Type2 Original Electric Upright Bass 弐号機


Spec
Body top :Spruce
Body back :Mahogany
Neck :maple Head
Truss rod : No Truss rod
Scale : 34inch 863.6mm
Nut : Ebony
Joint : Set neck
Gotoh: GB1
Bridge :OriginalBridge with original piezo pickup
Pickup : Olignal piezo pickup
Finish : Oil finish&Shellac

SOLD! Thank you!


Andy bass&guitarオリジナルベース弐号機

​やはり、僕の中でコントラバスという楽器は憧れであり、目標です。

じゃあコントラバスを作ればいいんじゃない?というのもあるのですが、コントラバスに負けないくらいのベース楽器を作りたいという考えで楽器を作っています。

前回作った壱号機はエレキベース、ジャズベースの大きさを基本として制作しました。

楽器の大きさは鳴り、弾きやすさ、持ちやすさにとても重要です。

この子はエレキベースの大きさを完全に無視して設計、制作しました。

​人が横に持って常識の範囲で使える限界のサイズかなと思います。

横に持って弾くということを踏まえ、スケールはジャズベースと同じ34inchとしました。

よりボディを鳴らせるためにブリッジをコントラバスのようにボディの真ん中あたりに置くデザインにしました。

​シルエットは人体を意識、ネックから流れる首のラインと胸、ウエストラインそして骨盤の様なストレートな部分そしてヒップライン、いろんな角度のRがあり制作が大変でした・・・

​実は最初にデザイン、制作を始めたのはブリッジでした。

ブリッジ作りたいなーと考えて作り始めたら、このブリッジを使うベースを作りたくなってしまって・・・というのはちょっと大げさですが、このベースの構想を思いついたのはこのブリッジのおかげです。

オクターブ調整ができるコマがメイプルでオリジナルのピエゾピックアップを搭載できるブリッジを制作しました。

ピックアップですが、このベースには3つのピックアップがついています。

場所的には動画をご覧頂ければ恐らくわかるとは思うのですが、ブリッジの支柱の下に組み込まれています。

あとボディ内部に一つついています。

コントロールは3ボリューム1トーンで、ボリュームの仕組みはLow、High、あとひとつがエアー感が出せるピックアップになっています。

弾いてもらうとわかるのですが、Low、Highのみですとかなりアタックが強いです。

ですので3つめのピックアップでエアー感?ミッド感?を出しています。

それとピックアップの構造と、求めるサウンドの

主な材料はブラス(真鍮)エボニー、メイプルです。

コマに木材であるメイプルを使うのが大変でした。構造を考えてそれを形にするの大変。

フライス盤、ロウ付け、はんだ付けなどここ数年勉強?経験をためてきた作業を活かしこのブリッジを作りました。

正確な穴あけ(この穴あけの方法でも正確な方では無いのですがね…)フライス加工はフライス盤があったからこそだと思います。

それもこれもお仕事をくださったお客様のおかげです。本当にありがとうございます。

お客様がお仕事をくださり、ちょっとずつ工具、機械を増やせていただけて本当に嬉しく、ありがたく思っております。

(こういうのを最後に書いたほうがよかったかな・・・?)

ブリッジを一生懸命つくってなんですが、このベースであれば可動式ブリッジではなくて、コンバス

のような普通の駒風ブリッジでも良かったのでは?と最近思いました・・・。

​木材はトップにスプルース、バックマホガニー、ネックメイプル、ネック裏にボディと同じメイプルを貼りました。

あとジョイント裏に楢(ナラ)を貼ってサウンドの引き締めと厚さの確保、見た目のアクセントにしています。

本当はトップ材をスプルースではなく、楢材にしようと考えていたのですが、手持ちの材を加工したら幅が10ミリ足りない・・・という自体になり、新しく楢材を購入するのであればこの際スプルースを使ってみたいな。と考えスプルースになりました。

正直な話をしますと、すごく良い品質のスプルースというわけでは有りません。

節もありますし、目もあまり詰まっていません。

この厚さで、品質の良いスプルースを購入すると恐らく材の値段が5倍くらいになって・・・

もしのそ高級スプルースを使って今回作ったベースがいい音じゃなかったら、材に申し訳ない・・・

と考えこのクラスのスプルースになりました。

まあ見た目が悪いくらいで今の所全く問題ないです。

見た目が悪いといっても少し節と、・・・なんて言いましたっけ、斑点みたいなスプルースの跡・・・

がすこしあるくらいなので、私は問題ないと判断しましたし、スプルースの美しさにこだわるのは自分のレベルにそぐわないと考えています。(まだまだ私の技量が低すぎる・・・)

​バック剤はマホガニーこれはアイチ木材(アイモク)様にお願いして大きいサイズを作っていただきました。

最初は自分で板を買ってブックマッチしようと考えていたのですが、このサイズのマホガニーがほぼ売っていない・・・ネットで材を買おうというのがいけないのでしょうが、近くに銘木やさんが無いもので・・・アイモク様に頼っています。

ボディトップを同じく大きく彫り込みホロー?構造にしました。

正直ホローといえる彫り込み量ではないので、なにか新しい名称が欲しいです。

また、材のほとんどを粉にしてしまうのがすごく罪悪感があります・・・

板を曲げ、張り合わせた方が大変ですが、もったいなくない!

