ゲーム紹介#32 聖剣伝説 Visions of Mana OST
『聖剣伝説』シリーズの新作が『4』以来、久方ぶりに発売された。
『聖剣伝説』といえば何より大事なのは音楽だと私はずっと思っていたので、ゲーム以上にどういうサウンドなのか、発売までずっと楽しみにしていた。
そしてゲームが発売され、サントラが発売され、実際に聞いてみると「うーん」と首を傾げてしまった。
悪くはない。音は綺麗だ。ゲームをプレイしていれば邪魔にならず雰囲気を盛り上げてはくれるだろう。でもそれだけな感じだ。かつてのシリーズの個性の強い曲群に比べればどうしても見劣りしてしまうのは否めない。
サントラを一通り聞こうと最初から聞き通してみたが、全然印象に残らない曲が多数ある。六時間を超えるボリュームだから、全ての曲に個性をもたらすことはできないにせよ、あまりに無味無臭な曲が多い。
ただ出来はいいが無個性な曲が多い中、それでも強い個性を持った曲は少数ながらある。
その一曲が「一度は喜劇、二度目も喜劇」。この曲は抜群の個性を持っていて、一度聞いたら耳から離れないような特長を持つ。個性と言っても使っている音色が特殊とかそういうのではなく、メロディがとてもユニークな直球的な個性を持つ曲。平安貴族を連想させるようなユーモアさだ。
「いつのまにか娘たち」も同じ雰囲気を持つ、やはり個性のある曲。
「愛と死のさだめ」も美しい。王道的なクラシックの音調を取り入れた激しい曲で、ピアノがとても印象的。
「我が名はニキータ」もこれらに比べれば印象は薄いが、それでも個性的である。
他に私の好みとしては「火の村ディアナ」「火照る街道」がある。上に説明したような無味無臭感はあるが、それでも雰囲気を持たせた出来のいい曲で、光る所もある。同じく「ウルール浮遊島」や「密林ミロス」もいい。
火の村ティアナ
一度目は喜劇 二度目も喜劇
愛と死のさだめ
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