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柔術教則レビュー「橋本知之 デラヒーバアンダーの基本からよくある相手の防御への対処方法まで」(全文無料)

 今日も今日とて柔術は楽しい。今日は教則のレビュー。見出しの画像のクオリティの低さは目をつむってください。。。

 アンディは橋本先生の技術が好きなので教則もほとんど買っています。今日はこれを紹介します。1500円と安価でデラヒーバアンダー(アンダーフックデラヒーバ)の概要が学べます。お得です。

 以下、デラヒーバアンダーはDU、デラヒーバはデラと記載します。記事でDUと記載しているだけで一般的な略称ではないです。


選手の紹介

橋本 知之選手の紹介

名前:橋本 知之(はしもと ともゆき)
生年月日:1993年4月20日
体重:ルースター〜ライトフェザー級

主な戦績:
黒帯
2018 全日本王者
2018 ムンジアル3位入賞
2019 ヨーロッパ選手権準優勝
2020年IBJJFヨーロピアン選手権黒帯ルースター級優勝
2022年IBJJFパンアメリカ選手権黒帯ライトフェザー級3位

柔術家には説明不要ですね。

内容紹介 (フローチャート)

予告動画(デラヒーバアンダーの利点) 3:51
1.デラヒーバアンダーに入るタイミングとデラヒーバアンダーの時に気をつけるべきこと 05:50
2.デラヒーバアンダーから崩してウェイターへ移行 07:24
3.ウェイターポジションで気をつけるべきこととバックテイク 08:05
4.デラヒーバアンダーからウェイターへ移行出来ない時の3種の対処 08:36
5.デラヒーバアンダーからウェイターへ移行出来ない時の対処.2 05:52

番号は教則内のチャプター
普通のデラヒーバ(オーバーフック)を解除するとデラヒーバアンダーに入れる、デラヒーバアンダーを警戒すると普通のデラヒーバのコントロールが強くなる

 DUのコントロール、ウェイターエントリー、のアタック、ウェイターに入れない際の対処などDUに関するアタックを一通り学べます。

デラヒーバアンダー(DU)のコンセプト・メリット(なぜデラヒーバアンダーなのか)

コンセプト

 自身が教則を見て感じたDUのコンセプトは以下。

①「ウェイターへのつなぎのガード」
②「内から攻めるデラヒーバ」

①「ウェイターへのつなぎのガード」

 まず伝えたいのはウェイターガードはめちゃくちゃ強いです。基本的にDUから狙うのはウェイター一択です。(ウェイターに入られるのを嫌がって別のスイープになることはある)
 ウェイターは「両足のコントロール+腰のコントロール」が強いので入ったら高い確率でスイープかバックテイクできます。アンダーフックした手で襟や袖を持ったら「両足のコントロール+腰のコントロール+上半身のコントロール」で上は何もできません。
 「ウェイターに入れたらその攻防は勝ち」くらいの認識でもいいと思います。そんな最強ガードのウェイターですがいきなりは入れません。なのでDUを経由します。
 本教則では、そんなDUのコントロールと注意点と入るタイミング、ウェイターへのエントリー、ウェイターからのアタック、ウェイターを嫌がった相手に対する対処を学べます。

②「内から攻めるデラヒーバ」

 デラヒーバは三種類

(1)デラヒーバ(通常のデラ。オーバーフックデラヒーバ)
 →外から攻める
(2)デラヒーバアンダー(アンダーフックデラヒーバ)
 →内から攻める
(3)パンツグリップデラヒーバ(パンデラ)
 →前に煽る

 デラヒーバとアンダーフックデラヒーバは対(つい)になる関係です。通常の外側から攻めるデラと内から攻めるDUを組み合わせるとより強力になります。外と内、両方を攻めましょう。

 また足の位置について、

「デラを嫌がって深く足を踏み込むとDUに入られる」
↑↓
「DUを嫌がって下がるとデラで膝をコントロールされる」

という関係があります。DUを持っておくことで通常のデラのコントロールがしやすくなります。デラとDUは相乗効果があります。

余談。3つのデラヒーバを整理

少し脱線しますがせっかくなのでまとめます。教則の内容とはそんなに関係ないので読み飛ばしてもらってもOK。興味ある人はどうぞ。

(1)デラヒーバ(オーバーフックデラヒーバ)
・メインは外からのアタック
・いろんな方向のアタックや別のガードへの移行が狙えて拡張性がある
・膝をひねるコントロールが強い
・フックしていない足は外。もしくは足裏が内もも当たる形が望ましい
(内だとクロスニーやられる)
・解除はされやすい