次何か作るとすれば、工程が大変になっても材を大切に使えるような楽器を作りたいな〜。

彫り込み楽器は難しくはないですが、大変です。

​ネックはメイプル、これもアイモクから購入させていただきました。

今回は少し挑戦ということでトラスロッド無し!で制作してみました。

弦高を高くして、フレットレスベースのようでは無く、コンバスのような弦高で弾くと仮定しての考えです。

その代わりネックは前回同様とてつもなく太いです。

コントラバスと比べると同じ位、プレベのようなネックが太いと言われるエレキベースとは比べ物にならないくらい太いです。

ただ、コントラバスを弾いている人何人かに弾いていただきましたが、太いという言葉は出ませんでした。ただ、コンバスと比べてネックが長いので違いはあるようです。

反りは大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、コンバスもチェロもトラスロッドが入っていることは稀ですので、恐らく問題はないでしょう。

もし反ったとしても指板をかなり厚く作ってあるので、修正は容易です。コンバスほど厚くは無いですが。

​テールピースもオリジナルで制作しました。真鍮とエボニーを接着して作りました。

一応アースが取れるように作りましたが、コンバス用の弦はブリッジアースが取れる構造ではないので配線材を追加してアースが取れるようにしました。

このテールピースはコンバス用の弦を張るためのテールピースで、エレキベースの弦を張る用のテールピースもあります。少し素材、デザインが違い、動画内でのさいごのほうの白黒の写真がそれになります。

​ヘッドはスロットヘッドにしました。バックにマホガニーを貼ってアクセントにしました。

あと厚さを稼ぐためです。

ただ厚くするだけではかっこ悪いのでヘッド裏にRをつけてコンバス風にしてみました。

ペグはGotoh GB1です。ペグも本当は自作してみたいのですが、まだまだ技量不足です。

いつかは作ってみたいですね。

​サウンドは思ったよりコントラバスのようでした。

正直軽いペラペラしたサウンドになるんじゃないかな〜嫌だな〜と思っていたんですが、

中々太い音で、ハイフレットあたりは本当にミニコントラバスぽい音でした。

4弦あたりは流石にコンバスのような鳴りが少ないですね。

でもそれっぽく聞こえるから不思議です。

サウンドの狙いでピエゾなんですが、プリアンプを搭載していません。

ですのでそもそもの出力が小さめです(ボリュームが低い)

ベースアンプに頼った電装系になっていますので、多き音のバンド(ビックバンドみたいな)で弾くのは少し大変かなと思います。

全体的なボリュームが低めなバンド少人数のジャズとかには合うかなと思います。

出力の大きいアンプですともしかすると大き音が出ると思うのですが、試せてません。多きアンプ持ってません〜・・・

​生音ですが、動画で最後に僕が弾いていたのは生音です。部屋で弾くには十分な音量が出ます。

うるさくない程度の音量ですね。アコギよりも静かです。

​最近はリペアの動画が多く、僕がリペアしかしないのであろうと思われている方もいらっしゃるのでは無いでしょうか、もちろん私の技量はまだまだで、日々一人で修行させていただいており、リペアマンという側面もあるのですが、

リペアは勉強のために行っているものと考えております。

リペアで得た技術を制作につぎ込んでいけたらと思います。

​これを作る前は売れないベース作っても意味ないじゃん、それよりお客様のギターいじらせてもらって稼ごう!と考えていました。

そんな中でギターをいじるのがだんだん面白くなくなって来ていました。

​そんな中高校の恩師がバイクでうちに遊びに来て、俺はこんなことをしているんだ、バンドの練習に遊びに来いとなり、そこでビックバンドジャズの練習を見学させていただきました。

そこで聞いた管楽器、木管楽器、ピアノ、ドラムそしてベースの音を聞いていたら、

​あぁ、楽器作りたい。

​と強く感じ、アイデアが湧き出て来ました。

​湧き出てしまったものはもう止められません。

リペアのお仕事を一段落させて、動画内の作業をし始めました。

​2ヶ月ご完成したのがこの子です。

​個人的にはこのサウンドがこのサイズのベースで出るのはすごいと感じました。

そのへんのエレクトリックアップライトベースには絶対に負けないくらいコンバスの音がします。

普通のEUBは作り物っぽいアコースティック感がありますが、この子には有りません。

(まあ、プリアンプが無いのでそりゃそうですが)

これ、良いベース作っちゃったんじゃない?・・・なんで他のメーカーやらないんだろう・・・

そのくらい正直思ってしまいました。

R1.2019.9.24 Andy bass&guitar 安達航紀

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