見出し画像

ゲーム感想記#64 ゼルダの伝説 夢を見る島

 2019年に発売された、NIntendo Switchのソフト「ゼルダの伝説 夢を見る島」は1993年のゲームボーイ版のリメイクである。ゼルダの伝説はこれが四作目であり、あのシリーズがついに携帯機でプレイできるということでファンにとっては嬉しいものであった。
 内容としてはそれまでのシリーズと同じく見下ろし型2Dであり、ストーリーを進めつつダンジョンの謎を解きながら攻略していくゲームである。そして各々のダンジョン毎に新たなアイテムを手に入れられることができるという点でも同じである。
 手軽にできるゲームであり、携帯機ながら丁寧に作られ、ボリュームも相応にある。そこに思わぬどんでん返しが加わり、今なお愛好者の多い作品である。
 私も『ゼルダの伝説』は今作ゲームボーイ版が初プレイで、当時小学生だった私は謎解きに頭を大いに悩ませた記憶がある。

 ゼルダ初の3Dとなった「時のオカリナ」以降、時代に沿う形で3Dメインになったが、それ以降も旧来の2D版が携帯機で出されていた。その際、風のタクト(このゲーム自体は3D)風のリンク(通称トゥーンリンク)を操作するが本作だと、結構リンクの雰囲気も変わっている。

リメイクにあたっては基本的に原作を忠実に再現している。グラの結構なイメチェンや民俗風にアレンジされた音楽、実際に(掛け声程度ながら)声がついたということもあるが、基本はほぼそのまんまのリメイクである。だからプレイ感は旧作とほぼ変わらないといっていい。とはいえプレイしやすいように改良されている部分もある(特にいちいち装備を入れ替えなければならなかった装備品周りのシステムは大きく改善された)。
 新しくSwitch版が出るにあたって、特に目を見張るのはやはり素晴らしいグラフィックだ。どこかミニチュア劇場みたいな世界を、質感を失うことなく再現したのはやはり目を惹く。綺麗であり、それに掛け声程度とはいえ声を実際に喋り、原作のゲーム雰囲気を十分に再現しつつ、さらに昇華させていると言えるだろう。申し分ない世界観である。

 ただやはり余りに原作に忠実すぎるのである。変更点もあるにはあるが、そのまま原作をSwitch版として持ってきた感じだ。。25年前の携帯機のボリュームなわけだから、まあ今の時代だとボリュームはどうしても乏しいと思ってしまう。私も購入して3日もせぬうちにあっさりとクリアした。グラフィック以外は特に目新さもないから、もう一回プレイしようという気にもならない。

 とはいえもとが名作であり、それを損なうものは何もないのはやはり事実である。難しい操作もほとんどなく、複雑化した今の時代のゲームの中では手軽に遊べるゲームであるだろう。そういう意味でゼルダシリーズを手に取ってみたいという人がいれば私はこれをお薦めしたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?