新会社、はじめました。
はじめまして。&PUBLIC(アンドパブリック)株式会社の共同代表 桑原憂貴と申します。「公共の力をともに革新する」をコンセプトに掲げ、ソーシャルインパクトを追求する組織に「インパクトマネジメントツール」を提供する会社を仲間とスタートさせました。
今、わたしたちの暮らす社会には多くの問題が山積しています。しかも、それが複雑に絡み合いながら、再生産され続けている。困難さはどんどん増えているように感じます。1人や1社の力では不十分。だからこそ、想いやめざす光景を共有できる未来の仲間たちとの良い出逢いが生まれたらと願い、自分たちの想いと取り組みを紹介させていただきます。
何ができる会社なのか
まずは、何ができる会社なのか。提供するサービスから説明します。現時点(2023年2月)では、3つのサービスを提供できます。
①社会価値を可視化する「インパクトデザイン研修」
②社会価値を最大化する「インパクトマネジメント研修」
③上記をツールで支える「インパクトマネジメントツール提供」
ここでいう「インパクト」という言葉は、社会や環境の変化をうみだす「社会的インパクト*」という言葉と同じ意味で使っています。
わたしたちのやっていることを簡単に表現するなら、「組織の発揮したい社会的な価値」をチームで言語化して整理することで、めざす成果と手段の道筋を見えるようにすること。これが「インパクトデザイン研修」です。
さらには事業や活動結果を振り返り、社会課題が解決されていく、あるいは社会価値が増えていくマネジメントサイクルを回すための知識と技術をともに考えます。これが「インパクトマネジメント研修」です。
最後に、社会価値を最大化するために、価値の測定と事業の改善サイクル(社会的インパクト・マネジメント*)を継続しやすくするITツールを開発し提供する。これが「インパクトマネジメントツール提供」です。
社会価値の可視化や最大化が、組織にとってなぜ必要なのか。1分程度の動画にまとめていますので、よろしければご覧ください。
創業した理由
&PUBLIC(アンドパブリック)は、5人の仲間が集い、2023年2月1日に共同創業した会社です。↓ 季節感がだいぶ違いますが、9月にいった石垣島合宿の写真。
ボードメンバーとしては、それぞれ別の会社を経営していた長友まさ美、こくぼひろし、桑原憂貴の3人が中心になって進めています。お二人の紹介も少しだけ。
最後にnoteを書いている私、桑原憂貴(共同代表)の想いもご紹介。
私自身は、もともと2013年に陸前高田市で震災復興のために参加型リノベーションワークショップの企画運営会社を起業し、経営してきました。その後、2019年にはものづくりのシェア工房を全国で展開するための財団法人を設立したこともあり、今回の挑戦はいわば3社目になります。
今回、創業するに至った理由には、この2社を経営するなかで感じたことが大きなきっかけとなりました。それは「自分たちがやっていることは、社会にとって本当に意味のあることなのか」という問い。
実は、震災復興という社会課題解決から始まった会社でもあったため、「ともにつくることで人の関係性を豊かにする」という社会的価値を追い求めて進んできました。一方で、「関係性が豊かである」ということは「暮らしをいったいどのように支えられるのか」と言われると、ハッキリとは答えられない自分がいたんです。「なんとなく社会に良さそうなこと」ではあるけれど「具体的にどういいのか」は言えないと感じていました。自分で創ってきた仕事は、人生の時間と情熱を注いだもの。だからこそ、意味を自らがちゃんと感じたい。コロナ禍でこれまでを振り返る時間が強制的にできたとき、そんな気持ちが次第に大きくなっていきました。
「自分たちの組織が発揮できている社会価値を可視化したい。」
そんななか想いに背中を押されるように出逢ったのが「社会的インパクト・マネジメント」というテーマ。2019年の当時、このテーマで開催されている研修を受講し、発揮したい社会価値を設計するための「ロジックモデル」というフレームワークを改めて学べたのは自分のなかでは大きな収穫となりました。
一方で強く思ったことが、時間をかけて整理した「めざす成果と道筋」も、なかなか見返しにくいということでした。
