読経のリズムにハマる娘
こんなことを書くと年齢が推測されそうだが、今年は本厄の年である。
我が家では、私が1歳の頃から毎年三が日のうちに神社を訪れ、新しい一年が良い年になるよう御祈祷を受けている。子供が生まれる前までは、厳かな気持ちで感謝しながら読経を聴いていた。
子供が生まれてから昨年までは、御祈祷中に娘がぐずらないかと気を揉みつつも、厳粛な雰囲気を大切にしていた。
しかし、今年は少し違った時間となった。本厄の厄除けを含めた御祈祷を受けている最中、横で何やら大きな動きがある。娘が怖がっているのかと目を開けると、なんと木魚のリズムに合わせて娘がヘッドバンギングをしているではないか。その光景があまりにおかしく、私は「止めるべきか」「止める声が読経の妨げにならないか」「楽しそうなのに止める必要があるのか」など、瞬時にさまざまな考えが頭をよぎった。
幸い、その場には我が家族だけだったため、静かに娘を見守ることにしたが、結局読経にはまったく集中できなかった。
これは極端な一例だが、「読経=厳粛に聴くもの」という常識や先入観がないからこそ、リズムに乗って楽しむという行動ができるのだろう。常識に囚われがちな私に、いつも新たな視点を与えてくれる娘には、元旦早々驚かされた2025年であった。
ちなみに娘は読経のリズムが気に入ったらしく、日常会話を読経風に喋るという妙技まで披露し、家族を楽しませている。