
宝くじはここ20年間売上げ減少。一等賞金額を引下げて、夢を実現する人を増やしてはどうでしょうか。



年末になると、宝くじ売り場に行列ができる。今年も「年末ジャンボ宝くじ」が売り出されました。
宝くじの公式サイトをみると、「庶民の夢として愛され、親しまれ、多くのファンをもつ宝くじの発売元は、地方自治体です。宝くじの収益金は、皆さまが毎日安全かつ安心して利用できるよう、住みよいまちづくりに役立てられています」と、宝くじの公共事業等の社会貢献の効果が強調されています。
宝くじは、歴史的にみると、夢が膨らむ中で、それとともに賞金額が大きくなってきました。一等は、1996年1億円、1999年2億円、2012年3億円、2015年7億円と引上げられ、現在では、前後賞含めて10億円と宣伝されています。
上記の図表で、売上高と、当選金や経費を差し引いた収益金の推移をみると、2005年度がピークで売上高は1兆円を超え、収益金は4,400億円程度でした。その後は減少し、2023年度では売上高8,088億円、収益金2,964億円となっています。
2023年度をみると、売上高の47%が当選金として当選者に還元されています。印刷経費・売りさばき手数料といった経費や社会貢献広報費を除いて、残りの37%が収益金として、地方自治体の公共事業等に回っています。大雑把に言えば、売上高の半分が宝くじ購入者に還元され、3分の1が公共事業等に使われていると言えます。残念ながらハズレても、自分はより地域に貢献していると考えれば、少しは慰められますね。
宝くじ公式サイトには、地方自治体別に収益金を何に使ったかが記載されています。例えば、東京都では、子育て推進交付金、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業、公園整備事業に使われ、さらにクリックしていくと具体的な資金使途を知ることができます。
これまで宝くじの売上を上げるため=魅力を引上げるために、キャッチーな一等賞金額を引上げてきたのかもしれません、しかし、その期待もむなしく、実際にはここ20年間売上は減少しています。一等賞金額を引上げても、売上げが伸びないのは何故でしょうか。
裏を返せば、一等賞金額の引上げは、当選金の還元の偏在を著しく拡大させています。10億円当たってほしいと夢をみるいいのですが、当たる確率はほぼゼロ、もし運よく10億円当たったら途方もない金額に自分がどうにかなりそうです。一等1億円以下に引下げて、多くの人が当選するようにすれば、夢を実現する人が増えて、家や車を買おうかなと現実的に考える人も多くなり、日本経済の活性化に繋がるのではないかと思うのですが。