悪くもシンプルな動きに強さがあるので順当な殴り合いを目指す形になります。
全対面通して意識している点としては以下の3点です。
強い盤面作り、相手への高い要求値を目指して徹底した盤面作りを心がけました。
6.各対面でのポイント
ここからは各対面でのポイントについて解説していきたいと思います。
①パルキアVSTAR
《そらをとぶピカチュウVMAX》が強く使える対面。基本的にはこちらのベンチは2〜3匹前後を保って盤面を作ります。
中盤-後半に「ツツジ」が飛んでくる相手なので《ビーダル》は1面置きたいですが、盤面さえ作れていればベンチ絞ってる方が楽に戦えると思います。
序盤に《頂への雪道》を貼れると相手の《かがやくゲッコウガ》が止まって手札が細くなりがち。有利対面という認識です。
②ギラティナ(ロスト)
自分の《アルセウスVSTAR》がロストインパクト280でなるべくワンパンされないような盤面作りを意識します。
序盤は相手の《ネオラントV》が止まる可能性があるので《頂への雪道》は使用しますが、中盤以降は《かがやくサーナイト》の特性を通したいので握っていてもプレイしないことが多いです。
Vポケモンで殴り合ったとき、先手の場合1回。後手の場合2回自分のポケモンが倒されないターンを作れると殴り合いを制することができると思っています。実際は《ウッウ》などが絡んできてズレるので、自分の必要ターン数と相手の必要ターン数を把握しながら戦います。少ししんどい相手。
③ギラティナ(アルセウス)
基本的にはロスト軸ギラティナVSTARと同じですが、相手が「トリニティノヴァ」から入ってくる点と《頂への雪道》をプレイしてくることが相違点です。相手の「トリニティノヴァ」のターンはなるべく《そらをとぶピカチュウV》や《クロバットV》は場に置かず、サイドを取れないターンを作り出します。
可能であれば《Vガードエネルギー》や《大きなおまもり》のような耐久を上げるカードは2匹目以降のアタッカーに回せると有利に立ち回ることができます。《そらをとぶピカチュウVMAX》がほぼほぼ相手の攻撃を耐えてくれるので、中盤以降準備できるなら置きたいところです。(可能であれば、先2に完成させておくと良。)ロスト軸よりは戦いやすい相手です。
④うらこうさくアルセウス
似たようなデッキコンセプトですが、相手の方が回ったときの再現度は高いので《頂への雪道》と《マリィ》を組み合わせて止まっていただきます。
基本先手有利ですが、相手には《ともだちてちょう》の採用があるので《チェレンの気くばり》での殴り合いは不利だと考えています。
⑤ミュウ
雪道マリィ!雪道!雪道マリィ!!!
おねがーーーーい。
⑥キュレム
雪道マリィ!雪道!雪道マリィ!!!
おねがーーーーい。
⑦レジギガス
《そらをとぶピカチュウVMAX》が強く使える対面。《あなぬけのヒモ》+《ボスの指令》や《ブリザードバインド》の抜け道があるので、理想としてはそらピカ単騎で《ビッグパラソル》の盤面を作りたいです。
レジは少し初動が遅めなので、無理に盤面を広げず確実に盤面を作りましょう。
アルセ→ピカ→ピカ(パラソル持ち)が理想の押し付け方になると思います。
⑧ロストバレット
基本的には【レジギガス】と近いですが、
後1から「スピットシュート」が飛んでくることや《あなぬけの紐》が多投されていること、「ロストマイン」の選択肢など【レジギガス】よりはそらピカへの回答札が多い印象です。
相手のサブアタッカーの採用にもよりますが、《アルセウスVSTAR》を取るのに2パン必要なイメージなので、場合によっては《チェレンの気くばり》を絡ませながら普通に殴り合っても勝てる印象です。
この対面も理想としてはそらピカ単騎で《ビッグパラソル》の盤面作りになります。
⑨ゾロアークVSTAR
《頂への雪道》や《マリィ》を絡めながら相手の要求を上げて2パン勝負に持ち込みたい対面です。
こちらはほとんど2パンに対して相手は上振れで1パンチャンスがあるので不利寄りな対面といった印象です。
こちら視点は《ゾロアークV》のHPが210なのでワンパンチャンスがあったりと不利の中にも逆転の要素あります。
⑩ミラー
あまり考慮していませんが、《アルセウスVSTAR》で殴り続けるのが無難だと思います。相手のサブアタッカーである《ヒスイジュナイパーV》や《ギラティナV》がベンチに並んだら、《そらをとぶピカチュウVMAX》を準備しつつ相手のそらピカを狩るとターンを作りやすいのかなと思います。
7.実際のマッチング
折角なので、当日のマッチングについても振り返りたいと思います。
・1戦目 リーフィアロスト軸ギラティナ 負け
相手に先行を取られました。先1で《リーフィアV》の特性によってギラティナVに2エネがつきました。後1にアルセウスVを準備するも先2で「ロストインパクト」を打たれ、そのまま押し切られて負け。
・2戦目 レジギガス 勝ち
相手に先行を取られました。お互いスローな展開でしたが、《ビッグパラソル》を付けた《そらをとぶピカチュウVMAX》を通せて勝ち。
・3戦目 ロストギラティナ 負け
先行を取れたもののアルセウス置けず手張りも出来ず。相手は後1からしっかりロストをためる動きが取れて後2から起動。ずるずると攻められて負け。
・4戦目 パルキア 勝ち
マリィで相手が窮屈になって勝ち。終始こちらのペースでした。
・5戦目 ミュウ 勝ち
先2「メロディアスエコー」でサイド先行されたものの、試合を通して《頂きへの雪道》を押し付けることができて勝ち。
《チェレンの気くばり》がしっかりと噛み合ったマッチング。
・6戦目 ゾロアーク 負け
前の高耐久はかわされつつ、綺麗に取れるサイドを取られて負け。
8.あとがき
ここまで読んで頂きありがとうございました。今回は使用率の高そうな【パルキア】を強くみながら、他の対面にも対応できるこのデッキを選択しました。
後攻を取ったり、高火力系のマッチング対面が多かったりと運がよくなかったのは確かですが、僕の【ギラティナ】の安定性(ロストインパクトまでの要求値)への認識のズレがあったのは確かで、結果として良いデッキ選択ではなかったのかなと反省しています。
デッキ候補にも上がっていた《かがやくリザードン》というタッチは今のVSTAR環境にもかなり合っているポケモンなのでそこからデッキ選択を行うべきであったと思います。
今シーズンは始まったばかりなので、気持ちを切り替えてCL・シティリーグなどで結果を出せるよう、納得のいくデッキを作成したいと思います。ではでは。