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長寿日本一は、神奈川県川崎市麻生区。自然環境の豊かさと、住民の健康意識の高さが主因
平均寿命の最も長い上位10市区町村
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日本の平均寿命(2020年現在、0歳の平均余命)は、全国平均では男性81.5年、女性87.6年です。これを全国1,887の市区町村別にみると、男性では、神奈川県川崎市麻生区が84.0年で最も長く、次いで神奈川県横浜市青葉区(83.9年)、長野県上伊那郡宮田村(83.4年)となっています。女性でも、神奈川県川崎市麻生区が89.2年で最も長く、次いで熊本県上益城郡益城町(89.0年)、長野県下伊那郡高森町(89.0年)となっています。
川崎市麻生区が「男女とも長寿日本一」となった背景について、麻生区のHPからみると、「都市部にありながら、緑に恵まれており、また、区民の皆さんの健康への意識が高いこと」を挙げています。
麻生区では、健康意識の高さは、これまで健康対策事業の目標としてきた3大死因の低さに表れているとしています。3大死因である悪性新生物(がんや肉腫)、 心疾患、脳血管疾患が全国に比べ群を抜いて低くなっています。
その要因として、全国の自治体が一般的に実施している健康診断やがん検診の充実といった二次予防策に加え、その前段階の一次予防策としてメタボリックシンドローム対策を展開したことで、運動習慣を含めた生活習慣の改善が図られ、そして三次予防策としての早期治療、慢性疾患の治療の継続が有効に結びついた結果と分析しています。
長寿の町に共通する特徴としては、自然環境が豊かで住みやすい環境であること、地域の食文化や食習慣、医療体制などを含めて住民の健康意識が高いこと、地域の住民同士のつながりが強く孤独感を感じにくい地域であること、などが挙げられています。