「組織のめざす社会的な価値をせっかく設計したならば、現場で実践して見えた結果を反映して、アップデートして活かしたいと思うようになりました。その際に、模造紙に付箋で整理した状態や、それをエクセルやパワーポイントに文字だけ細かく記入した状態では見返しにくい。できるだけわかりやすく社会的な価値の変化を可視化し、事業活動を通じて改善しやすいツールが必要ではないだろうか。」
そんな想いで「インパクトマネジメントツール」の開発に踏み切ったのが2019年の終わりです。幸い、社会的インパクトマネジメントの領域を引っ張る専門家の方々にも貴重なご意見をいただけた結果、少しずつ開発が進んでいき、2022年12月にβ版の完成に至っています。ぜひ、ソーシャルインパクトを追求する多くの企業やNPO、自治体のみなさんに試していただければ嬉しいです。(お気軽にお問合せください。)
めざす未来
最後にわたしたちがどんな未来を創りたいのか。そのことに触れて終わりにしたいと思います。このnoteの最初の文章に「公共の智慧あふれる国」という一文があります。これこそが、社会のおける私たちの存在意義であり、&PUBLIC(アンドパブリック)というチームが「めざす最終的な光景」として掲げているものです。
いま、日本は少子高齢化に伴う既存システムの限界が至るところで露出しています。人口が維持できなくなった地方では、新しいチャレンジが減り、仕事の種類や地場産業が衰退していく。魅力ある職が少なくなれば、若者の地域外への流出は加速する。国全体を見渡しても、社会保障費が増加の一途をたどるなか、若年層にもうつなどの心の病の増加や孤立や孤独による自殺が見られ、今や大きな社会課題になっています。
一方で、人口の急激な縮小という誰もが経験したことのない状況のなか、「課題先進国」と言えるこの国において多様な課題の解決方法を見つけだし、その叡智を世界の国々にとって役立てられたなら、日本は今よりも誇りに思える国にきっとなる。それは未来のすべての世代にとって、大きな意味があると信じています。
だからこそ、現場の最前線で取り組まれているたくさんの試行錯誤を、テクノロジーの力で保存・共有することが必要だと私たちは考え、インパクトマネジメントツール「purposeboard(パーパスボード)」の開発を進めています。
「まずは自分のために始めた挑戦や周囲のための挑戦。それが一人のもので終わることなく、「うまくいったもの」や「うまくいかなかったもの」も知識・技術として共有され、次のチャレンジではそれらをさらに乗り越えていく。」
企業やNPOなどの民間セクターが、多様なテーマの社会課題解決にむけて取り組む試行錯誤を蓄積し、年間約60兆円ものお金を使っている地方自治体が、民間の試行錯誤によって生まれた叡智を活かして政策を立案することで、公共の課題解決力をさらに効率的・効果的に飛躍させていく。
「私」が感じる課題や困難を解決するために始まった小さな一歩が、次第に「私たち」のためへと変わり、最後は「みんな(公共)」のためになっていくのなら、未来はきっと明るくなる。
&PUBLIC(アンドパブリック)の存在意義は、こうした価値観の変容や課題解決のための社会技術をうみだす「公共の智慧のデータベース」を世のなかにうみだすことだと考えています。
そして、いつの日か、世界中の国々が「公共の智慧あふれる国」へと変化を遂げたとき、それは未来のこどもたちへ胸をはって渡せる世界にできるはずです。
わたしたちは、めざす幸せな光景や願い、想いを共有できるなら、メンバーやクライアントなど役割の違いは多少あれど、すべての人が「価値共創者」だと捉えています。
同じ時代を生きる私たちのできることとして、「売上の先にあるもの」、「社会を良くした先にあるもの」を話し合い、共有しながら、一緒に進んでいける価値の共創者に1人でも、1社でも多く出逢えるなら本当に心強いです。
最後にもう1度、私たちの願いを残して締めくくろうと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。いつか、あなたと出逢えることを心から楽しみにしております。
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