ワイ「ち、チノちゃん! 残業激しくしないで!」 チノ「うるさいですね……」カタカタカタカタカタ

ワイ「ち、チノちゃん! 残業激しくしないで!」 チノ「うるさいですね……」カタカタカタカタカタ

ワイ「あ、あぁ~ッ!」 過労死ライン超過

チノ「はい……とりあえず今日の分は終わりです。お疲れさまでした……」

ワイ「うぅ……お、おつかれさまでした……」

数週間前、念願のエースプログラマーを採ったのだが、『無能ばかりの会社で私が手を抜くと進捗終わるのでは』
という懸念があり、結果、チノちゃんが定期的にセルフデスマーチをしてくれるようになった。しかしチノちゃんはなんだか
ホウリツのことがキライみたいで、いつもいつも不愛想に残業シコシコして、アタマイタイイタイなのだった。

ワイ「トホホ……チノちゃん優秀なのに遵法意識はイタイイタイなんだから……あーあ、どうにかしてチノちゃんのコーディングをやさしくて気持ちのいいものにしてあげれないかな~、ん?」

休日の深夜なのにチノちゃんの部屋から明かりが漏れている。

チノ「よいしょ……よいしょ……」

ワイ(ち、チノちゃんが、自分の部屋でも競プロを相手にアルゴリズムの勉強をしている!?)

チノ「ふぅ……こんなものですかね……。もっと速く適切なコードをかけるように頑張らないと……」

ワイ「チノちゃーん!」 バターンッ!

チノ「ひゃあッ!?」

ワイ「チ、チノちゃーん! ごめんよーッ! チノちゃんは毎日みんなのためにおうちでもプログラミングの練習してたのにワイはそんなことも知らずに……ッ!
  ハフッ!ハフッ! チノちゃんのPCのGPUの排気熱いい匂い!」

チノ「ど、ドサクサにまぎれてそんなものの匂い嗅がないでください!」

ワイ「ご、ごめんねチノちゃん……!」

チノ「べ、別に、おうちで勉強するくらい普通です……。それが私のお仕事なんですから……。それに、私は下手で、効率的なコードはあんまり書けてないから……」

ワイ「そ、そんなことないよ! チノちゃんのそのコーディングの速さだけでみんなは十分ありがたいんだよ! あっ、そ、そうだ! チノちゃんおてて出して!」

チノ「こ、こうですか?」

ワイ「そう! それじゃあ今から問題だすからね! チノちゃんのやわらかおててにドッピュするからね! ちゃんと解いてね!」

チノ「えっ、えっ?」

ワイ「ウオーッ! チノ! ぷにぷにおててに出すぞ!」ドピュドピュドピューッ!

チノ「ひゃあッ!」ビシャーッ

ワイ「くっ、ふぅ……! す、すっごい初歩的なミスが出たぁーッ!」

チノ「ほんとうです……で、でもなんで……?」

ワイ「それはね……睡眠不足が、脳と身体に悪いからだよ! 特に脳の回転速度にね!」

チノ「脳に悪い……」

ワイ「そう! だから、進捗なんて、二の次なんだよ! コーディングは、根詰めてやるより、休み休みやるのが一番いいんだよ!」

チノ「や、休み休みって……はわわ……あ、あの……もう1日だけ、休んでもいいですか?」

ワイ「もちろん!」
その後、うちはチノちゃん抜きで案件を進めて次の週は起き上がれないほど疲弊していた。
でもまぁ、その日以来、チノちゃんのコードのクオリティと書く速さは今までに比べて逆に上がったので結果オーライ! 終わり

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