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フックスイープの組手46種類まとめ(全文無料)
今日も今日とて柔術は楽しい。
先日の記事でフックスイープの組手についてまとめました。その後、他の組手もまだまだあるなということで改めて書き直しました。
フックスイープの組手8種類まとめ(全文無料)|柔術哲学(アンディ)
指導記録4 フックスイープ 2024/12/18|柔術哲学(アンディ)
最初に.組手は実はなんでもいい
前回の記事でまとめましたが、組手はなんでもいいです。フックスイープの組手の目的(コンセプト、哲学、意味)は
「相手を自分の上にのせること(相手の下に入ること)」
です。
これが達成できるならどんな組手でもいいです。例外もありますが。
1.組手①27パターン 基本的な「左手+右手」の構成
左足でフックすることを想定した場合
左手:相手を引き付けることに使う
右手:相手のかばい手を処理するために使う
となります。右手は基本的に相手の左手を持ちます。リストや袖をとったり、肘あたりを持って右脇で抱えたりします。
バリエーションが多いのはフックした側の左手。これは好みや流派、メリットデメリットがあります。
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1-1アンダーフック(脇差し)
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メリット:ボディロックで腰を抱えられない。足のフックが外れてもそのまま脇差しハーフの形にできる。左の位置取りをとりやすい。スイープした後、そのまま脇差しクロスニーに行ける。
デメリット:相手に右手でかばい手されてしまう、引き付ける力がオーバーフック系と比べるとややルーズになりがち
一番基本的な教科書通りの組手。引き付ける力がオーバーフック系に劣る。
1-2オーバーフック(小手に巻く)
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メリット:脇を差された形で相手の腕を上から巻く。肩の固定力があって引き付ける力は強い。ノーギで使いやすい
デメリット:ボディロックのリスクあり。フックが外れると脇を差されたハーフの弱い形になる。スイープしたあと、脇を差されたハーフの形になってしまう。
ノーギで使いやすい。コムロックからの切り替えでもできる。両手で相手の腕を抱えるダブルオーバーフック(外四つ)の形が強い。
1-3オーバーショルダー(肩の上から帯を持つ)
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メリット:引き付ける力が強くフックスイープの威力が最も出る組手の一つ
デメリット:帯がないと作りづらい。ボディロックのリスクあり。フックが外れると脇を差されたハーフの弱い形になる。スイープしたあと、脇を差されたハーフの形になってしまう。
組手を作りやすくて威力が高い。引き付ける力が強くかばい手されづらい
1-4腕を流したオーバーショルダー
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メリット:引き付ける力が強くフックスイープの威力が最も出る組手の一つ。ボディロックのリスクがない。バックも狙える。フックが外れても脇を差された形にならない。スイープした後も脇を差されない。逆サイドへのロールオーバースイープが効果的
デメリット:自分と相手の間に腕が一本入るので普通のオーバーショルダーよりルーズになることがある。腕を流すのが大変
③のオーバーショルダーのデメリットをなくせているが、同時にメリットの引き付ける力が少し落ちる。
1-5片袖片襟
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メリット:距離がコントロールできる。アタックのバリエーションやポジションのトランジションが豊富。ループチョーク、オモプラッタ、三角、シザースイープを狙える。
デメリット:距離が空くので引き付ける力が弱い。フックスイープ単品だとオーバーフック系の組手より威力が落ちる。
スペースができるのでルーズになるが、襟袖をしっかり引いて相手を自分の上にのせればフックスイープにできる。展開のバリエーションが多い。
1-6ラペラ①首から
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メリット:固定力も強く、絞めも狙える。逆サイドへのスイープもとりやすい。
デメリット:作るのが大変。
相手の左襟を背中越しに通して自分の左手でつかむ。固定力が高く強い。作るのに時間がかかる。脇下ではなく首からつかめばブラボーチョーク的な組手になる。
1-7ラペラ②脇から
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メリット:固定力も強く、絞めも狙える。逆サイドへのスイープもとりやすい。
デメリット:作るのが大変。
相手の左襟を背中越しに通して自分の左手でつかむ。固定力が高く強い。作るのに時間がかかる。
