明日なんて来なくていい
いつも通る道。よく来た場所。知り合って何年も経つ間柄。新鮮な気持ちなんて忘れそうだけど、二人の間にはカメラがあり写真がある。
意識の中のぼんやりとした気持ちに芯を通す。人の身体の線は一人ずつはっきりと分かれていても、風とシャッターの音の中で少しずつ曖昧になっていきそうな、そんな時間。
沢山言葉を交わすのもいい。出会った人のこと。旅をしたこと。美味しいものを食べたこと。
何も話さないのが心地良くなって、言葉少なになるのもいい。太陽の下をぼちぼち歩く。曇りの日だって同じ気分だ。
動いていないと何も無いのは共通していて、本当はゆっくりとした時間が好き。窓から入る光とか、飲み物から立つ湯気とか。
時々お互いの人生のタイミングが重なって、表立って主張はしないけど嬉しく思っている。マイペースに生きるのが一番だし、心に決めたこともある。
誰に言われるでもなく、どこかで何か作っている。車に乗って目を閉じて、大きく呼吸をして前を見つめる。一日の中の儀式のようなものだ。
大地の上にしっかりと立っているけど、時には風に流されるのもいい。
ねえ、明日なんて来なくてよかったよ。
ダイヤモンドのように輝く日々があった。今も形を変えて続いている。一歩一歩、光を増やすように生きる。
変わらないところは言葉にしないまま、風の中にいる。
model : yuri
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