銭湯でスリにあうススメ
とある萎びた温泉町にある銭湯に寄ったときの話。
そこは地元の人たちが利用する庶民的な銭湯。
地元民に混じって、ひと風呂を浴びたあとは食事に。
いざ会計をしようと財布を開いたら札が一枚もない。
あれ?
確か、2万円弱入れてたはずなのに、一枚もない。
や・ら・れ・た
湯船に入っていたのは15分程度。脱衣所のロッカーはちゃんと鍵をしてある。なにより脱衣所は浴室から窓越しで見える。そして財布はズボンのポケットに入れたままで、着替えるときに位置が変わっていたとかの違和感はなかった。
これは、職人技だ。プロの仕業だ。
もしかしたら記憶違いで家に現金を忘れてきたかもしれないので、銭湯に戻って騒ぎ立てたり、警察に駆け込むことはせずに、まずは帰宅して確かめることに。現金を盗まれた場合は、まあ戻ってこないしね。
さて帰宅。お金は?
……ない。
や・ら・れ・て・る・し
あまりの手癖の見事さにスられた悔しさが不思議と起きない。達人の技を見たような感じ。
でもただスリ被害にあっただけでは終わらせない。どんな不要でも学びの種にするのが僕の信条。
早速これまでのセキュリティの甘さを再点検することに。これで将来の損失を大幅に防げたはず。きっとね。
転んでもタダでは起きないぞ!