1-8袖持ち
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メリット:両手を制しているのでアタックされづらくディフェンスに優れている。別のガードへの切り替えがしやすい。
デメリット:引き付ける力が弱い。
両袖持ちのバタフライというやや珍しい形だけどディフェンス力が高く意外と機能する。相手の手をクロスさせるような形で返す。スペースができてルーズになりがちで難しいがうまくのせれば強い。フックスイープで最初からこの組手を狙うというよりも、スパイダーから相手が膝をついてきたときに流れでフックスイープすることが多い。右手も袖を持って両袖の組手で使うことが多い
1-9首をひっかける
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メリット:作りが早い。ノーギで使いやすい
デメリット:体幹の崩しがやりづらい。固定力がない
ノーギでよく見る形。作りが早い。慣れれば威力もあるが、やや難易度高め。
2.組手②5パターン2on1
相手の一本の腕(肩)に対してこちらの2本の腕でコントロールする2on1の組手です。
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2-1ショルダークランチ(ショルダーロック)
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メリット:肩の固定力が強い。逆サイドへのフックスイープがとりやすい。腕固めやチョイバー、オモプラッタなども狙える。ノーギで有効
デメリット:タイトにしないと手を抜かれる。ややコントロールが難しい。
アンダーフックの亜種的な。クラッチを組むので肩の固定力が高く、首(顔)のコントロールも効かせられる。また、アームバーなどへの切り替えもできる。
逆サイドの相手の左肩のショルダークランチをとるのもよくある展開。
2-22on1(クロスグリップ)
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メリット:かばい手を潰せる。両サイドからアタックできる。
デメリット:引き付ける力が弱い。
対角の相手の袖をつかむ組手。
左手で相手の遠い左手袖を取って右手で相手の肘や脇をつかんで右へフックスイープで返す。
もしくは右手で相手の近い右手袖を取って左手で相手の肘や脇をつかんでアームドラッグを狙ったり、右足フックのフックスイープに切り替えてもよい。
2-3キムラ
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メリット:固定力が強い、極めも狙える、極めを警戒した相手がスイープの警戒が弱くなる
デメリット:作るのが大変
フックスイープをするためにキムラを作るというよりも、キムラを極めに行った際に相手がディフェンスしてきたときにフックスイープをしかけることが多い。
2-4 リバースキムラ
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メリット:固定力が強い、バックテイクも狙える
デメリット:作るのが大変
リバースキムラ(ロシアンタイ)はハーフからアームドラッグの流れで作ることが多い。極めはほとんどできないが、バックテイクが狙いやすい。バックテイクをディフェンスして突っ込んできた相手にフックスイープを仕掛ける。
2-5 脇で取る腕固め(アームバー)
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メリット:極めも狙える、極めを警戒した相手がスイープの警戒が弱くなる
デメリット:作るのが大変
これもフックスイープのための組手というよりも、アームバーを極めにいった相手に対してフックでひっくり返すことが多い。
3.組手③3パターン ダブル
両手とも同じ形を作る組手です。
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3-1 ダブルアンダー(両手脇差し)
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メリット:相手のカウンターのパスがほとんどない。相手の真下に入るので浮かせられる
デメリット:スイープまで行くのが難しい。
これは他のフックスイープと少し毛色が違う。相手の真下に入って両肩を付けて相手を両手バンザイさせる形にして横に返す。
3-2 ダブルオーバーショルダー
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メリット:引き付ける力が強い。
デメリット:手のコントロールがない
相手が後ろ重心のときに思いっきり引き付けたいときに使う。手のコントロールがないので、かばい手されてしまうこともあるが、両手で引くのでとにかく引く力が強い。
3-3 ダブルオーバーフック
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メリット:両手を制していて密着できている
