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ゲーム感想記#77 逆転検事1&2

 法廷を舞台にしたゲーム『逆転裁判』に登場する検事「御剣怜侍」を主役にしたスピンオフ作品が『逆転検事』である。計二作あり新たにリマスターされたSwitch版では両作とも合わせて収録されている。

 基本的に『逆転裁判』とは違って法廷に立つことがほとんどなく(少しだけある)、基本的に法廷外でいつもの戦いのやり取りをすることになる。だが本質的な所は『逆転裁判』と変わらない。事件が発生し、調査をし、「揺さぶる」と「突きつける」を用いてやり取りする相手と話を進めていき、事件の真相と真犯人に迫るものである。

本質的なところは『逆転裁判』と同じ


 新たに今作で加わったものとして、「ロジックモード」と「ロジックチェス」がある。「ロジックモード」の方は色々な証拠から二つ選んで、それが上手くあえば新たな証拠や発想が生まれるもの。やや地味な要素ながらも、推理ものの味付けとしてはかなりアクセントになるものだ。「ロジックチェス」の方は会話によって相手を追い詰めてこちらに心を開かせようとするもの。こちらは面白いといえば面白いが、もうちょっと練り込んでも良かったかもしれない。

「ロジックモード」二つのピースを合わせて新たな証拠を得る
「ロジックチェス」。会話を進めていき、相手を追い詰めていく

難易度的には作中にヒントが多いこともありやや簡単な部類に入るが、難しい部分もあった。正しい証拠品がなかなかわからず、一気にゲームオーバーになることも何度かあったので、難易度的にはいい按配と言えるかもしれない。

 『逆転検事』も『2』もどちらもストーリーの質がとてもよく、本家『逆転裁判(特に1〜3)』に勝るとも劣らない出来である。法廷が舞台になっているわけでもないのに、検事が色々と証拠を集めてそれで相手を追い詰めていくのは少々違和感もあるが、その迫力は健在。また『2』ではキャラがユニークなアニメーションをするようになり、もともとのキャラの濃さも相まって、非常にキャラ達が印象に残るようになった。

 私としてはストーリー的によりサスペンスが濃くなった感じがして、かなりストーリーに引き込まれた。特に『2』では話が二転三転することも多く、一筋縄では行かないゲームとなっている。そしてその分長く、クリアするだけでもかなり骨が折れる。特に過去と現在、二つの時で絡みつくように推理を進めていく『2』の三話は圧巻。

 スピンオフの外伝ながらもとても優れた出来で、『逆転裁判』シリーズ好きなら間違いなく楽しめる作品であろう。Switchでリマスターが出た、ぜひこの機会に。
 


 

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