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支持基底面と重心から見るスイープ(テイクダウン)の原理(全文無料)
今日も今日とて柔術が楽しい。今回は支持基底面と重心の話。
支持基底面と重心を知ったからと急に上手くなるわけではないですが、スイープ(テイクダウン)の解像度が上がるかもしれません。
単語の説明
支持基底面:物体を支えている面。広い方が安定する
重心位置:重さの中心。立っているときはへそ下あたり、立膝の時はみぞおちあたり
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スイープ(テイクダウン)の原理
支持基底面から重心が外に出た時に転倒します。
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へそ下(座っていたらみぞおち)の重心を支持基底面(相手のマットについている面)の外に出せばスイープ(テイクダウン)できます。
重心を支持基底面の外に出す方法
・支持基底面を固定固定する
→草刈りで足を持つ、デラヒーバで足を固定する、など
・支持基底面をなくす(浮かす)
→巴投げ、シザースイープや投げ技で足を刈る、フックスイープでかばい手を払う
・相手の力を利用する&いろんな方向へ飛ばす
→一つの方向に力で押しても相手も頑張って耐えてくる。相手が後方の崩しを耐えて前に重心をのせてきたら前方へ飛ばす。相手の力を利用していろんな方向へ飛ばす
・体重を使う
→体幹の強い人は重心がぶれないので力だけでは崩せない。体重を使って崩す
・立っている相手には両足の点の真ん中の点に向かって崩す(図参照)
→立っている相手は前後に崩す。
→横に崩すのは難しい(エックスガードで横に蹴りだしたり、デラフックで膝をひねったりすれば横に崩すのも可能)
・立膝の相手は前方か横に崩す。後方は倒しづらい
→アームドラッグで前に崩す、前に崩して三角やオモプラッタ
→シザースイープやフックスイープで横に倒す
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相手は足や手をついて支持基底面を広げる(移動する)か、重心がブレないようにして耐えてきます。上記のポイントを使って崩していきましょう。
フックスイープと支持基底面
フックスイープを考えるとき、この支持基底面を意識すると理解しやすいです。
①立膝の相手ならば、膝が支持基底面の端になるので「膝に向かって返す」。
②かばい手をついたらそこが支持基底面の端になる(支持基底面が広がる)のでかばい手を払うか、つかせない。
③かばい手をつかせたらそのかばい手を固定して(支持基底面を固定して)、「かばい手に向かって返す」
足の裏をマットにつけられると、もうフックスイープで重心を支持基底面の外に飛ばすのは難しい
という感覚でやるとフックスイープの感覚がつかめるかもしれません。
まとめ
理屈を考えなくても技は使えますが、理屈を知ると応用が効いたり、精度が上がったりします。スイープやテイクダウンを見る時この支持基底面と重心を考えてみたら何か発見があるかもしれません。
支持基底面と重心の話をもっと知りたい人は「支持基底面 重心」で検索してみてください。もっと正確で深い情報が得られます。
2023/12/17 アンディ
追伸1 重心を支持基底面の外に出さないスイープ
例えばアームドラッグなどで相手に手をつかせて、サイドバックにつく形のスイープは重心を支持基底面の外に出さなくてもスイープになっています。
追伸2 支持基底面と重心から見るベース
支持基底面は広い方が安定しますが、柔術のベースにおいてはそうとは限りません。一見安定してそうな立膝ベースや膝をつくベースは機動力がなく支持基底面が固定されていて簡単にスイープされます。またそれらのベースは組手に足を使えません。また、足がそろったスタンディングベースは重心を体の外に出されやすいので弱いです。
足を前後に開いたスタンディングベースとそんきょベースは強いです。
足を前後に開いたスタンディングベースは機動力が高く、前側の肘と膝くっつけていると組手も強いです。
そんきょベースは一見バランスが悪いですが重心が低く、組手に足(膝)が使えて、スタンディングベースほどではないにせよ機動力もあります
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