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記念日のはなし

11月7日。
それは周りの人たちにとってはなんでもない日。
でも私たち家族にとってはとても大事な日。
そういう日ってありますよね?家族の中ではとても大事な日で、その日付がキラキラして見えるのに、きっと私たち以外の人たちはいつもの日常でいつものなんの当たり障りのない日。7日にデートを入れる人もいれば、家族で出かける人、友達と遊ぶ予定を入れる人もいる。こういうように、皆同じ時を過ごしているのに、その人によってその日の過ごし方が変わってくる。当たり前なのになんだか不思議に感じませんか?

前おきが長くなったけど、11月7日は私たち家族の特別な日。
色々な“偶然“が重なって特別な日になった。
まず11月7日は父の誕生日だ。まあこれが特別な日になるのは当たり前。が、しかし、ここに結婚記念日が重なったらどうだろう?それだけで少し違う“特別な日“になり得るだろう。23年前のこの日に両親が結婚していなければ私は存在していないわけで、もしかしたら違う家庭に生まれてたかも知れないわけで…そう考えると素直にすごいなと思う。
そして三個目は、四本足で歩く小さな友達の誕生日。

 ここで少しうちの四本足の小さな友達について話そうと思う。
うちには9年前から小さな友達が一緒に住んでいる。名前はキャラメルともなか。
キャラメルの方が友達歴は長い。何せうちの家族初の四本足の子だから。

出会いはとあるお店でだった。
父と母が2人でそのお店に入った時だった。ふと目に止まったのがキャラメル。
そのお店にはたくさんの四本足の子がいて、どの子も同様に小さくて可愛い。そして生まれたばかりだった。それなのに、キャラメルだけはどの子よりも大きくて、成長していた。父と母の頭にある言葉が思い浮かんだ。

────────「売れ残り」。

特別大きくて値段が安い。それだけで人は家族にするのをやめてしまうらしい。
母と父は何に引かれたのか、彼をまじまじと見つめた。そして彼の生年月日を見た時。運命だと思ったそうだ。それからの話は早くて、すぐに家族会議にかけられた。
結果は皆了承。すぐに彼を迎えに行って家族にした。そして彼は瞬く間に私たち家族の中心になった。言葉を喋らない彼が快適に暮らせるように夏は冷房がつけっぱなしになった。彼のためのおもちゃも増えた。みんなが彼のために家に早く帰るようになった。

こうして家族になって9年目の今日、彼はあの時とは見違えるほど愛らしくなって過ごしている。例えるなら、アイドルがグループを卒業した後可愛くなったり、綺麗になったりするソレ。

そして、そのわずか一年後にもなかも仲間に加わった。仲良くなれたらいいと思って家族にしたのだが、どうも波長が合わないのか2人の仲は本当の兄妹の年子みたいに悪い。
臆病でちょっと鈍臭いキャラメルに対してもなかはどっちかというと気が強くて内弁慶。でもそれの全てが愛おしくて永遠に彼らが存在すればいいのにと年を重ねるごとに思うのだ。
これらが重なってトリプルアニバーサリーとなった11月7日は私たちにとって特別で忘れられない日だ。私はきっと将来、彼氏ができて結婚してもこの数字は絶対に忘れないだろう。そして、私も愛する人とそんな記念日を作りたいなと思っていたりもする。


私たち家族がこの子たちに出会えたこと、父と母が出会って結婚したこと、父が生まれてきたことすべてが運命という線の上で繋がっているのなら、運命とやらを信じてみてもいい気がする。

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