ゲームサントラ紹介#61 交響組曲ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ・・・
1. ロトのテーマ
2. まどろみの中で
3. 王宮のロンド
4. 世界を回る(街~ジパング~ピラミッド~村)
5. ローリング・ダイス
6. 冒険の旅
7. ダンジョン~塔~幽霊船
8. 回想
9. 鎮魂歌~ほこら
10.海を超えて
11.おおぞらを飛ぶ
12.戦いのとき
13.ゾーマの城
14.戦闘のテーマ~アレフガルドにて~勇者の挑戦
15.そして伝説へ
太字は特に好きな曲
人気が鰻登りだった『ドラゴンクエスト』シリーズの三作として発売された本作は、RPGの一つの到達点といえる驚異的な完成度を持った名作であった。特にストーリー終盤では過去作と驚きの繋がりを描く。
音楽もまた驚異的な完成度であり、特にオーケストラ演奏のこの『交響組曲 ドラゴンクエストⅢ』は一枚の音楽アルバムとして紛れもない名盤である。一作目の音楽ロジック的な要素、二作目のポップな要素の両方とも取り入れつつ、多彩な曲を描いた、非常に洗練されたバランスとして完成されている。
シリーズ定番の城の曲「王宮のロンド」は非常に秀逸。一作目「ラダトーム城」にあったバロック的なスパイスを取り入れつつ、躍動感を持たせメロディもよりしなやかに演奏して、芸術的な香りを感じさせる曲となっている。中盤のヴァイオリンのソロ演奏も非常に美しい。
「世界を回る」は四曲によるメドレー。やはりシリーズ定番の街の曲は出だしから可愛らしく伸びやか。和風で、だらけた感じもする冗長感の「ジパング」、切迫感ある「ピラミッド」の後の最後の「村」も素敵な一曲。素朴な感じのメロディによってここまで自然を感じさせる村も中々ない。
フィールド曲「冒険の旅」は非常に有名。勇壮で今にも勇者の旅を表現したメインメロディは言うに及ばず、出だしの壮大な感じの部分も非常に印象的。全体にわたってどこまでも力強い。
「回想」は地味であまり注目されない(私もゲームはプレイしているが、どこで流れたか思い出せない)曲だが、非常に美しい。弦楽器の美しい音色も加わり、これほど悲壮で、やるせなさを感じさせるメロディはそうそうない。これに比べて「鎮魂歌~ほこら」はもっと落ち着いていて主張しない感じだが、その遠慮しつつ奏でられるメロディがまたいい。
「おおぞらを飛ぶ」もまた名曲。どこまでも透き通った曲調で、縹渺とした大空を静かに飛翔している感じが堪らない。やはりとても美しい。
中ボス曲「戦いのとき」は通常戦闘曲とは違い、雰囲気を重視した、メロディが一歩下がりつつ奏でている曲。第一作目の「戦闘」を思わせるジリジリした緊迫感のある曲だが、一歩退いたメロディがそれに加わり、その秀逸なバランス感覚の中で戦闘の雰囲気を盛り上げる。
「戦闘のテーマ~アレフガルドにて~勇者の挑戦」ではまず通常戦闘曲「戦闘のテーマ」が勢いよく流れる。メロディの後オーケストラが迸るように演奏され、その勢いは凄まじい。もう一ループしてもよかった。そして一作目のあの曲が流れた後、最終ボスの「勇者の挑戦」が流れる。前二作の最終ボスの曲と同じく雰囲気重視の張り詰めた感じだが、こちらは敢闘的なメロディも加わり、威厳とそれに立ち向かう勇気を存分に表現している。
最終戦闘の後、勇壮な「そして伝説へ」によって締めくくられる。一作目の「フィナーレ」と雰囲気は似ているが、こちらはまさに勇者の凱旋を表現したような、より絢爛な曲調となっている。
王宮のロンド
冒険の旅
おおぞらをとぶ
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