デメリット:両脇を差されているので両肩をマットにつけられてボディロックで潰されるリスクあり。
1.組手①のパターンにも含まれている。
「(左手:2オーバーフック)+(右手:3抱える(オーバーフック))」の形。ハマれば強いが。腰を抱かれて背中をマットにつけられてボディロックパスされるリスクあり。
3-4 ダブルスリーブ(両袖)
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メリット:両手を制しているのでアタックされづらくディフェンスに優れている。別のガードへの切り替えがしやすい。
デメリット:引き付ける力が弱い。
1.組手①のパターンにも含まれている。
「(左手:8袖持ち)+(右手:袖持ち)」の形。
両袖持ちのバタフライというやや珍しい形だけどディフェンス力が高く意外と機能する。相手の手をクロスさせるような形で返す。スペースができてルーズになりがちで難しいがうまくのせれば強い。フックスイープで最初からこの組手を狙うというよりも、スパイダーから相手が膝をついてきたときに流れでフックスイープすることが多い。右手も袖を持って両袖の組手で使うことが多い
4.組手④9パターン絞め系
絞めを仕掛けてそのまま流れでフックで返す。フックスイープのときにあえてこれを狙うことは少ないが絞めをディフェンスしているときはスイープのディフェンスがおろそかになりがちなので意外ときまることも。この章は各組手については省略します。
絞めを狙って相手が必死に耐えてるときにフックをしてみたら意外と返るかも、みたいな感じです。
絞めはまだまだたくさん種類があるので他にもあると思いますが、とりあえず思いつくものをまとめました。
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5.組手⑤その他
①~④のどれにも該当しないものです
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5-1 オクトパス&フック
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メリット:固定力が強い。展開が豊富
デメリット:作るのが大変。
オクトパスは固定力が強く密着していて力を伝えやすい強力なガード。フックを入れるとより強力になります。フックスイープだけでなく、後転スイープやバックテイクも狙えます。
5-2,5-3スソ持ち
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これはフックスイープというよりも別のスイープにつなげたり一時的に相手を止めたりするための組手です。
フックしてる側のスソを持つときは、フックではね上げた足を持ってそのままレッスルアップ(タックルスイープ)することが多いです。
フックしてない側のスソを持つのは足裏をマットにつけて耐えてくるのを防ぐために一時的に持ったり、逆サイドへのロールオーバースイープに切り替えます。
まとめ
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①27パターン
②5パターン
③4パターン(ダブり2)
④9パターン
⑤3パターン
合計46パターン
けっこうたくさんありますね。。。実用的ではないものもありますし、実際メインで使う組手は3つくらいなんですが、たまに珍しい組手のフックスイープになることがあります。
あと正確には左右逆の組手もあるので倍で92、ダブルの左右逆ないので4引いて88パターンですかね。
とりあえず現時点でまとめられて満足です。
長い記事になりましたが最後までよんでいただきありがとうございました。
2025/1/29 アンディ
もし、良いと思ったら投げ銭をいただけたら嬉しいです。柔術の教則購入や遠征費用やパーソナルトレーニングに使わせていただき、よりよい記事を書く材料にします。
追伸 アンディのフックスイープの組手実例
私個人の実際にスパーや試合でのフックスイープの組手を書きます。
メイン2つ
①オーバーショルダー&手首持つ
作りやすくて威力が高いので一番実用的でよく使います。ガードから作るときもあれば、片足タックルのカウンターの帯取り返し的にしかけることもあります。
②片袖片襟
片袖片襟で相手が膝をついてきたり、片袖片襟ハーフからフックを入れてハーフバタフライにしたときに。ここからオーバーショルダーを作り直すことも多いです。
流れで形になったらそのままフックスイープに入る組手3つ
③アンダーフック+肘を抱える
流れで脇を差せたときにあえてオーバーショルダーに作り変えたりはせず、そのままスイープに行きます。アンダーフックの時は肘を抱えます。
④ショルダークランチ
ニーシールドハーフからマクラを取りに来た手をとらえることがあります。
⑤首ひっかける+肘を抱える
ノーギで使います。あとオーバーショルダーを取りにいくときに相手が前腕で止めてきたときに遠くの帯ではなく近い首を取って返します
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