見出し画像

#2-3 弱者の戦略のひとつ「ピンホールマーケティング」とは

わたしの日々のインプットの源泉である、木下斉さんがvoicyで展開されているテーマの一つジブン株式会社ビジネススクールの内容をネタにして定期的に書いています。
今回はピンホールマーケティングを取り上げます。

前回は、弱者の戦略の一つ「ランチェスター戦略」について取り上げました。
ランチェスター戦略は、弱者の戦略の一つでもあり、マーケティングや経営戦略において、競争に勝つための理論と実務を体系化したビジネスフレームワークです。
もともとは戦争で使われていた戦略でしたね。
気になる方は、過去の記事をぜひご覧ください。

参考に、木下斉さんは、地方創生やまちづくりの専門家です。
わたしが2017年にジョインした都市経営プロフェッショナルスクールの創設者の一人でもあります。

木下さんのvoicyや都市経営プロフェッショナルスクールは、まちづくりに関わっている方やローカルでビジネスを展開されている方、これから事業を始めたい方、などなど、行政・民間それぞれの立場の方にとってもおススメです。voicyはきいていただければよいですし、都市経営プロフェッショナルスクールについて興味がある方はぜひご連絡お待ちしておりまーす!

今回のネタ元も木下さんの次のvoicyになります。

【ジブン株式会社ビジネススクール : 2024年9月】弱者の戦略で勝つ(2024/9/2 #1340)のチャプター4になります。

気になる方はぜひお聞きください。

では、本題です。

都市経営プロフェッショナルスクールの受講生、修了生なら必ず聞いたことがある「ピンホールマーケティング」。

わたしも何となく頭では理解しているつもりですが、自分へのリマインドとして、しっかりと言語化して腹に落としたく、つらつらとまとめながら、最後は自分に当てはめて書いていきたいと思います。


ピンホールマーケティングとは

ピンホールマーケティング概要

ピンホールマーケティングは、ターゲットとする顧客層を、とても狭く絞り込み、その特定の層に向けて集中的に行うマーケティング戦略のことです。

まるでピンホール(針穴)のように、一点に集中して深ーく、深ーく細いマーケットに浸透 させていくイメージです。

ピンホールマーケティングのイメージ

(参考)ピンホールマーケティングイメージ図の出展もと
https://www.ur-net.go.jp/produce/machi-sympo/report/lrmhph000000guwn-att/tokyo01.pdf

従来のマーケティングとの違いは、広範囲な層(いわゆるマス層)にアプローチするのではなく、特定のニーズや属性を持つ層に焦点を当てる点が大きな違いになります。
まさに弱者の戦略ですね。

なぜ今ピンホールマーケティングが重要なのか、について触れると、
今の時代多様なSNSがあり情報過多ですので、多くの情報に埋もれてしまうことなく、本当に必要としている人に情報を届け、共感を深めることができる有効な手段であるためだと思います。

ピンホールマーケティングに必要な要素

木下さんがvoicyで触れていたピンホールマーケティングの要点を自分なりにまとめると次の4つです。

  1. 資本力が高い大手企業の参入が難しいこと

  2. 属人的であること(大手企業は組織的に事業をするため属人性は苦手)

  3. その専門分野の領域に深い知見があること(自分だからこそできること)

  4. その分野の顧客へ直接的に営業できること

そして、常に「人と一緒ではなく、人と違うことをやる」というメンタリティーが必要です。

ピンホールマーケティングの事例「オガールプロジェクトのバレーボール専用コート」

オガールプロジェクト概要

まずはオガールプロジェクトの全体像をシェアします。

オガールプロジェクトは、人口約3万人の岩手県紫波町で、10年以上放置さていた町所有の10.7ヘクタールの雪捨て場を、民間主導の公民連携で活用した都市再生プロジェクトです。

このプロジェクトのユニークな点は次の4つ。
3つ目にピンホールマーケティングが明記されています。

  1. 都市と農村の暮らしを「愉しみ」、環境や景観に配慮したまちづくりを表現する場にすること

  2. 「町民の資産」である町有地を活用して、公民連携手法を用いながら財政負担を最小限に抑え、公共施設整備と民間施設等立地による経済開発を進める

  3. 「ピンホールマーケティング」により、紫波町やオガールの特色を生かしながら、新しいライフスタイルを提案し続ける

  4. 「オガールエリア・デザインガイドライン」を定め、人と環境に優しい統一感のある景観で、住みよいまちを目指す

また、「オガール」 という名称は、フランス語の "gare" (=駅)に由来し、さらに紫波の方言で【成長】を意味する【おがる】の2つの意味が足しあわされたネーミングとなっています。
とってもステキです。

わたしもオガールへはおそらく4回ほど行っております。
目的は、毎年の都市経営プロフェッショナルスクールの秋の集合研修が、
オガールで開催されていて、そこにOBとして参加しているためです。
ぜひ気になる方は現地へも足を運んで体感していただくことをおススメします。行かないとわからないことはかなりあります。

