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弱さには必ず理由がある(全文無料)

今日も今日とて柔術は楽しい。


1.弱さには必ず理由がある

今日の記事はタイトルの通りでそれ以上でもそれ以下でもないのですが、深掘りしてみようと思います。

弱さには必ずが理由があります。それは本人の努力の場合もあるし、環境や持って生まれた才能の場合もあります。強くなりたいと思ったらまずはその弱さの理由を明確にしないといけません。

2.弱さの理由

おもいつくままに挙げてみます

A 練習量
・練習量が足りない
・経験が少ない(トータルの練習量が少ない)

B 身体的要因
・身長が低い
・体が固い
・フィジカルが弱い

C 才能(センス)
・センスがない。覚えが悪い
・才能がない

D 技術
・技術が足りていない
・しかるべきタイミングでしかるべき技を出していない

・自分に合わないスタイルをやっている

E 環境
・環境に恵まれてない
・指導者が悪い
・練習相手に恵まれていない

F その他
・メンタル
・ケガ
・老い
・本人に強くなりたいという気持ちがそもそもない

これらの原因に対してどう対処すればいいのか、以下の項でまとめてみます。

3.<A>練習量、経験が少ない場合

やるのみです。月一の練習ではさすがに強くなりません。週一でも正直厳しいです。初めて1か月の初心者が弱いのは当然です。シンプルに練習量と歴が浅いならばたくさん練習するしかありません。

この手の練習頻度の話をすると「それぞれの人に都合があるんだ!家庭や仕事でいけない人もいるんだぞ!!!」「週一の人は柔術やる意味がないんですか?」と怒る人が一定数います。

知らんがな。

資格の試験で「私は仕事が忙しくて家庭も大変でなかなか勉強の時間が取れません。なので配慮してほしいです」って言って採点が甘くなることはないでしょう。柔術だってそうです。それぞれの事情があるのは当然ですが、強くなりたければそれなりの量が必要です。

週一で柔術を楽しむのは素晴らしいことです。でもそれで強くなれるかと言ったら難しいと言わざるを得ません。

強くなりたければ練習しましょう。

4.<B> 身体的要因

身長や筋肉、その他身体的才能が弱さの原因の場合もあります。今回はパラ柔術的視点は除きます。

フィジカルが弱さの理由ならばガンガンスパーやって筋トレして体力をつけば解決します。柔術は階級制競技なので身長の低さは他の競技に比べてまだハンデになりづらいです。

でも、多くの場合「自分が弱いのはフィジカルが弱いからだ」という結論に安易に結びつけると成長につながらないことが多いです。なんでもフィジカルのせいにすると技術的な振り返りができなくなります。

例えば白帯のボディビルダーが負けて「フィジカルが足りないから」とか言っていたら、「いや、ちゃんとテクニックを見直せよ」って話になるでしょう。

とはいえ、レベルが上がるとテクニックもフィジカルも重要なので本当にフィジカルが勝てない原因なこともあります。そういったときはフィジカルを鍛える必要があります。

5.<C>才能(センス)

才能はあります。1回やっただけで難しい技をサラッとこなしたり、半年くらいで大会優勝しまくりったり、「こいつ才能あるなあ」と感じることはあります。

でもだからといって弱い理由を「自分は才能がないから弱い」とするのはほとんどの人にとってナンセンスです。

アダルト黒帯でどうしても世界レベルには届かない、10年以上週6でやり続けてきたけどそれでも大会で勝てない、という人が「才能がないとあのレベルでは勝てない」というなら分かりますが、ほとんどの人はそこまでやってないでしょう。

簡単に自分が弱い理由を「才能」のせいにしないほうがいいです。厳しい言い方をするとそれは自分の努力不足から目を反らしているだけです。

6.<D>技術

これが一番大事。弱い理由を考える時に技術的に足りない部分をしっかり見直すと成長につながります。スパーで失敗した場面には必ずうまくいかない理由があるのでそこをしっかりと振り返って修正することを続けていけば必ず強くなります。

