採用の決め手は格闘技
日本でタイ国内の就職を目指していた頃、採用の可能性がありそうなところに片っ端から履歴書を送っていました。メールではなく郵送で送っていた記憶が…。時代を感じます(笑)
封筒の中には一般的な履歴書の他に、志望動機を書いたお手紙みたいなやつも一緒にいれていました。しかも手書きのやつです。真剣な想いを伝えるには手書き!と何かの指南書に書いてあったので、そうしていたんだと思います。
そのお手紙には、今まで自分が取り組んできたことを熱く書き記しておりました。そう、直前まで取り組んでいた格闘技をどんな気持ちで、そしてどんな結果を出して来たのかを熱く熱く書き綴っていたんです。
格闘技はマジで本気で死ぬ気で(死にかけたことも何度か…)やっていたし、格闘技をやり切ったから次に進めるんだという強い思いがあったので。
しかし、そんな思いもむなしく、その時点ではどの会社からもお声は掛かりませんでした。面接までいったところもあったんですが、「格闘技経験?それが何?」みたいな反応で、すごくショックだったことを覚えています。
そしてこんなことも言われました。格闘技なんて、仕事に直接関係ないことを履歴書に書いても何の役にも立たないよ、と。
なんだか今までやってきたことを全否定されたような気持ちになって、これまで頑張ってきた時間は何だったんだろうと落ち込みました。
(海外就職するために格闘技をやってた訳ではないんですけどね…)
結局日本での就活は上手くいかず、タイ現地で直接勝負をすることを決め、タイに飛びました。タイでの就活は人材紹介会社を介して行ったので、その会社のフォーマットに従って書類を作成しました。なので、あの熱いお気持ちを書いたお手紙は無しです。そして、ついに本命だ!と思える会社との面接を設定していただき、ここがダメなら一旦日本に帰るか…と覚悟しながら面接に向かいました。
当日の面接官は2名。現地法人の社長と部長で、履歴書を見つめていた部長が「ねえ、柔術って何?」とたずねてきました。
実は、自分の履歴書から格闘技歴を削除してしまうのがどうしても嫌で、履歴書の資格・その他の欄の端っこに「柔術青帯」とだけ書いておいたんです。それを部長(後々かなりお世話になる方)が目ざとく見つけてくれたんですね。
そこから柔術とは何ぞやとかプロの格闘家として活動していた話になり、「根性ありそうじゃん!」(←本当にこう言った)とあっという間に採用が決まりました。
役に立たないと言われた格闘技経験が、まさか採用の決め手になるとは思いませんでした。
採用後には度々ネタとして扱われましたが(笑)おかげさまで「ああ、格闘技のアネゴさんね」といろんな方に覚えてもらえたし、かわいがっていただけたので良かったです。
ということで、本日のつぶやきを3行にまとめると
・役に立たない過去(経験)は無い
・とりあえずやってきたことは全部書いとけ
・頑張ったことは誇っていいんだよ!
です。
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