視察研修メニューもあるので、現地の担当者のお話を聞きたい場合はこちらから申し込みください。

参考に、オガールに関するURLをいくつか掲載しておきますので、より詳しく知りたい方は、こちらもぜぜひどうぞ。

ピンホールマーケティングによるバレーボール専用コート

オガールプロジェクトの特にバレーボール専用体育館は、まさにピンホールマーケティングの考え方を体現している事例と言えます。

まずはターゲットの明確化がされている点を紹介します。

オガールプロジェクトの中心的に事業を牽引されている岡崎正信さんは 、
中学生の頃にバレーボールに出会い、選手から始まったバレーボール人生は、コーチ、監督という指導者の役割に変わり、日本スポーツ協会公認バレーボール上級コーチ資格(コーチ4)を有している方。そして未来の人材育成まで手掛けられています。

バレーボールのプレイヤーとして、さらに指導者までやっていないと分からないことまで、幅広く知り尽くされていると思います。

また、全日本男子チームをはじめ日本を代表するバレーボーラーとも親交があり、バレーボール業界で現在進行形で動いている方々とリアリティのあるネットワークがある、ということが強みだと思います。

岡崎正信さんのnoteはとってもおススメです。
言語化がとても秀逸で事業のつくり方などとても参考になります。自分もメンバーシップに入って購読させていただいています。

わたしも高校生(16歳)から42歳まで趣味としてサッカーをやってきました。その中で、最後の2年間は小学生を教えるコーチをしました。
当たり前ですが、選手とコーチには必要なスキルや視点が全く異なり、さらに、ネットワークも異なります。
岡崎さんのもつリアリティのあるネットワークは何なのかが、何となくですが分かる気がします。

スポーツにおけるピンホールマーケティング

スポーツにおけるピンホールマーケティングは、まさにバレーボールのようなマイナースポーツです。

参考に、日本におけるスポーツの競技人口を調べてみました。
ピンホールマーケットとは真逆の大衆をターゲットにしたマスマーケットは、やはりサッカーと野球ですね。ランキング10位までで、野球とサッカーの合計は30%以上と、まだまだこの2つは強い。

(ランキング:競技人口の多いスポーツ@日本)

  1. サッカー: 約85万人

  2. 野球: 約70万人

  3. バスケットボール: 約60万人

  4. バレーボール: 約50万人

  5. テニス: 約45万人

  6. 陸上競技: 約40万人

  7. 水泳: 約38万人

  8. ソフトボール: 約35万人

  9. 卓球: 約33万人

  10. ゴルフ: 約30万人

そして、強者の戦略が得意な大企業は、野球やサッカーへの投資が得意だと思います。

サッカーだと最近できたサッカースタジアム「長崎スタジアムシテのピーススタジアム」が分かりやすい事例だと思います。

ピーススタジアムは、Jリーグ(J2)「V・ファーレン長崎」の本拠地として2024年10月14日にオープンしています。

ホテル、サウナ、オフィス、レストランなど、サッカーを軸にした複合施設になっていまして、サッカーファン兼サウナ―のわたしとしてはぜひ行ってみたいですね。

ここでは、ピンホールマーケティングとマスマーケティングの具体的な事例を挙げてみました。オガールプロジェクトは、マスマーケティングとは真逆のピンホールマーケティングの視点を取り入れ、特定のニーズに深く応える開発を行い、効果的な地域づくりを実現していると思います。

ピンホールマーケティングを自分自身に置き換えると

わたし自身が経営するジブン株式会社を経営する立場として、自分自身にピンホールマーケティングを置き換えてみます。

本業の地方公務員としてのピンホールマーケティングにつながるスキルをあげると、行政と民間双方のマインドを理解していることから、「双方を横断する通訳ができる」ことです。

この通訳できるスキルがあるのとないのでは、特に庁内の合意形成のスピード感が全く変わってきます。

QURUWA(くるわ)戦略という、公民連携まちづくりを立ち上げから含めてもうすぐ12年担当しているため、これまで、地域の事業者の仲間たちと日常的なコミュニケーションをはじめ、都市経営プロフェッショナルスクールやLDLのメンバーの仲間たちとのコミュニケーションをし続けています。

そういった知見をもとに、行政での22年に及ぶ経験から、
行政民間双方が何を大事にしていて、どういった言葉を使うと、プロジェクトが円滑に進むかを理解しています。

これからもこの翻訳スキルを使って、公民連携事業のスピードアップをさせてQURUWA戦略をガンガン進めていきたいと思います!

今日noteはここまでにしたいと思います。
いつもより2倍近く時間がかかってしまったので、
これからもっとコンパクトにまとめていきたいと思います。

次回は、2/19-20に訪れた、三重県いなべ市にある
温泉・サウナ・宿泊・食事からなる街の温泉複合施設「いなべ阿下喜ベース」の視察レポートをnoteに書きたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!
よろしければ「いいね」いただけると励みになりまーす!
ではではー✋