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ゲームサントラ紹介#29 聖剣伝説2 OST
『聖剣伝説』はゲームボーイからスーパーファミコンへと移り、グラフィックが大幅にパワーアップした。それにより美しく神秘的な「マナ」の世界が彩り豊かに表現された。
音楽も同様で、とにかく珠玉の出来栄えで、「マナ」の世界観と大いにマッチした曲ばかりで、まるで音楽の絵本のよう。捨て曲がないと言っていいレベルである。また音質も当時のスーパーファミコンの曲としてはここまでいいものは珍しかった(続編の『聖剣伝説3』を聴いてみればわかる)。ゲームサントラとして屈指の出来で、このサントラを今なお大いに愛好している人も多いのではないだろうか。
このゲームの曲の代表曲はどれかと聞かれれば、私なら「少年は荒野を目指す」と答える。爽やかなギターに乗せて流れる爽やかなメロディーは、緑の「マナ」の世界を存分に表現していると言えるだろう。フィールド曲としては最高峰のものだと思っている。
タイトルの「天使の怖れ」もまた代表曲と言えるだろう。獣の呻くような声が聞こえて後に、ピアノ音源によって奏でられる演奏はとても静かで神秘的なものだ。プレイヤーに本作の世界観を感じさせるに十分だ。
正直全部紹介したいところだが、長くなってしまうので一部を。
「夏の空色」は今にも街の曲という感じで、とてもポップ。他方、同じ街の「不思議なおはなしを」は明るい曲調ながらもどこか憂愁な趣きがある。「夏の空色」は題名にもあるように夏をイメージしたものなら、「不思議なおはなしを」は秋といったところだろうか。
フィールド曲として「少年は荒野を目指す」以外には「森が教えてくれたこと」もすごく好きだ。とても可愛らしい感じの曲でチャーミングな感じだ。ゲームでは映像と共に流れ、プレイしていると光景が連想できてなお良い。後は冬のような静粛な感じのする「ねがい」や風を感じさせるゆったりした「風の焉わるところ」、「少年は荒野を目指す」をテクノ的にアレンジした「君は海を見たか」もいい。神殿の曲の「聖なる侵入」もいい味を出している。基本的に暗い感じの曲だが、その暗い感じに神秘性を醸し出していて中々の魅力を持っている。他には可愛らしくポップな「いつもいっしょ」や神秘的な透明感を持つ「祈りと囁き」は短いながら印象的な曲調を持ったものである。
ボス戦の曲の「危機」はプログレ要素が取り入れられていて、とにかく勢いがいい。サビの部分に癖になる味わいがある。そして戦闘曲として最後の曲「子午線の祀り」も忘れてはならない。畳み掛けるように始まり、ひたすら曲は疾走していく。そしてサビの部分の盛り上がりが実に最高だ。
少年は荒野を目指す
夏の空色
危機
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