例えばガードでグリップをすぐにカットされてパスされて、その原因を考える場合

△:俺が勝てないのは練習が足りないからだ
△:グリップを切られるのは握力が足りないから、フィジカルが足りない
✖:俺がパスされるのは才能がないからだ
〇:グリップカットされる前に相手に良いポスチャー(姿勢)を取らせてしまっている。崩しを入れて簡単に切られないようにしよう

しっかりと自分が弱い理由(上手くいかない原因)を技術的に振り返ると成長します。

「こんなに練習やっているのに弱い」という場合、たいてい技術的振り返りが不足しています。技術的な振り返りは大変なのでちゃんとできない人が多いです。それよりも毎回ガムシャラにやればそれなりに「やった感」が出るのでそっちにいきがちです。若いならばそれでも圧倒的な量で強くなりこともありますが、マスター世代はしっかり技術的に振り返りをしましょう。

技術的な振り返りをするときは以下の視点で見るのがオススメです。肌感覚ですが、多くの場合は②が該当します。

①技そのものの精度が足りていない(技の動きができていない)
②出すタイミング(シチュエーション、重心、位置取りなど)が間違っている
③必要な能力が足りていない。(柔軟性、骨格的な問題)
④その技とセットで覚えるべき技術ができていない(ベリンボロができない理由として、そもそもデラヒーバの崩しができていない、など)

7.<E>環境

指導者や練習相手の影響は大きいです。本当に世界のトップで戦いたいならば優秀な指導者と練習相手、金銭面の都合、練習場所、時間等が整った場所でやらないと届かないです。

また、極端な話を言えば、練習相手がキッズと70代ののマスター選手と130キロの選手しかいなかったらさすがに強くなるのは難しいです。

とはいえ、多くの場合そこまで極端な例は少ないでしょう。国内のマスターの大会で勝つことを目標なら工夫次第でいくらでも強くなることが可能だと思います。

環境が大きな要因になるのは一定以上の情熱と練習量と高い目標をもった人だけだと思います。

まずは環境を言い訳にせず工夫して考えてやってみましょう。

環境は大事ですが、「俺が勝てないのは指導者のせいだ、いい練習相手がいないせいだ」と言ってる人で強い人はいないでしょう。今の場所でベストを尽くしている選手がさらに上を目指すために環境を変えるのはいいですが、ベストを尽くしていない人が環境を変えたからと言って簡単に強くはなりません。

8.<F>その他の弱さの原因

・メンタル
→メンタルは個人差があるので難しいですが、慣れが大事なので、たくさん試合に出て試合慣れしてメンタルの作り方を学ぶしかないと思います。メンタルを作るテクニック(瞑想とかルーティーンとか)はそこまで大きな効果はないです。それやったからベストのメンタルになるとか漫画みたいにはいきません。それよりもやるべきことがあると思います。

・ケガ
→ケガしていたら弱くなります。
→まずはケガを直しましょう。ケガしていてもできることをやりましょう。

・老い
→これも仕方ない。年を取れば弱くなります。瞬発力を必要としないテクニックを使ったり、しっかりトレーニングをしたり、ケアを徹底しましょう。

・本人に強くなりたいという気持ちがそもそもない
→楽しんでいきましょう。それもまた柔術の良さ。でも自分は「強さを目指してやるとめちゃくちゃ楽しいのにな」とよけいなお世話なことを考えたりします。

8.まとめ

弱さの理由探しはとても大変ですしストレスになります。自分のうまくいかない部分を見直すのは楽しくないです。負けた試合を何回も見直すのはだれでもいやです。でも強くなるには不可欠な作業です。

そして、弱さの理由探しをするときに、考えることを放棄して、簡単に「才能がないから」「フィジカルが足りないから」「環境が悪いから」と結論付けないようにしましょう。しっかり考えて努力したうえで自分の弱さの理由がそこにあると感じたならともかく、すぐにそういった短絡的な結論に持っていくのは怠惰です。

弱さには必ず理由があります。それを自分でしっかりと見直して改善していきましょう

2024/9/13 アンディ

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