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韓国|issue 3 妙子さん×ANDTOKYO インタビュー

ソウル移住、展示を振り返って

2024年今年の春、僕たちはANDTOKYOの第3版「in Between Architecture and Art」にて、東京を拠点に活動するアーティストで建築家・講師の阿部妙子さんへのインタビュー。仕事やクリエイティブなキャリア、そして東京への思いを語ってもらった。(ANDTOKYO第3号はこちら
その後、彼女が7月末の展示を最後に、どうやら韓国・ソウルへと拠点を移すらしいという衝撃的な情報が。彼女が抱く、新しい街とそこでの経験について、話を聞くのを楽しみにしていた。


WEEKEND MARKET

展示を振り返って

当日、本題の韓国の話の前にまず話したかったのは、今年彼女が開いた2つの展示。引っ越し前、東京での最後の展示となった7月のグループ展@「ミナガワビレッジ / ラウンジ」、 そして春先に韓国の友人オヒョンジンさんと一緒に「トタン」で開催した展示の2つ。
彼女のオリジナルブランド「YOU ARE MY KNIT」に焦点を当てたこれらの展示では、数々の作品はもちろん、二人の間で交わされた手紙やチャットメッセージを掲載したZINEもあった。
中でも僕たちが特に興味を持ったのは、古代の石造りのドルメンに関する部分。韓国に非常に集中して存在すること、そして日本にも存在するということから、考古学に話が進み、編み物の最も古い例についても紹介されていた。
少しでも興味を持った彼女たちのzine(韓国語/日本語/英語の3言語)をぜひ手に取って欲しい。上記のような深いテーマにも触れているけれど、全体的には編み物や日常生活についてのトピックとなっている。
YOU ARE MY KNIT

拠点を移す理由

Ai: まずは、韓国に拠点を移すことになった経緯について聞かせてもらえますか?
Taeko: 今年の5月に韓国を訪れた時に、友人や建築家の方々に会う機会がたくさんあって、ふと、こうやって日本と韓国を行ったり来たりするよりしばらく住んでみたほうがいいんじゃないかという考えが浮かびました。それで、思い切って行くことにしました。
Pat: 韓国で新しいつながりができた感じですね。
Taeko:そうですね。去年も韓国の漢陽大学でレクチャーをさせてもらいました。韓国へ行くたびに新しいつながりが生まれるので楽しいです。

ソウルでのおすすめの場所

Pat: ソウルでおすすめの場所ってありますか?
Taeko: たくさんありますよ。笑 (彼女が見せてくれたGoogle Mapsには、たくさんのお気に入りが。思わず、僕たちも韓国に行きたくなってしまう。)
Ai: お気に入りの場所はありますか?
Taeko:アラリオミュージアムがいいと思います。もともとはキムスグンという建築家のオフィスだった建物です。いろいろな層が混ざり合って迷路みたいな空間です。
Ai: (東京にある)midorisoに似た雰囲気で、そそられますね.. 蔦が絡まっていて素敵です。
Pat: 他にはどんな場所がおすすめですか?
Taeko: 東大門総合市場ですかね。いろいろな素材で売られていて、見ているだけで面白いです。
Pat: そういえば、そういった素材は日本ではどこで選んでるんですか?
Taeko: 日本ではいろいろ調べて、コットンを使う時はできる限りリサイクルコットンやフェアトレードのオーガニックコットンを使うようにしています。
Pat: 個展でも(そういった内容は)アピールされないんですか?
Taeko: 聞かれたら説明していますね。
Ai: いろんな素材で編まれてると思うんですけど、(毛糸の他、タイベックやビニールチューブなども)中でもコットンが多いように思います。素材を先に決めて、完成形を決めていくんですか?それとも逆ですか?
Taeko: その時その時で違うんですが、この素材で編んだらどうなるかな?と思って編んでみる時もあるし、コットンが多いのはコットンで編むのが気持ちいいからかもしれないです。

ソウル生活について

Pat: 韓国のソウルに住むことについて、妙子さん自身はどのように捉えているんですか?
Taeko: 特に心配とかはないです。でも友人はの中には私が帰ってこないみたいに思って泣いてくれる人もいました。
Ai: 東京を離れることについて、寂しくないですか?
Taeko: ……(20秒ぐらいの沈黙)今は手続きがいろいろ忙し過ぎて、国を変えるだけでこんなにめんどくさいんだと。だから、今はそこまでそういった(ネガティブな)思いはないですね。
Ai: 他に、韓国暮らしで不安なことはあるのですか?
Taeko: うーん、特にはないですね。強いて言うなら、韓国から帰ってきたときにどうしようかなって思うぐらいですけど、まあなるようになるかなって。笑

ソウルでのグループ展に向けて

Ai: 韓国でも展示に出られる予定があるそうですね?
Taeko: はい、同じ3名で出る予定です。そのときに、ANDTOKYOさんが作ってくれたリトルプレスも一緒にお披露目できたらなって思ってます。
Ai: 妙子さん、この後も人と会う予定があるんですか?
Taeko: ええ、ちょっと忙しいです。笑
Ai: お忙しいですね!人気者ですね、さすが。
Taeko: いや、全然。断れないだけです。笑

僕たちは、妙子さんが韓国に滞在している間に訪れて、彼女を引き寄せ続けてきたものを自分たちの目で確かめたいと思っている。東アジアのもう一つの大都市として、ソウルが東京とどんな共通点を持ち、何が特別なのかを見るのが楽しみ。

妙子さんは10月にソウルでWEEKENDMARKETのグループと一緒にpublishers.tableのイベントに現在参加中!ANDTOKYOの第3号もこのイベントで販売いただいているので、ぜひ彼女のInstagramでイベントの様子をチェックしてみてくださいね。


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