「ウイルス感染の偽警告」に注意! 役所や企業だけでなく、国際的な詐欺集団にあなたも狙われています。
昨日、いつものようにブログを作成していたら、突然、「Microsoft Windows ウイルス警告! コンピュータウイルスの『トロイの木馬に感染』」と表示されました。大音量で警告音がなり、女性の声で、「シャットダウンすると、パソコン内部の情報がブロックされますのでシャットダウンしないで、Windowsサポートに電話してください」との音声が繰り返し流されました。
パソコン画面は固定されてしまい、どうしても閉じられない。シャットダウンしてしまって、パソコン内部の情報がブロックされると困るなと思い、指定された電話番号に固定電話から電話をしてみました。市外局番が「0101」から始まる番号でした。後で調べてみたら、アメリカかカナダの可能性が高いとのことでした。
電話にでたのは、東南アジア系か、中国系と思われる外国人で、片言の日本語しか喋れず、何を言っているのかよくわかりません。コールセンターのようで、忙しそうにしていて、背景にも電話を受けている声が聞こえました。「Microsoft社です。インターネットバンキングをやっているか、楽天カードを持っているか」と聞いてきます。「トロイの木馬の感染を除去するのに6万円かかる」と言うので、「そんな金はない」と、こちらから電話を切りました。これは詐欺だと確信して、パソコンを強制シャットダウンしました。
落ち着いて考えてみると、「セキュリティソフト・マカフィー」を入れているので、もしウイルスの侵入があればマカフィーが警告してくるはずです。パソコンを強制シャットダウンした後、再び立ち上げ、異常がないことを確認し、そのうえで、マカフィーでウイルスチェックを行い、ウイルスの侵入がないことを再確認しました。
一瞬、冷静さを失って、偽の警告に従って、国際的な詐欺集団のアジトに電話をかけてしまったことが反省点です。被害は、国際電話料金と私の個人情報として固定電話の電話番号が知られてしまったことです。
サイバー攻撃は、役所や企業などを標的にネットワーク経由で情報を盗んだり、業務を妨げたりする攻撃で、従業員が送信されてきた不可解なメールの添付資料を誤ってクリックして開くと感染してしまい、さらにほっておくと、そこから組織全体に感染が広がってしまいます。
マルウエア(悪意のあるプログラム)によって、パソコンなどに保管されているファイルを勝手に暗号化して、復旧と引き換えに金銭を要求する「ランサムウエア攻撃」や、大量のデータを送りつけてサーバーに障害を起こす「DDoS攻撃」などがあります。
今回の件は、役所や企業を狙ったものではなく、「ウイルス感染の偽警告」を使って個人を狙った詐欺の手法でしょう。上の表は、「不正アクセス禁止法」に基づき、警察庁が不正アクセス行為として被害の発生を認知した件数です。主に個人が被害にあっていると思われます。今回のウイルス感染の偽警告によって被害が発生した場合はどこに分類されるのかわかりませんが、不正アクセスによる被害は、令和5年(2023年)から急増しています。
今回の「ウイルス感染の偽警告」事件を受けての反省点ですが、パソコンを使っていると、私もいつ何時被害にあうかわからないということを実感しました。理屈ではわかっていても、一瞬、冷静さを失って慌ててしまいます。個人を狙った国際的な詐欺集団によるサイバー犯罪が、攻撃の手口が巧妙になって、年々増加傾向にあります。皆さんも、騙されないよう注意して生きていきましょう。