(2)デラヒーバアンダー
・メインは内からのアタック(ウェイターへのエントリー)
・拡張性はデラよりもない。基本的にウェイターを狙う
・フックしてない足は足の中(外にするとレッグドラッグされる)
・解除されづらく固定力がある。キープが強い

(3)パンツグリップデラヒーバ
・メインはタックル(レッスルアップ)
・デラよりも膝のコントロールが弱い
・フックしてない足は股の内(外でもいいが前にあおれない)
・グリップカットされづらい(解除されづらい)キープが強い
・ヘッドクウォーターポジションのカウンターで使える

メリット

・強いガードのウェイターにエントリーできる
・デラと組み合わせることで相乗効果で、強く相手をコントロールできる
 →内と外のアタック、足の位置が浅くても深くても攻められる

デメリット

・条件がそろっていないのに無理に入るとやられる
 →チャプター1にて入るタイミングや注意点を説明
・足関のカウンターがある
 →対策をチャプター3で説明

向いている人

・デラを使う人
・デラでフックを解除される人

有効な相手

・デラのフックを解除して足を深く踏み込んでくる人
・ベースが強くてなかなか崩せない人
・左右に走る動くタイプのパサー、固定されるのを嫌がる人

相性のいいテクニック・合わせて覚えたい技

・通常のデラのコントロール、アタック全般
・カミツキパス(オーバーアンダーパス)
 →スイープ後にその形になることが多い
・ベイビーボロ(スタンドのクラブライド)っぽい形のコントロール
 →バックテイクを取り切る
・ディープハーフ
 →ウェイターに入り損ねた際の保険。もしディープハーフが得意ならDUから狙ってもいい。個人的にはウェイターの方がコントロールが強くてリスクも低いのでウェイターを狙う

使ってみた感想

 今までデラヒーバアンダーを作ってもレッグドラッグされたり、ベースを取られて崩せなかったり、足を落とされてコントロールされて展開を作れなかったことが多かったです。この教則を見てデラヒーバアンダーから簡単にパスされなくなりました。そして、崩してウェイターにエントリーできるようになりました。ウェイターからのバックテイクやスイープの際で逃してしまうことはありましたが練習でそこは煮詰めていきたいです。

 スパーでこのDUを仕掛けたあと、相手が警戒して足を下げてきたことで通常のデラが取りやすくなりました

個人的に好きなテクニック

・チャプター1のDUに入るタイミング
 →DUは有効なガードですがいつで入れるわけではないことを知れたのが大きいです。いままでは「よしDU狙うぞ」と自分のタイミングでしかけて返り討ちに合いました。自分から狙う際の注意点も分かりました。

・チャプター4,5のウェイターに入れない時の対処
 →スパーをやっていてよくやられる展開です。「あるある」なリアクションの対処が分かって心強いです。ウェイターは知らない相手には簡単にかかりますが、知っている相手だと、チャプター4,5で紹介されているディフェンスをしてくるのでこのチャプターを見ておくと差をつけられます。

・フットロックされないウェイターの作り方
 →足の位置的にフットロックのカウンターがあるので、それをされないためのウェイターの組手(組足?)が面白かったです。最初は慣れないですが、これができると安心します。

まとめ

 DUは強いウェイターガードへつながるガードで、デラとの相性が抜群です。デラのガードシステムをもう一段階厚く強くしたい人には必須です。

 また、そんなに頻繁になる形ではないのでDUの攻防を知らない人が多く白帯青帯だと知っているだけで差別化できます。

 そして、自身は使わないという場合でもトップのディフェンスを学ぶ上でもこの教則は有効です。DUのコンセプトと狙いが理解できればディフェンスもできるようになります。

 長さも短くて見やすいし、値段もお手頃なので「テクニック増やしたいな~」と思ってる人にもちょうどいいでしょう。

オススメです!

2024/4/9 アンディ

DUで相手が膝を閉じてきた際の対処

あと、このテクニックも面白かったです。教則買った後にさらにバリエーションを増やしたい方はぜひ↓100円で使えるテクニックが買えるなら安い!

BJJ LABの「デラヒーバ研究所」もオススメ

 本記事で紹介した「デラヒーバアンダーの基本からよくある相手の防御への対処方法まで」は基本的なアタックとトラブルシューティング的な内容が充実しています。この「デラヒーバ研究所」はコントロールとアタックの基礎的な部分をより深く掘り下げた内容になっています。2本合わせてみるとDUの理解がより深まるでしょう。特に初心者の人にはこちらの方が見やすい内容になっていると思います。

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